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Panaonicがマイクロフォーサーズのシネマカメラ BGH1を正式に発表しました

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Newsshooters、他がPanasonicのシネマカメラ LUMIX BGH1の発表とスペックに関して報じています。

目次

 

このとても小さなシネマカメラは中身はGH5Sで外見はZcam E2という、奇妙な組み合わせになっています。 B&Hでは発売価格が公表されています。  日本では20万円前後に落ち着くことでしょう。

 

主な特徴

  • M4/3 10.28Mメガピクセル  (17.3 x 13 mm) デジタル ライブ MOS センサー
  • デュアルネイティブ ISO
  • 軽量 & コンパクトなデザイン
  • 4K DCI & UHD 4:2:2 10-ビットを最大29.97pまでボディ内記録
  • 4K DCI & UHD 4:2:0 ビットを最大59.94pまでボディ内記録
  • フル HDを最大240fpまで記録
  • 3328 x 2496 アナモフィックを最大50pまで記録
  • SDI & HDMI 出力対応
  • TCイン/アウト & Genlock対応
  • イーサネットを PoE+で対応
  • WiFi, Bluetooth装備

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このカメラの使用目的、ニーズは?

ルミックス マルチパーパス ボックススタイル カメラの使用用途をしっかりと認識する必要があると思うので、下に列挙します。

 

BGH1は下記の目的での使用に適しています。

  • ライブストリーミング
  • ジンバル撮影
  • ドローン撮影
  • マルチカメラ プロダクション
  • 車載カメラ
  • VR
  • スポーツ
  • 放送用カメラ
  • シネマ
  • ドキュメンタリー

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ライブやマルチカメラ収録の用途で使用した場合、このカメラはHDMI、SDI、USBーC経由で映像出力を同時にサポートします。 このカメラはイーサネット経由で電源サポートとコントロールが可能となっています。WiFiBluetoothでの操作も可能です。

 

LUMIXテザーをマルチカメラ収録で使用した場合、最大で12台までのBGH1を一度に操作可能です。このカメラはタイムコード イン/アウトとゲンロックも装備しています。

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もちろん、このコンパクトなサイズとデザインはドローンやジンバルでの撮影に簡単に応用されることでしょう。ボックスのデザインは理論上はバランスがとりやすい形状ということにもなります

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もし、BGH1をデジタル シネマカメラとして使用するならば、確実にリグを組む必要が出てくるでしょう。このカメラはいやゆるモニタリングをするための装備が一切ありません。LCDEVFもありません。なので、最低でもモニターを取り付ける必要は出てくるでしょう。もちろん、手持ち撮影用にケージをつけたり、ハンドルを付けたりする必要も出てくるはずです。

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もし、スタンドアローンのカメラが必要で、マルチカメラ撮影やライブストリーミングがいらないというのならば、GH5SやS5を買った方が理に下なっているかもしれません。

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ただし、あらゆるシチュエーションで使用可能なジャックナイフのようなカメラを探しているならば、BGH1はぴったりのカメラと言えるかもしれません。

 

このカメラに欠けているもの

Panasonicのラインアップの中でポジショニングとしてどの位置なのか?

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PanasonicによりますとBGH1はGHシリーズより上で、LUMIX Sシリーズより下に位置するそうです。

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BGH1の小さく、コンパクトで軽量なボディは、簡潔に表すなら「ただの箱」です。 このボックス形状のデザインは状況によっては有利にも不利にも働きます。 ちなみに、過去にこの形状のカメラはたくさん出ておりまして、正直Panasonicはパクったと言われてもしょうがないほど形状はそっくりです。

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上の写真はBlackMagic社のマイクロシネマカメラです。

下の写真はBGH1です。

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BGH1にGH5Sのようなスクリーンが付いてこなく、価格帯で20万円前後というのは正直驚きました。 もし、モニターをつけた場合ですが、Ninja Vのような小さなモニターでもかなり邪魔に見えるくらいBGH1は小さいです。

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寸法と重量

BGH1の寸法は

(W) 93mm x (H) 93mm x (D) 78mm

BGH1の重さは

545g

 

対して、GH5Sの寸法と重量は下の写真の通りです。

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GH5S (W) 138.5mm x (H) 98.1mm x (D) 87.4 mm.

