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みなさんももうご存知のとおり、α7Cが正式に発表されましたね。α6000シリーズと同じボディサイズに詰め込まれたα7IIIと同等の実力はとても魅力的です。
やはりというか、毎度の如く、Youtuberがレビューを早速公開してますので、その中でも一番詳しくレビューしてると思われる、Gerald Undoneさんのレビューを翻訳してみました。 Geraldさんのレビューを見るとα7IIIと比べた場合の有利な点とそうでない点がクリアーになっています。
目次
- このカメラの出現の重要性
- サイズ感と重量、デザイン
- バッテリーに関して
- オーディオ (3:50秒から、実際に聞いて比べてみてください)
- ボタンレイアウト
- 簡単なまとめ 1
- オートフォーカスの性能について
- 外部モニター接続時の挙動
- 録画時間制限について
- イメージクオリティについて
- 手振れ補正に関して
- ダイナミックレンジ&ISOレンジ関して
- カラーサイエンスと色彩描写の正確性について
- まとめ
このカメラの出現の重要性
先に伝えておこう。
実は2週間ほどテストしているこのカメラをSonyは無償でレビュー用として貸し出してくれた。
レビューが終われば、このカメラをSonyに返さなければいけないし、Sonyとの間で金銭の授受もない。私からのフィードバックをSonyが受け取ることもないし、このビデオを公開する前にSonyが検閲することもない。
このカメラは素晴らしいスペックを提げているわけでもなく、かといって新しい機能を搭載しているわけでもない。実際にこのカメラのスペックは2年前に発表されたα7IIIとほとんど一緒だと言っていい。でも、このカメラの出現はとても重要な意味を持つと私は考える。
この小さなボディーにα7IIIの機能が凝縮されているだけではなく、先行発売されたα7シリーズの特徴の良い面が引き継がれているということは意義深いことである。
このように高機能かつ軽くて小さいエントリーレベル機が出現することは今後のSonyのカメラのユーザベースが一気に増大する可能性を秘めていると言うこと、そして今後発表される同社の上位カメラの更なる高度な機能の搭載が期待できるという点でとても重要だといえよう。
歴史的に、コンピューターのハードウェアの開発において、最初に行われる事はまずはサイズは無視してとにかく最新で高度な機能を追加する作業が行われる。
その作業が終わると、今度はその高機能なハードウェアをどれぐらい小さく凝縮できるかと言う作業が続く。
コンパクトになったハードウェアは、いずれ似たようにコンパクトになったハードウェアと集まり集合体を作り、新しい(でも大きな)高機能なハードウェアを作り出す。
このようなプロセスの繰り返しが安定した技術の躍進につながると信じている。
α7Cの出現は一見、α7IIIのオーナーにとってはあまりエキサイティングなニュースではないかもしれない。でも私は違う。このカメラの出現によって、今後α7SIIIを含めた全てのSony ミラーレスカメラの機能がトリクルダウンして来年以降発表されるであろう、次世代のコンパクトフルフレームカメラに詰め込まれていく可能性が大きいと見るからだ。
サイズ感と重量、デザイン
このカメラは小さい。小さいと一言で表現してしまうのは簡単だが、このカメラはSigmaのFPを除けばマーケットに存在するフルフレームカメラの中では一番コンパクトなカメラに仕上がっている。Sigma FPはビューファインダーも搭載していないし、メカニカルシャッターも搭載していないことを考えると、このカメラは比較対象から外して良いと思われる。
このカメラはα6600とほぼ同じサイズである。そしてバッテリーとカードが挿入された状態で、重量はたったの517gしかない。
グリップはα6600シリーズに比べると少し浅めに作られている。 やはり、小型化をするにあたって犠牲になる部分もあるということだろう。
デザインに関して触れていこう。
三脚用プレートのためのネジ穴がレンズのセンター部分に位置し、バッテリードアからほど良い距離感で離されているのは評価できる。
機能に富んだ入出力端子を一箇所にまとめていることも素晴らしく、カードスロットをバッテリードアの中ではなく、独立させたことも評価したい。
バッテリーに関して
バッテリーに関してはα7IIIと同じFZ-100を使うことによって互換性と充分なバッテリー持続時間の両方を実現している。
