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EOS M マジックランタンの 14ビット RAW動画を色補正して思ったこと

最近、マジックランタンにハマっているという事は以前のブログ記事でお伝えしたかと思います。 特に中古だと1万円で購入できるEOS Mを使ったマジックランタンの安定性には使うたびに驚かせられています。

目次

 

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MLV APPのGUI

ProRes 422で書き出して見た

さて、以前にテストした時は書き出し設定をProRes 4444にしたりCDNGファイルにしたりしていたので、今回はProRes 422で書き出して見ました。

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ProRes 422に書き出し設定する

ファイルサイズは当たり前ですが格段に小さくなりました。

4分50秒の尺を4Kにアップコンバートしたファイルサイズは3.9GBでした。

(1分が1GB以下ということになりますね)

※参考までにProRes4444で書き出したときは5分38秒のファイルが44GBでした。

(1分が約7.8GBの計算)

 

Clarityスライダを調節して4Kアップコンのためにシャープな映像にして見た

今回書き出す時にMLV APP上では色補正は一切タッチしませんでした。唯一タッチしたところがClarityというスライダーで、これをマックスに効かしています。(理由としてはフォーカスが若干甘かったから、というところでしょうか)このClarityというパラメーターですが、MLV APPには別途Sharpenという機能があるので、この二つの住み分けがイマイチわからないのですが、とてもナチュラルに嫌味なく、ソフトな画像をシャッキリさせてくれます。

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一番下に見えるパラメータ、Clarityをゼロにした状態

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Clarityをゼロにした状態の画像

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Clarityを最大にした場合、サチュレーションも若干濃くなっている

書き出した映像はDavinci Resolveで補正

グレーディングは必要最小限に留めるということで、露出補正、ホワイトバランス、サチュレーション&コントラストに限定して行って見ました。

もし、このソフトウェアをまだインストールしていない方は無料なので是非ともインストールして使って見ていただきたいです。 無料ではありますが、実際は色補正に関してはハリウッドのインダストリースタンダードなソフトウェアになります。

www.blackmagicdesign.com

 

RAW映像にノイズは付き物 Neat VideoのPlug inを活用

さて、今回だけではなく、以前から気になっていたことなのですが、RAWで撮影した場合、少しでもアンダーな部分はノイズが乗りやすい、というふうに思っていました。 理由として、センサーデータをそのまま持ってくるわけですから、カメラのプロセッサ内でのノイズ処理もスルーしてしまうのですね。

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Neat Videoノイズ処理前 花の周りの葉っぱに注目

 

Davinci Resolveには強力なノイズリダクション機能がついているらしいのですが、僕が持っているのは無料バージョンでノイズリダクションは使えません。 そこで、以前(と言っても10年ほど前)に使用したことがあり、今でもノイズリダクションの分野では最先端を走るNeat Videoプラグインとして購入し、基本のカラーグレーディングをする前にノイズリダクションを施すことにしました。 

 

Neat Videoに関しては159ドル(HDだけなら89ドル)とやや高めな値段設定ですが、実際に使ってみると、今後のRAW動画の編集にはこれ抜きでは語れないことがわかり、実際は安い投資をしたと思っております。無料のダビンチを使っていて、ノイズリダクションだけが欲しい、と言った場合はフルバージョンのダビンチリゾルブ スタジオを購入するよりもお得かもしれません。

 

さて、Davinciでのカラーグレーディングの前に行ったNeat Video でのノイズ処理は下の写真のように、ノイズパターンをRGB別チャンネルで読み出し、ノイズパターンを解析し、除去するという、とても洗練されたものとなっております。

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Neat VIdeoのGUI  黄色い枠に指定した箇所のノイズパターンを解析する

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ノイズリダクションを施した後の画像

見事にノイズを除去してくれたので、あとは露出補正、ホワイトバランス、サチュレーション&コントラストの順に補正を行いました。

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かなりアンダーに撮影した映像もリカバリーはバッチリ

ここで重要なのはノイズリダクションを先に行うということでした。 ノイズリダクションが最終段階で行われた場合、カメラで処理されなかったノイズが他の工程(例えばSharpen)を行う中で増幅してしまう可能性があります。

 

下の画像も全く同じプロセスを繰り返して、ブルーのティントのかかった映像のホワイトバランスの補正に成功しています。 こちらもやはり、最終的に4K仕様でカリカリにする(Sharpen使用)前にノイズの除去を行いました。

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ノイズリダクション→露出→ホワイトバランス→サチュレーション→Sharpen



 

今回の結論

  • MLV APPで加工しない状態でProRes 422書き出しをしてもグレーディング耐性はかなりあるということ。
  • RAW動画を扱う時にノイズリダクションは必須になってくるということ、その場合、Davinci Resolve Studioのフルバージョンを36,500円で購入することも可能ですが、Neat Videoのプラグインを$159で購入する選択肢もある。
  • ProRes 422のファイルサイズはProRes 4444の1/8くらいに抑えることができるのでSSDやHDDの節約になりそうです。