 

ボタンの数

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ボタンの数はあまり多くはありません。

  • 電源ON/OFFボタン
  • 録画ボタン
  • メニューダイヤル
  • 削除/バック ボタン
  • Q.メニュー
  • 再生
  • ファンクションボタン X 4 (上面に1つ、前面に3つ)

 

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リグを組むためにマウンティングポイントはたくさん用意

BGH1には11個の1/4 20マウンティングホールが準備されています。

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信号の入出力

  • 1x 3G-SDI (出力)
  • 1x HDMI (出力)
  • 1x Timecode 入出力 (BNC)
  • 1x Genlock 入力 (BNC)
  • 1x USB-C
  • 1x RJ45 LAN
  • 1 x 1/8″ / 3.5 mm ステレオマイク入力
  • 1 x 1/8″ / 3.5 mm ステレオ 出力
  • 1 x 2.5 mm LANC コントロール

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センサー

BGH1はGH5Sに使用されたマイクロフォーサーズ 10.28メガピクセル(17.3 x 13 mm) デジタル ライブ MOS センサーとVenusプロセッサーを搭載しています。

 

このセンサーはマルチアスペクト比率を保持するデザインで4K DCI、UHD、アナモフィックの比率をサポートします。マルチアスペクト センサーのため、イメージフォーマットを変えても画角は変わりません。センサーとプロセッサーのコンビネーションによりリードアウトスピードが速くなり、GH5と比較して、ローリングシャッター現象を1.3倍抑え込んでいます。

 

センサーは敢えて解像度を低めに抑えることで一つ一つのピクセルサイズを大きくし、(4.68 µm ピクセルピッチ), ローライトパフォーマンスを向上させ、ダイナミックレンジの幅を広げています。

 

同社の放送用カメラ同様、デュアルネイティブISOを採用し、ISO 400とISO 2000がベース感度となっていてノイズレベルを抑えることに成功しています。全体のISO感度はISO 160-51200までとなっていて、拡張感度はISO 80-ISO 204800までとなります。

 

デュアルネイティブ ISO

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DC-BGH1は最近のPanasonicのカメラがそうであるように、デュアルネイティブISOを採用しています。

ベースISOはV-Log撮影時、ISO 400 / 2000に設定されています。通常、ノイズレベルはISO感度の上昇と同時に上がるのですが、GBH1のデュアルネイティブISOは最適なサーキットを選択することでノイズレベルの低減を実現しています。

デュアルネイティブISOはS1Hのように、マニュアルでLOWかHIGHに切り替え可能です。

デュアルネイティブISOは撮影プロファイルによって変化します。

 

  • ノーマル ピクチャープロファイル: 160 / 800 ISO
  • V-Log L: 400 / 2000 ISO
  • HLG: 320 / 1600 ISO
  • Cinelike D2/V2: 160 ISO / 800 ISO

Panasonicによると、このカメラは13ストップのダイナミックレンジをV-Log撮影時に実現するとのことです。 もし本当なら、GH5SとGH5より1ストップ、ダイナミックレンジが広いということになります。 Panasonicによると、増加した1ストップ分はハイライト部に適用されるとのことです。

BGH1は18%グレーより5ストップ上までと、8ストップ下までを収録可能となっています。 

 

カメラ内記録性能

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Panasonicは一番最初にカメラ内で 4:2:2 10-ビット記録をミラーレス ハイブリッドカメラで実現した会社であり、合わせて7つのカメラがこれまで、UHD 4:2:2 10ビット記録を搭載してきました。 