バッテリー1本で、オートフォーカスと手ぶれ補正をオンにした状態の4K / 24P映像を3時間撮影することができた。
写真に関しては、数時間に渡って150枚の写真を撮影した後もバッテリーの残量は80%以上残っていた。
もちろん、USB-Cポートを使ってバッテリーの持続時間を延長することは可能であるが、α7SIIIのような持続は期待しない方が良い。α7Cではトリクル充電をしている模様でUSB給電を行いながらの撮影ではバッテリーの持続時間を倍の6時間に延長することは可能であった。(α7SIIIはほぼ無限に延長できる)
6時間という連続稼働時間は、充分すぎるほどの長時間記録であると考える。
α7CではマイクロUSBポートがなくなったことも述べておくべきだろう。私の使用用途としては全く問題ないが、もし、あなたがマイクロUSB対応のアクセサリーやリモートコントロールを使っているのならば、注意しておくべき点であろう。
カードスロットはシングルUHS-II SDカードスロットになっているため、α7IIIのようにバックアップ録画することは不可能となっている。
音声の入出力に関しては、マイクロフォンとヘッドフォン端子を装備している。
二つの端子は離れた位置に配置されていて、マイクロフォン端子がフリップアウト式のスクリーンと干渉しないのはセルフィーモードで撮影する時に重宝することになりそうである。
スクリーンはα7IIIのものとほとんど一緒で特筆すべき点はない。タッチスクリーンコントロールできる操作の範囲もサイズ感も一緒である。
残念なことはα7SIIIに採用された新しいメニューシステムとタッチ操作に対応していないということである。メニューシステムは一昔前のメニューシステムを継承している。
HDMIポートを本体の底の部分に配置したことにより、画面を回転させた時にほとんど干渉しない設計になっている。30°くらいの回転幅が犠牲になるが、PanasonicのS5のように180°丸々犠牲になるよりは全然マシである。
また、この端子カバーはα7IIIのものと比べると格段に安定して固定されている。(α7IIIのカバーは揺らすとバラけてしまうのが写真からわかります)
また、このようにコンパクトに改良されているにもかかわらず、防塵防滴のレベルは先行して発売されたα7シリーズのレベルと同等のものとなっていて、SonyのAPS-Cボディに採用されている防塵防滴よりも高いレベルのものとなる。
オーディオ (3:50秒から、実際に聞いて比べてみてください)
オーディオに関してはα7IIIとの比較をしながら見ていきたい。
(実際にオーディオを聞いてご判断ください)
私が通常使用するライン出力の音声を入力する場合、α7IIIではレベル設定を2にすることでバランスの取れた録音ができることに比べて、α7Cではレベル設定を8にする必要があった。α7Cのゲインを上げる必要があることに驚いた。プリアンプのレベルがα7IIIに比べて弱いのかもしれない。
オーディオインターフェースはα7IIIと全く一緒である。そして、マルチインターフェースシューを搭載しているため、ケーブルレスでソニーのオーディオ機器を繋げることが可能である。
ボタンレイアウト
このカメラは新しく、オン/オフスイッチとシャッターボタンをコンボにしたレイアウトを採用している。シャッターボタンはやや深めに押し込むようになっていて、オンとオフのスイッチは硬めで切り替えるのに、一定の力が必要となる。これは(α7IIIなど、先代のα7シリーズのように)意図しない時に電源を入れてしまうような状況を回避するのに役立ちそうである。
背面のボタンレイアウトはとても簡潔で押しやすい。特に大きめのAFボタンは押しやすいと感じた。 このAFボタンを押すことによって(α7IIIに採用されなかった)リアルタイムトラッキングの機能をアクティベートできる。
残念ながら、このボディはカスタムボタンがなく、ダイヤルも(α7IIIの三つではなく)二つしかない。 つまり、露出のコントロールをするときはSonyのAPSーCモデルと同じ調節方法を使うことになる。つまり、クイックメニューのファンクションボタンを使って設定にアクセスする必要が出てくる。
最初はこのカスタムボタンの省略に関してネガティブな気持ちを持ったが、使っているうちに露出コントロールの操作も慣れてきたので、決して大きなマイナスとは言えないのかもしれない。
