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メタボーンズ Fujifilmカメラ用のスピードブースターを遂に発売! EOSHDの独占記事を翻訳掲載

この記事は下記のEOSHDにに掲載された記事の一部を抜粋、翻訳しています。

www.eoshd.com

 

メタボーンズ社が遂にキャノンEF スピードブースター・ウルトラを発表した。このレンズアダプターはフェーズでティクション オートフォーカス(PDAF)をサポートすることで、X-T4ユーザーにとっては必須のアイテムになりえるだろう。 また、(競合他社とは違い)高品質の光学系(Caldwell Opticsによる革新的な5枚レンズ)を使用することによって映像の品質は最高級のものが得られるに違いない。 今回、EOSHDはメタボーンズ社のオートフォーカスエンジニアリングの中心人物であるBO-Ming Tong(カナダ在住)から詳しく話を聞くことができた。

 

EOSHD: こんにちは BoーMIng! 簡単に君の自己紹介をしてくれないか? 特にどのようにして香港のMetabones社と働くことになったのかが聞きたい。 そして、あなたのキャリア構成の初期に行ったContax N(Zeiss)をキャノンEFマウントに変換した話も聞きたいな。

 

Metabones: 私がContax NレンズをキャノンのEFレンズマウントに改造したのは2006年ごろのことだよ。電子接点付きレンズでオートフォーカス性能を維持することはそれまでは不可能であったから、世界初の試みであったね。この改造を行った理由としては、Zeissのレンズの特徴である極限のマイクロコントラスト描写と豊富なトーン描写を他機種で実現したいという発想からだった。 私が改造したZeissレンズはキャノンカメラ上で抜群のオートフォーカス性能を実現した。Contaxネイティブのカメラよりも早かったね。 その二年後に5D Mark IIがDSLRムービーに革命をもたらし、フルフレームの(スチル/ビデオ) ハイブリッドカメラというジャンルを作り出した。 2010年ごろVario-Sonnar 2.8/17-35がカルト的な人気を博していた。 私は当時発売されていたソニーのNEX-3を買っていろんなアダプターをつけて遊んでみることにしたんだよ。 そして当時のレンズマウントアダプター各社の実力を図りたかった。後にBrian CaldwellとWilfried Bittnerが電子接点制御を得意とするエンジニアを探していると伝え聞いた。彼らは革命的な技術革新をレンズマウントアダプター業界にもたらしたいと思っていたのさ。友人のつてで彼らの方から私に連絡をしてきた。Metabones社のスマートアダプターの製作はこれがきっかけとなってスタートし、後に語り継がれることになったよ。

 

EOSHD: あなたが言っているのは17-35mm F2.8 Zeissのどのバージョンのことかな?

 

Metabones: Contax N Vario-Sonnar 2.8 / 17-35のことで、このレンズは当時としては最高のワイドアングルズームレンズと謳われていた。 伝説のレンズとして、Yashica/Contax Distagon 2.8/21と同級に扱われていたよ。この頃は中古レンズ漁りをする人が多くて、そういうマニアの間でどのレンズがベストかって話がよく交わされていたのさ。このズームレンズは19mmあたりで信じられないシャープな描写を実現することがわかっていた。

 

EOSHD: 新しく発売されるCanon EFマウント用のFUji X マウント スピードブースターはオートフォーカス性能を搭載してるよね? つまりは、このアダプターを使えばフルフレーム相当の4K 10bit 60PをPDAF性能付きでX-T4で実現できるということかな? だとすれば電子制御部の開発に関して詳しくお話ししてもらえないか?

 

Metabones: 実はこの性能を実現するまでに数年間を費やしているんだよ。 このアダプターを開発している当時はマーケットがどの方向に進むかわからなかった。でも、この製品が完成したのと同じタイミングでX-T4が発売されたのはラッキーだったよ。 このカメラの動画性能の素晴らしさは折り紙付きだからね。もちろん静止画(写真)もとても大事だけど、本音を言うと、私たちがアダプター製作で最も重要視してるのは動画撮影時のパフォーマンスをいかに引き出すかだからね。 SigmaがCineラインレンズにMFメタデータを電子的にカメラに送ることがわかった時に、X-T4やXーH1にもそのマニュアルフォーカスやマニュアルアイリスのメタデータがしっかりと表示できるようにすることは重要だった。 かなりニッチなレンズのニッチな機能だけど、たくさんのフィードバックをユーザーからもらううちに、そのような小さな機能が実はとても重要視されてることに気が付いたんだよ。私たちがこのようなユーザーが真に求めている機能を追加していくことが、信頼性を製品に生み出し、ユーザーからも信頼されるメーカーになれると思っているよ。 正直、Fujifilmの電子制御部をうまく調整するのは簡単ではなかったけど、EFレンズのアダプターを作り続けていた我々の豊富な知識をうまく活用することで、満足できる商品になったと思う。

 

EOSHD: SigmaのCineレンズのメタデータをFujiのスピードブースターで共有できるのは素晴らしいね。 Cineズームの焦点距離データも共有できるのかな? IBIS(ボディ内手振れ補正)ではとても重要になるよね。

 