BGH1はミラーレス ハイブリッドではありませんが、やはり、このカメラも4K DCIとUHDを4:2:2 10ビットでカメラ内撮影可能としています。

BGH1 はカメラ内でたくさんのフォーマットで動画を記録できます。

  • オールイントラを4K DCI, UHD, 3328 x 2496 アナモフィックで4:2:2 10-ビット(400Mbps) 最大29.97pまで撮影可能
  • HDモードでは59.94pまで オールイントラ (200Mbps)で記録可能
  • 4K DCI / UHD を59.94pまで4:2:0 10-bit ロング GOP H.265/HEVCで記録(200Mbps)
  • 3328 x 2496 アナモフィックを50p 4:2:0 10-bit ロングGOP H.265/HEVCで記録(200Mbps)
  • HDモードで最高240fpsまでを4:2:0 8-ビット記録可能 (200fps以上では若干のクロップが適用されます) 

BGH1はどのフォーマットでも時間制限なしで録画可能です。 

ピクセル-ピクセルモードを使うことで被写体にさらに寄って撮影可能です。

オールイントラモードはコーデックとして優秀ですが、編集しやすいコーデックとまでも行きません。このカメラはモニターを装備していないことから、Ninja Vを直接つなげて録画することが一番理にかなっていると感じるかもしれませんが、その場合、メニュー表示や操作系の表示をオフにしなければいけなくなり、カメラの操作がしづらくなることでしょう。

 

記録メディア

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BGH1はデュアルSDカードスロットを装備しています。UHS-I/UHS-II UHS スピードクラス 3 スタンダード SDHC/SDXC メモリーカードと UHS-II ビデオスピード 90 スタンダード SDXC メモリーカードに対応しています。

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リレー記録– 自動で一つのカードが一杯になったら別のカードへの記録に切り替えます。

バックアップ記録– 同時に二枚のカードに書き出します。

割り当て記録– ビデオと写真を別々のカードに割り当てて記録します。

 

外部出力

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BGH1は3G-SDIとフルサイズHDMI出力に対応しています。LUMIXカメラとしては初めて、HDMIとSDIの同時出力に対応しました。

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4K DCI / UHD 4:2:2 10-ビットを59.94PまでHDMI出力から、1920 x 1080 4:2:2 10-ビットを59.94pまでSDIから出力可能です。
 

アナモフィックイメージを比率補正してHDMIとSDIから出力も可能です。

アナモフィック出力時にオプションとして 1.3x, 1.33x, 1.5x, 1.8x、そして2x アナモフィックの補正まで対応しています。

 

外部出力時に同時に内部に記録可能ですが、HDMI出力の時のみに限られます。

 

RAW出力はなし

BGH1は残念ながらRAW記録には外部記録/内部記録共に対応していません。S5とS1Hが等w信号を出力できることを考えると、シネマカメラであるBGH1にRAW出力機能がないのは若干不自然ではあります。ただし、後付けでRAW出力のアップデートが考えられている可能性も否定はできません。

 

V-Log & LUTs

GH5S同様、BGH1はV-Log Lでの記録に対応しています。 V-Log LでGH5Sは12ストップのダイナミックレンジを実現していましたが、先述の通りBGH1において、Panasonicは1ストップ多くダイナミックレンジを引き出すことに成功しています。

このカメラはLUTsをSDカード経由で読み込み、撮影画像に適用可能です。HDMIやSDI経由でLUTを適用した画像をモニタリングも可能です。

 

BGH1は下記のピクチャプロファイルで撮影可能です

以下のパラメーターを制御できます。

  • コントラスト
  • ハイライト
  • シャドー
  • 彩度
  • カラートーン
  • ヒュー
  • フィルター効果
  • シャープネス
  • ノイズリダクション
  • デュアルネイティブ ISO 設定
  • ISO
  • ホワイトバランス

 

オーバーヒートは?

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BGH1は新開発の排熱機構を採用することによって時間制限なしの録画を実現しています。 Panasonicによると、S1Hの排熱機構と似た構造をしているとのことです。

ファンが内蔵されていて、ファンの運用設定もオート1 / オート2 / ノーマル / スローから選べます。

このカメラは -10°C から40°C の気温で動作保証されています。

Panasonicによりますと、気温が上昇した状態でカメラは連続記録を行った場合、カメラを保護するために録画が停止する可能性があるとのことです。 


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