一つ、確実に私が嫌いだと断言できる部分があるならば、ビューファインダーを挙げよう。このビューファインダーは最悪である。まず、解像度とリフレッシュレートが昔のスタンダードのままで、今のスタンダードに照らし合わせると時代遅れとも言える。しっかりしたアイピースがなく、ラバーで覆われただけのエッジは、目をあてたときに快適とは言いづらく、しっかりと光を遮断することができなかった。
そんなビューファインダーではあるが、視度調節のためのダイアルはついている。
このビューファインダーを使っているうちに辿り着いた結論としては、この部分に関しては、写真撮影用ビューファインダーとしては一歩後退した仕様ではあるが、ビデオの撮影に関しては、(α7IIIに比べて)一歩進んだ仕様になっていると感じた。
簡単なまとめ 1
α7IIIと比べて、α7Cはオートフォーカス機能でリアルタイムAFや動物の瞳AFなどの機能で優れているといえよう。 しかし、最悪のビューファインダーとデュアルカードスロットでないこと、カスタマイズ可能なボタンやダイヤルの欠如、そしてグリップ部分が浅くなっていることを考慮すると、このカメラは写真用としては一歩後退である。(あくまで、私個人の意見ではあるが)
付け加えると、このボディはα6600のようなAPS-Cのボディにレイアウトが酷似している、つまり、フルフレームのα7系に搭載されているジョイスティックはなく、回転式ホイールでの操作をすることになる。 私は自分が持っているα6600の操作で慣れてはいるが、比較してどちらが良いかというと、確実にα7IIIのジョイスティックの方が使いやすいと言える。
シャッターに関していうと、このカメラは電子式シャッターを使ったサイレントシャッターモードを搭載しているが、メカニカルモードの時に電子先幕シャッターの制御ができない。
私の用途では電子先幕シャッターが常にオンになってしまうという不都合が起こった。 電子先幕シャッターが常にオンであるということはシャッターショックによるブレは軽減されるので良い点もある。
しかし、GODDOXのフラッシュユニットのように電子先幕シャッターがオンになっていると安定した発光に支障を起こすサードパーティー製のフラッシュを使うときに問題が起こり得る。
α7IIIでは先幕シャッターをオフにしてフルメカニカルシャッターにすることができるのだが、α7Cではそのようにはならないようだ。なので、あなたがGODDOXのフラッシュを使用しているなら、その点に配慮した方が良いだろう。
シャッタースピードについて付け加えるならば、最高シャッタースピードが1/4000までである。α7IIIは1/8000までだったので、一歩後退と言ったところか。
もちろん、α7IIIに比べて改善した点も述べておくべきだろう。
例えば、フォーカスセレクションのためのボックスをよりわかりやすい形にすることが可能である。 そしてオートホワイトバランスのロックもできるようになった。
α7SIIIで採用されたいくつかの機能を引き継いでいる。
- S&Qモードを採用し、写真モードと動画モードの切り替えが簡単になった新しいモードダイヤルも引き継がれている。
- ファイル名をカスタマイズできるのも新しい機能として重宝されるだろう。
- カスタムホワイトバランス時にターゲットボックスを自由に動かすことができるのも便利である。更に述べるなら、ホワイトバランスの調整はα7IIIより正確になっていることも確認できた。
- 一点残念なのはメモリーリコールモードではカスタムホワイトバランスの設定ができない点だろうか。
オートフォーカスの性能について
α7SIIIから引き継いだ最高の機能はビデオ オートフォーカス調整機能である。
この機能を使うことで、オートフォーカス実行時間の設定、AFトランジション速度を7段階まで設定できる。そしてオートフォーカス感度の設定であるAF乗り移り感度を5段階まで設定可能である。
それだけではない、オートフォーカスのトランジションをカーブで設定することでフォーカススピードのランプアップとランプダウンをしながら、ナチュラルなフォーカスの移動を実現している。
オーバーとアンダーの露出でのオートフォーカスの追従に関してはα7IIIと一緒で露出オーバーは4ストップまで、露出アンダーは6ストップまで追従可能となっている。
ただし、α7Cのオートフォーカスは同じレンジの中でもより良いパフォーマンスを発揮している。 その理由の一つとして、α7Cは顔認識だけだはなく、瞳オートフォーカスを採用していることが挙げられる。 露出アンダーの時はフォーカスエリアにロックオンした時の食いつきがα7IIIよりもかなり良いことに気がついた。