Metabones: もちろんだよ。

 

EOSHD: MetabonesのCanon EOS RP スピードブースターに関してだけど、4Kモードでクロップされるのをもう一度フルフレーム相当に変換してくれるよね? この機能は今後発売されるEOS R5にもとても重要だと思ってるんだ。 EOS R5はスペックシート上では素晴らしい機能を搭載してるけど、フルフレームでの4Kや8Kモードではピクセルビニングの限界でモアレやローリングシャッターの現象がひどくなる可能性があると思っている。 そういう意味ではS35(クロップ)モードでのスピードブースターの使用はとても興味深いものだと思うし、EOS R5が発売されたらすぐにその実験をしようと思ってるよ。

 

Metabones: そうだね。そのような情報をシェアルすることは我々のコミュニティにとってとても重要だね。

 

EOSHD: FringerがXマウント用CanonnEFレンズアダプター(注:スピードブースターではない)を先行して発売しているけど、オートフォーカスをはじめとしたパフォーマンスはとても良いと思っている。Metabonesのスピードブースターのパフォーマンスは比較したらどうなるのだろう?

 

Metabones: Metabonesのアダプターはどのレンズを使ってもPDAF対応になっている。写真撮影時のオートフォーカスモードの速度に関しては私たちの優先順位は低いし、動画撮影時に写真用のオートフォーカスが優位に働かないことがあることはみんなが同意するところだと思う。 それにほとんどの場合、撮影時に被写体がどのあたりに存在する、あるいは移動するかを予測することができるだろうから、新しい機能であるAF レンジ リミッターを使えばAFのスピードをかなり速くすることが可能だろうね。もちろん、ファームウェアのアップデートを通して、さらなる改善をユーザーからのフィードバックをもとに行っていくつもりだよ。

 

中略

 

EOSHD: キャノンのEOS RとRP用に開発されたスピードブースターは4K撮影時のクロップモード(1.24倍 R そして1.15倍 RP)を解消してくれるわけだけれども、その代わりにオートフォーカス性能は犠牲になっているのかな? それともキャノンのEFレンズのデータをRFボディにスルーで伝達してスピードのロスはないの?

 

Metabones: 焦点距離、絞り、オートフォーカスメタデータは修正されてボディに伝わるようになっている。 焦点距離の要素は今後キャノンがIBIS(ボディ内手振れ補正)機能を搭載する時にとても重要になってくる。 オートフォーカスのパフォーマンスについては一切心配することはない。なぜなら、情報自体がキャノンからキャノンへのダイレクトな転送だから。 正直、手持ちで素早く撮影する時にデュアルピクセル オートフォーカスはとても重宝される機能だと思う。そして、たくさんのユーザーがRFレンズではできない4Kフルフレーム撮影を望んでいて、EFレンズと我々のMetabones Speed booster Ultraで撮影をしていることに驚いている。売り上げは予想していたよりもはるかに上回っている。こういうニッチな製品はわかんない人には一切理解されない、でも本当のプロ達はこういう細かいところで差をつけるものなんだ。

 

EOSHD: 2019年にMetabonesはBMPCC 4K用にスピードブースター(そしてXLバージョン)を発売したわけだけれども、GH5用の普通のスピードブースターと比べて売り上げはどうだったの? 開発にあたって技術的に難しい部分はあったのかな?

 

Metabones: Blackmagic用のスピードブースターはすごい人気だよ。 ただ、通常盤を使うことによって他のボディとの互換性を求めるユーザーも少なくないけどね。 電子制御的な部分での違いは一切なく、光学的な違いしかなかったので、難しい点はそういう意味ではなかったかな。

 

EOSHD: DSLRレンズマウントの電子接点プロトコルの中でバスの広さと高速通信のできるマウントはどの会社のマウントかな? やはりキャノンのEFマウント?

 

Metabones: オリジナルのフォーサーズマウントがダントツで高速だね。他のDSLRマウントのプロトコルは1980年代に開発されていて、通信スピードは比較的に遅いものばかりだよ。でも各社ともに頑張って速度向上のためにプロトコルを書き直したりはしているんだけどね。最終的にオートフォーカスの速度に一番影響を与えてるのはメカニカルな部分でフォーカスモーターの構造によるものが多いよ。近年のDSLRのレンズはより素早いサーボ機構を搭載しているからフォーカスの速度も速いね。

 

EOSHD: Nikonのレンズがアダプター経由でSonyのEマウントにつながった時にフォーカススピードがEFレンズと比べるとかなり遅いようだけど、理由はあるのかな?

 

Metabones: SonyのEマウントは最初からDSLRレンズ(例えばαレンズマウント)のオートフォーカスがPDAF(フェーズデティクト オートフォーカス)に対応するように設計されてるんだ。カメラメーカーとして後発のソニーとしては既に存在しているAマウントレンズの資産を活かしたかったからだね。アダプターメーカーからすると、ボディ側にそのような機構が既に埋め込まれているのはとても助かるよ。他のメーカーのことに関しては敢えて言及を避けたいけど、EFマウントレンズは設計の基礎段階からオートフォーカス機構が優れているんだろうね。

 

後略