EOSHDによるとAppleがRawコーデックの使用に関しての申し立てをREDに対して2件提出した事が判明しました。
Petition for Inter Partes Review of U.S. Patent No. 9,245,314
Declaration of Cliff Reader, Ph.D. under 37 C.F.R. § 1.68
申し立ての内容はかなり複雑なため、こちらでの説明は省略させていただきます。(というか僕の英語力では説明しきれません)
ただ、Rawコーデックに関する問題である事が判明しています。
REDは一番最初に開発したカメラであるRed Oneをリリースした時にカメラ内でRawコーデックを録画する事に関するいくつかの特許を取得しています。
そのため、AppleがProRes Rawをもっと普及させるためにはREDにライセンス料を払わなければならないかもしれない、という事態らしく、
もしAppleの申し立てが通った場合、ライセンス料をREDに払う必要がなくなり、たくさんのカメラメーカーが一斉にRawコーデックを採用する可能性すらあるみたいです。
しかもREDの使っているRAWコーデック自体にライセンス料を支払う必要がなくなるので、REDにとっては大打撃になるらしいです。
Blackmagic DesignはBRawをRedにライセンス料を払わなくてもいいようにすり抜けたみたいですが…(パーシャルディベイヤーを開発したためだそうです)
REDの社長であるジャレッド ランド氏は下記のように語っています。
「このようなプロセスは特許取得者にとってはスタンダードな出来事であり、Redcodeに対して似たような申し立てを受けたことは過去にもあったが、常に退けてきたし、今回もそうなるであろう。 私たちは素晴らしい関係をAppleと築いているし、今年6月に彼らが発表したように、今後もコラボレーションを続けて行くつもりだ」
ただし、今回の申し立てのAppleの動機について聞いた所、ノーコメントだという事です。
さて、AppleはRawで何がしたいのか? に関してnewsshooter.comのエリックさんの見解は
カメラ内部でのRaw録画に関してはREDが特許を取っているため、今の所ProRes RawはAtomosのNinja等での外部録画しか出来ていない状況です。
なのでAppleとしてはRaw録画機能を自社製品(iPhoneあるいは開発中の自社製カメラ)か他のカメラメーカーに使ってもらいやすくしたいのでは? と憶測を巡らしています。
iPhoneは、その登場からすでに10年以上、スマホの地位確立はもちろん、コンパクトデジタルカメラの市場をほとんど食い尽くしたと言っても大げさではありません。
まさか、AppleがiPhoneにRawビデオモードを採用するとは思えませんが、2年後、3年後を考えると全くありえない話ではなくなってくるのかもしれませんね。