私の実験では4〜5ストップの露出アンダーの状態(S-Log2)で背後に明るい物体を入れ込みながらのフォーカスの正確性を測ってみたが、フォーカスが外れることは全くなかった。比較対象として、α7IIIは同じ状況下で苦戦していたことも付け加えよう。
オートフォーカスに関しての結論を述べるとSonyのベストオートフォーカスシステム(α7SIIIやα7RIV)と遜色ない性能だと言えよう。
外部モニター接続時の挙動
α7IIIとは違って、HDMI出力時の挙動はかなり正常になっている。
(α7IIIとは違い)24Pでの撮影時に外部モニターに接続した状態でも瞳オートフォーカスはしっかり機能している。
30Pでの録画時は顔認識機能は作動せず、本体画面はクロップインされて、オートフォーカスボックスが拡大表示される。この症状はボディ内で記録しながら、同時にHDMI経由でモニタリングをしている時のみに発生する。
もし、(Atomos Ninja等を使って)外部出力されたモニターの方で録画をした場合はしっかりと瞳オートフォーカスを合わせてくれる。
繰り返しになるが、24P録画の時は全く変な挙動はしない。(本体の画面がブラッグアウトするα7IIIとは違い) 両方のスクリーンにてしっかりモニタリングできるだけでなく、瞳オートフォーカスにも問題なく対応する。
外部出力時にHDMI経由でオンスクリーンメニューの表示をさせようとすると、カメラ本体のスクリーンがオフになる点はα7SIIIと同様である。
これはほとんどの人が気にしない問題だと思うが、私個人としてはSonyに将来発売するカメラでは改善して欲しいと思っている部分ではある。
録画時間制限について
α7IIIと比較して動画記録時に一番改善した点と言えるのは録画時間制限が撤廃された点ではなかろうか。 外部機器に接続することで制限をバイパスすると言ったトリックを使う必要は全くなくなった。 こんなに小さなボディにも関わらず、オーバーヒートの問題は一切見受けられなかった。
私の実験時には自動電源 OFF 温度の設定をHighに設定して摂氏24°の環境下で6時間の連続録画をしたが、オーバーヒートの警告すら現れなかった。もちろん、暑い環境では、この現象がその通り再現されるわけではないとは思う。
イメージクオリティについて
ここまで、執拗にα7IIIとの比較をしてきた理由は皆さんもご存知だと思うが、全く同じ24MPのセンサーを使っているからである。なので撮影された写真のクオリティは全く同じと申し上げて間違いない。 動画に関しても6Kからスーパーサンプリングされた4Kビデオが撮影できる。もちろん、これは良いことである。α7IIIのイメージはリッチでシャープでディティール描写が素晴らしいことで知られているからだ。
ただし、残念ながら、8ビット/ 4:2:0 サブサンプリングのカメラ内コーデックもしっかりと引き継いでいる。
4K / 24Pあるいは若干クロップされた4K / 30Pにフレームレートも限られることになる。
同じ、コーデック、同じビットレート、そして全く同じ(悪評高い)ローリングシャッターも引き継いでいる。
正直、私がα7IIIの動画モードでの弱点と思っていた二つの特徴をそのまま引き継いでしまっているのだ。 ローリングシャッターと8ビットカラーの二つである。
手振れ補正に関して
スペック上ではα7IIIとα7Cは同じくらいの手振れ補正機能があると判断できる。
もし本当なら、このような小さなボディで実現できる手ぶれ補正としてとても優秀なものになると考える。
Sonyからこのカメラを渡された時、手振れ補正のプログラムは新しく刷新されたものであると言われていた。
さあ、実際はどうだろう。
写真撮影のテストではα7IIIと比べても同じような結果を得ることができた。下の写真は70mmのレンズで1/8のシャッタースピードで撮影されたサンプルである。
動画撮影の時はどうだろう。(11分50秒から、実際の比較をご覧ください)
私の実験ではα7Cの映像が若干揺れ幅が多かったように感じる。
テストでは、全く同じリグに手ぶれ補正機構のないレンズを載せて歩いてみて、その映像の揺れ具合を比較している。
結論を言うと、α7Cのコンパクトなサイズには驚かされたが、動画での手ぶれ補正でその性能に驚かされることはなかった。もともと、α7III自体が動画での手振れ補正が優れていたわけではないというのも考慮した方が良いだろう。
α7SIIIの手振れ補正がかなり改善されていただけに、比べた場合は一歩遅れをとっていると言えるだろう。
追記:α7Cはジャイロデータを記録しているため、Catalyst Browseを利用すれば強力な手振れ補正がかけられます。
