EOSHDのアンドリューさんが皮肉たっぷりの記事を載せてますので、私見も交えて報告したいと思います。
アンドリューさんは、EOS M6 MarkIIに搭載されるであろうセンサーは技術的にかなり進化したセンサーである事をスペックシートを見ただけでもわかるという事です。
そしてこのように語っています。
ついに、Canonがクロップなしの4K動画(未検証)と1080/120PをAPS-C (スーパー35mm) 32メガピクセルセンサーを使って実現したぜ!
そう、つまり2014年のSamsungのNX1のレベルにようやく到達したってわけだ。
補足:NX1とはSamsungが2014年に発売した高性能カメラで当時ではどの編集機でも扱えなかった.h265コーデックによる4K撮影を実現した時代を先取りしすぎたカメラの事です。
(日本では発売されてないと思います)
まあ、2014年のカメラのスペックにようやく到達したという事で皮肉っている事がわかりますよね。
そしてこう続けています。
EOS M6 Mark IIの性能が同社のC500に肉薄しているって事は
Netflixが今後ArriflexのAlexaの注文をキャンセルして$700のミラーレスカメラを買っちゃう可能性がある。
でも、それは流石にまずいから24P機能は搭載しないことに決めたみたいだ
C500といえば2012年にCanonから発売された本格的なシネマカメラです。
C500のスペックはこちら
そして、Netflixは最近、全ての番組を4Kで撮影、配信することに決定したため、今までハリウッドで主流で使われてきたアリフレックスのAlexaでの撮影を推奨しないとのコメントを出しています。
The ARRI Alexa XT/SXT/Mini and Amira are fantastic cameras, and we stream plenty of content that was captured with these cameras. However, since these cameras do not have true 4K sensors, we cannot accept them for our 4K Original productions.
上記はNetflix公式ウェブサイトでのAlexaの使用を認めないという文章になります。
Netflixにコンテンツを提供している制作会社がAlexaに変わるカメラを探していることが推測できます。 そして、もちろん、Canonとしては自社のハイエンドカメラを使って欲しいのです。 その辺りを汲み取って読むと中々面白い発言ですよね。
アンドリューさんの皮肉は止まりません。
これからはソープオペラのように全ての番組は30Pで撮影されることになるだろう、Canonは5D Mark IIの24Pファームウェアアップデートを取り消してまた2009年発売当時の30Pのみに変えるべきだ
5D Mark IIといえば2008年に発表され、映像制作の歴史をガラッと変えたと言っても過言ではないエピックメーカー的なカメラです。
当時では斬新すぎたフルフレームでのビデオ撮影を可能にした画期的なカメラでした。 そして、ユーザー達からの熱い要望に応えてファームウェアアップデートにより24Pを実現したという過去があります。
しかしその後、Canonはビデオ撮影専門のハイエンドカメラのラインアップを発表することで、民生用カメラに搭載するビデオ撮影機能に関しては敢えて機能制限を掛けるという動きが現在まで続いています。
アンドリューさんがCanonの販売部門に電話をかけてなぜEOS M6 IIが24P機能を搭載していないのか、訊ねたところ、ロシアの販売部門の人がこう言ったそうです。
24P機能を外すことによってCinema EOSとEOS Rセールスに
影響を及ぼさないようにするためだよ
かなり率直な答えですね。
さて、皆さんはこの話、どう受け止めますか?
たった1つの小さな機能を省いただけです。
でもここまで皮肉たっぷりに語られると、そもそも24Pが本当にシネマティックな映像に欠かせないのかどうかも含めて深く考えさせられる小さな機能ではありますね。