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BMPCC 6K Proが発売されて、既に手元に商品が届いた人たちがレビューをしたり問題点を指摘しています。
ここでは、NDフィルターのクオリティ、バッテリーの持続時間、そしてスクリーンの色がブルーにシフトする問題点を紹介したいと思います。
目次
Proになって追加された機能とは?
BMPCC 6K Proは既に先行発売されていたBMPCC 6Kと比較して何が変わったのか、特筆すべき点をまとめて紹介します。
- 内蔵NDフィルターが搭載されることで、2、4、6ストップ分の光量をカット可能で、光量だけでなくIR(赤外線)カットも同時に実現
- ディスプレイがチルトアップとダウンするようになり、ハイアングルやローアングルでの撮影が容易に可能となり、ディスプレイの輝度も1500nitと飛躍的に明るくなった
- ミニXLR端子が従来の一つから、二つに増設された
- バッテリーがSonyのNP550/570を使用するようになり、ボティサイズもより大きく、オプションでEVFを取り付け可能となった
内蔵NDフィルターのクオリティの検証
従来のBMPCCシリーズはNDフィルターが内蔵されていなかったため、レンズを開放で撮影するためにあえて可変NDフィルターをレンズの先端に取り付ける必要がありました。 内蔵NDを使った場合、可変NDフィルターに比べて色のシフトがなく、レンズのフィルター径を気にする必要がないために便利になります。 この記事の一番上に貼り付けた動画で、Sjoerd Wessさんが可変式NDフィルターに比べてどれくらい色ムラが起こりにくいかというテストをしていますのでご紹介します。比較時に使用された可変NDフィルターは値段の安いK&F Concept社のNANO Xと価格的には高い部類に入るPolarProのPeter Mckkinon Mist Editionになります。
(下のイメージはK&FコンセプトのNANO X 可変式NDフィルターになります : 新品で約8000円)
さらに高品質の可変式NDフィルターになると赤外線対策が施されたものもあり、値段は相応に高くなります。
(下の画像はPolarProから発売されているPeter Mckkinon Mist Editionで3万3千円)
色むら比較
K&F ConceptのNANO X 可変ND使用時の色のシフト
K&F ConceptのNDフィルターのように、比較的安いNDフィルターを使用した場合はNDの濃度を濃くするほど色むらが顕著に現れることがこのテストからは見て取れます。
PolarPro Peter Mckkinon VNDフィルター
さて、金額にして4倍ほどするPolarProのVNDフィルターとの比較をしてみましょう。こちらも段階的にNDの濃度を濃くしながら、RGBの信号を観察することで色むらが起こっているのかのテストをしています。
BMPCC 6K Proの内臓NDフィルター
さて、BMPCC 6K Proに内蔵されたNDフィルターを使用した場合はバリアブルNDフィルターではないため、色むらは起りにくいと理論上では考えられます。 テストの結果を見てみましょう。
結果は予想通りというか、当然というか、色むらは全くないと言って過言でないことが証明されています。
下の比較写真を見ると K&F ConceptのVNDフィルターはRGBの線がとても濃いことから色むらが顕著であることがわかり、PolarProのVNDフィルターはグリーンが強めに発色されていることがわかりますが、内蔵NDは一本一本の線が細く、独立して間隔を空けて表示されていることから、色再現への影響がないことがわかります。
バッテリーの持ちに関して
BMPCC 6K ProはSonyのNP-F550/570系統のバッテリーを使用することとなり、オリジナルBMPCC 4K & 6KのCanon LP-E6よりも1000mAの容量の違いもあり、バッテリーの持ちがよくなっています。 ただし、BMPCC 6K ProはLCDディスプレイの輝度が格段に向上(BMPCC 4K 500 nits? → BMPCC 6K Pro 1500 nits)したため、ディスプレイの点灯にバッテリーを割いているようです。
Sjoerd WessさんはBMPCC 4Kのバッテリー持続時間をBMPCC Pro 6Kのバッテリー持続時間と比較しています。(録画時)
結果は
BMPCC 4K (LP-E6バッテリー使用) : 53分
BMPCC 6K Pro (NP-F570使用): 63分
BMPCC 6Kが解像度の高い映像を記録するために大量の情報を処理していること、そしてLCDの明るさが3倍以上もあることを考えると、バッテリー持続時間はなかなか健闘していると言える。
LCDスクリーンがブルーの発色を帯びている件
複数のYoutuberの報告によりますと、BlackMagic Design社のクオリティコントロールの問題で現行発売中のBMPCC 6K ProのLCDスクリーンがブルーのティントがかかったような発色になるとのことです。
Youtuberであり、クリエイターであるMichael Tobinさんによりますと
問題はLCDに映っている映像がブルーのティントがかかったように見えることであるが、実際に撮影した映像にはLCDに見られるような発色の傾向の影響はなく、通常通りの色味で撮影されていることである。
私が知っている限り、BlackMagic Design社が公式にディスプレイの発色の問題でコメントをしているわけではないが、数々の映像フォーラムを覗いてみたところ、BlackMagic Design社の姿勢としては、この問題はソフトウェアの問題であり、ハードウェアの問題ではなく、そのため製品のリコールはしないとのことだ。この問題はファームウェアのアップデートで解決するとの姿勢を見せている。
プロフェッショナルな現場では外部モニターを使うことがほとんどであり、BMPCC カメラの特徴であるRAW記録をした場合は後でホワイトバランスを変更できるため、そこまで問題にはならないかもしれない。
Jonathan PalfreyさんはYoutuberであり、BMPCC 6K Pro関連のカメラレビュー動画をたくさんあげていますが、彼によると
確かにBMPCC 6K Proの画面はブルー系に発色する傾向がある。ただし、あらゆるカメラメーカーのスクリーンが何かしらの発色傾向があることは知っておくべきであろう。ちなみにBMPCC 4Kの画面はどちらかというとタングステン系の色味がかかっていると私は思っている。 BMPCC 4Kの場合は少し暖かい色味に見えるため、肌色の表現としても、決して嫌味がないのだが、BMPCC 6K Proの場合、特に青い空や海を真昼に撮影した場合に極端に青く見えてしまいあまり好ましくない。
私が知っている限りでは、この問題は一部のユーザーから報告されているが、全てのユーザーに起こっているわけではないということである。
しかしながら、BlackMagic Design社の見解では、この問題はファームウェアのアップデートで解決するとの主張の一点張りである。
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まとめ
注:現在はファームウェアアップデートにより、LCDスクリーンのキャリブレーションが可能となりました。
- BMPCC 6K ProはBMPCC 6Kと比べて格段に進化した部分の多いカメラであり、その価格を考えると、これからBMPCC 6Kを買う人はProを選んだ方がお得な可能性が高い
- 既にBMPCC 6Kを持っている人にとって、わざわざ買い換える必要があるかというと、センサーや記録方式などが全く一緒でカラーサイエンスもG5が実装されることから、そのメリットは薄いかもしれない
- 内蔵NDフィルタは当然かもしれないが、VND(可変NDフィルター)よりも色ズレが起こりにくく、正確な色再現に適している
- NP-F570バッテリーを使用することになるため、LCDスクリーンの輝度が1500 nitsと通常の3倍ほどの明るさになってもバッテリーの持ちはかなり改善する
- 誠に残念なことだが、現行のBMPCC 6K Proに関してはLCDスクリーンの発色に問題があるケースが多々あり、購入予定の人は気をつける必要がある
- BlackMagic Design社の見解ではLCDスクリーンの発色の問題はハードウェアの問題ではなくソフトウェアの問題で、ファームアップで解決するとのこと