ダイナミックレンジ&ISOレンジ関して
センサーがα7IIIと同じであるため、ダイナミックレンジも全く同じという結果にはならなかった。α7Cは若干チューンアップされた様子である。それを物語るように、チャートを使ったテストでは1/3ストップ分のダイナミックレンジの増加が確認された。
じっくりと両方の画像を比較した場合、シャドー部分を持ち上げた場合にα7Cの方がノイズの乗りが若干少なく、暗部の描写がクリーンであることを確認できた。1/3ストップのS/N比の改善がダイナミックレンジの向上につながったといえよう。
ISOレンジもこの二機種では若干異なる。
α7IIIのS-Log2のベースISOはISO800からスタートするのに比べ、α7CのベースISOはISO500からである。
この両機種を比較した時に、重要なこととして留めておくことはα7CのISO500はα7IIIのISO800と同等の明るさであるということだ。
よく、新しいカメラはベースISOが低いため日差しの眩しい屋外での露出コントロールがしやすいと勘違いされがちだが、問題はそう単純ではない。
この両機種を比較した時、シャッタースピードと絞りが一緒の場合、ベースISOでの明るさはほとんど一緒であることが確認できる。
つまり、実際にα7Cを使うことによる利点としてはISOレンジがシフトしていることを活用できるという点である。
Sonyは公式に伝えていないが、(両機の)センサーはデュアルネイティブISOの特性を持っている。α7IIIでは(S-Log2モード時)ISO5000で到達する二番目のネイティブISOにα7CはISO3200で到達することになる。
(明るさにもよるが)ISOの設定によってはα7Cの方がよりノイズを抑えた画像を提供しやすくなっているといえよう。 ただし、両機ともに最高ISOであるISO51200に到達した時はα7Cの方が2/3ストップ明るいということにもなる。(写真から察するにノイズもその分多くなりそうですが)
ISOレンジの話をもう少しすると、ISOが高くなるにつれてα7IIIのシャドー部分にマゼンタ色のノイズが乗る傾向があったが、α7Cはよりナチュラルなトーンに押さえ込まれている。よーく観察するとα7Cの色彩は若干グリーンに傾いている。個人的には少しくらいグリーンに傾いたくらいでも、よりナチュラルな色彩表現を実現しているのはα7Cであると考える。
カラーサイエンスと色彩描写の正確性について
α7Cはより豊かなスキントーンと正確なブルーレンジの描写が可能となっている。結果としてα7IIIと比較した場合、好みの良し悪しはあると思うが、数値やチャート上で比べても、平均してより正確な色彩表現を実現している。ベクトルスコープ上でも、α7Cがより正確で、色補正の手間が少ないことを表している。
個人的な意見になるが、α7Cのスキントーンの方がα7IIIのスキントーンより好ましいと思っている。
まとめ
ほとんど全てをカバーしたと思う。もし、カバーし忘れている箇所があれば、それはα7IIIとほとんど一緒だと思って間違いない。 例えば、ゼブラ表示、フォーカスピーキング、クリアーイメージズーム、メニュー表示、スローモーションモード等は全て一緒である。
詰まるところ、小さなα7IIIにフリップアウトスクリーンが追加されたものだと言えるだろう。 また、最初に述べたとおり、それだけで十分、私にとっては魅力的なカメラなのだ。
小さくなったことで省かれた機能やグリップ感を無視した場合、α7IIIよりもコンパクトで、α7IIIよりも機能制限も少なく、より良いカメラになったとも言えよう。
2018年に私はα7IIIを価格 / 機能で比較した場合に最高のカメラだとレビューした記憶がある。もし、α7Cが2018年に発売されていたとしたら、このカメラをその時代の最高のカメラと呼んでいたかもしれない。
ただし、今は2020年である。そして、私たちはα7SIIIが存在する世界に生きている。そう考えると2018年のベストカメラにあまり興奮できないという現実もある。
このカメラはこれから、さらにたくさんの人々をフルフレームの世界に引きずり込むだろう。そして、既にα7のボディを持っている顧客層は二台目のサブカメラとしてこのカメラに興味を示すだろう。
個人的にはこのカメラが今回見せてくれた可能性が、将来的なSonyのカメラのラインアップにどう影響するかによりエキサイトしているとお伝えしたい。
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