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Canon R5がゲームオーバーになるために必要な α7SIIIの本当のスペックとは

 

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Sony α7SIII の発表まで10日を切りました。

さて、EOS R5、そしてR6の発表から一週間以上が過ぎ、にわかにSonyの対抗機であるα7SIII

に関する情報が少しずつ漏洩され、そして発表日まで決定しました。

 

今回、Sony宮本武蔵が巌流島の決戦に遭えて遅刻してきたように、キャノンの発表が一通り終わった頃合いを見計らっての公式発表日の決定になった模様です。

 

今のところ分かっているスペックをまとめましょう。

  • 新しく設計された12MPセンサーを搭載(クオッドベイヤー 48MPセンサーを使用するかどうかはまだ明らかになっていないが、は流れている)
  • フルHDで240fps, 4k120fps 10bit 4:2:2 そして 4K120fps raw記録をHDMI経由で可能
  • 600mbps 録画ビットレート
  • ベース ISO 160 (S-LOG3使用の場合)
  • デュアル ISOではない (しかし、断言はできない)
  • 最高感度 ISO 409600 (動画撮影時)
  • 16bit RAW出力 (スチル撮影時のビット深度ではないかという憶測が飛んでおり、その可能性が高い)
  • 15ストップのダイナミックレンジ
  • 新設計された944万画素のEVF (QXGA 解像度)
  • 新設計のファンレス クーリングシステム (ヒートシンク? 防塵防滴にも関わらず空気孔があるとの噂も)
  • オーバーヒートせず、録画時間制限なく録画可能
  • UHSIIカードのサポート
  • 形状はSony α7rIVにそっくり
  • ソニー ZV-1のように回転式ディスプレイを搭載
  • 7月末発表の8月中旬発売開始

さて、上記のスペックから推測できるキャノン R5に対するスペック上の優位性は

  1. オーバーヒートしない
  2. 高感度でのパフォーマンスがR5より良くなると思われる(画素数が少なく、一画素あたりの面積が大きくなるため)
  3. 上と同じ理由から、ローリングシャッターが低減されると思われる
  4. 4K 120PのRAW記録(外部出力経由)はProRes RAWになる可能性が高く、その場合は再生、編集のパフォーマンスが現行発表されているキャノンのRAWファイルより格段にフレキシブルである
  5. 現行のR5のスペックではオリジナルのキャノンログのみの搭載となっているため、(ファームウェアでClog3に対応の噂も)R5のダイナミックレンジは12ストップと思われる、それに対し、15ストップのダイナミックレンジを持つことは完全に優位に立ったといえる
  6. フルHDで240fpsが可能

さて、これだけでも既にかなり凄いスペックになりそうですがもし、キャノンに追い討ちの一撃を加える必要があり、それが可能ということならば、スペックシートには現れない下記の機能が必要、あるいは追加されると良いと、私見ではございますが思っております。

 

 

動画撮影で実用性のあるIBIS(手振れ補正)の搭載

これはとても重要な部分で、現時点での噂の中ではまだ手振れ補正搭載の記載がなく、普通に手振れ補正が搭載されたとしても、今までのα7シリーズに搭載されてきたような補正機構ではR5に搭載された動画にもしっかり対応する手振れ補正機能には劣ることになります。スペックシート上で手振れ補正有りと書かれているだけではダメで、しっかりと動画のパンやチルトの動きに逆らわない手振れ補正を搭載するべきでしょう。

 

FX9 Venice カラーサイエンス

こちらもスペックシートには現れづらいのですが、Sonyのカメラは良くも悪くもマゼンタやピンクの色合いがあり、スキントーンに関してはCanonの方が良いという、一般論が横行しています。(実際はα7III辺りからかなりナチュラルなトーンに仕上がるようになっているのですが)

 実際、そういった傾向は過去にあり、SonyのFS5がFS5 Mk2になった時にSonyは公式にスキントーンを改良したと発表し、同社の最高級シネマカメラ VENICEのカラーサイエンスを導入したシーンプロファイルを新しく追加した歴史があります。(つまりSonyもスキントーンに関して評価が低いことは認めているのです

現在のSonyのハイエンドシネマカメラのFX9にもS-CinetoneというVENICEのカラーサイエンスを踏襲したシーンプロファイルが搭載されています。今回発表されるα7sIIIがこのピクチャープロファイルを搭載、あるいはファームアップで搭載してきたら大きなニュースになると思いますし、Canonのカラーを愛してやまないキャノンファンを振り向かせることができるでしょう。

※S-Cinetoneに関してアップデートがあった模様です。詳細は以下をご参照ください。

 

最後に、これが搭載されていればゲームオーバーだと個人的に思っている機能がありますが、この機能はおそらく搭載されないでしょう。 でもあえて、希望的観測も含めて搭載して欲しい機能が、

 電子式可変NDフィルター

になります。 そう、FS5やFS7 MK2に搭載されているあのフィルターです。このフィルターがあるだけで明るい昼間でも、絞り開放でボケ味を活かした動画が簡単に撮れるようになります。 ISO、絞り、シャッタースピードは固定であとはこのNDフィルターが勝手に明るさの微調整をしてくれるという便利な機能が先述の二機種には搭載されています。 動画専門を謳うα7SIIIにこの機能があれば、EOS R5を購入検討していた人たちも躊躇なくSonyを選ぶことになると思いますが、皆さんはどうお考えでしょう?