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LUTとは? 現役カラリストが勧めるLUTs 70選(全て無料で一括ダウンロード可能)

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長い前置きはいらないからLUTsのダウンロードだけがしたい人は目次の一番最後をクリック

 

長い前置き 

YoutubeチャンネルのColor Grading Centralはとても親切丁寧に、初心者にもわかりやすく、カラーグレーディングのノウハウを教えてくれるおすすめのチャンネルになります。

 

以前、このブログでも、ハリウッドで大人気の「Teal and Orange」ルック、をどの編集プラットフォームでも2ステップで簡単に実現できる方法を紹介しましたが、現在、「ティール&オレンジ」の検索ワードで4位を獲得する人気エントリーになっています。

さて、しっかりとカラーグレーディングをする方法を勉強することは、とても大切なことだと理解しております。

 

しかし、正直なところ、個人で撮影、編集まで担当することが多い自分としては、カラーグレーディングは楽しいボーナスステージである反面、正解がないため、自分の確固たる信念が固まっていないと、永遠に時間を費やするステージでもあります。

※カラーコレクションは正しい肌色の再現、ホワイトバランスの補正、明暗や彩度を適切に保つための作業なので、ある程度の正解がありますが、カラーグレーディングはそこから一歩踏み込んで、映像の世界観を表現する上で最適な色彩表現を模索する作業になります。

 

フィルムをフラットベッドで実際に切ったり貼ったりしていた時代から、ビデオテープを使ったリニア編集の時代、そしてAVID等を仕様したノンリニア編集の時代へと映像編集の形は変わっていくわけですが、技術の飛躍的な進歩のおかげで、というか、そのせいで、映像編集者に求められるスキルは単なる映像の繋ぎに留まらず、タイトルの作成、字幕の制作、特殊効果や合成等の映像加工、そして一番最近必要になったスキルとして、カラーグレーディングが追加されました。あ、音声のミキシングをパソコン上でやってしまう人もいますが、僕は音声のミックスだけは人に頼んだ方が良いと思っています。

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映画学校に通ってた時期は僕もこんな感じで編集してました

下の動画では、フィルムで撮影した映像と別撮りしたサウンドをどのように同期させるかを見せていますが、フィルムからデジタルに移行する過渡期に映像を学んだ僕は、一生懸命、せっせとこの方法で撮影した映像と音をシンクロナイズしていたのですね。今となっては過ぎ去った良い思い出であり、無用の技術を学んだとはいえ、良い経験だったと思ってます。

 

そのカラーグレーディングも、突き詰めればDaVinci Resolve等でたくさんのノードを繋げてルックを作ることもできるのですが‥(ちなみにDaVinci Resolve Studioは2万円で買いましたよ、メルカリで)

 

カラーグレーディングがもっと簡単にできちゃうならば、別に時間を費やしたくないという昔からの編集者の方々もいらっしゃるかもしれません。それが良いか悪いかは別として、カラーグレーディングに時間をかけたくない人たちにとってLUTsを使うということは選択肢に入ってくるでしょう。

 

でもLUTって なんですか?

って人もいらっしゃると思うので、簡単にご説明差し上げます。

 

実は、ほんの10年くらい前まではLUTという言葉すら -少なくともハイアマチュアのレベルでは- ほとんど浸透していない世の中でした。

初めてLUTという言葉を聞いたのは、僕が海外と合作で作られた劇場用映画のポストプロダクション コーディネーターをしていた頃でした。 カラーグレーディングを担当していた海外のポストプロダクションとやり取りをする時に、LUTという言葉が頻繁に出てくるため、理解できていない自分を恥じつつも慌ててGoogle先生に聞いてみたのですが、当時は検索をしてもほとんどヒットしませんでした。

ちなみに、LUTはLook Up Tableの略であるということはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。 英語圏で生活した経験のある僕にとって、Look Up Tableと聞いて直感的に想像するのは何かしらのチャートであり、対応表のようなものでした。

 

Look Upは「調べる」という意味で、Tableはチャートや表を指していることから、直訳すると「調べるための表」となるからです。

 

で、カラーグレーディングで使う「Look Up Table」も実際には変換チャートのようなもので、カラーグレーディング前の1ピクセルごとの色彩&輝度情報(A)を一定の法則に則って変換して新しい色彩&輝度情報に変換した表を想像していただければと思います。

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LUTは1ピクセルごとの輝度と色彩のデータを一定の法則で処理し

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新たな輝度と色彩の情報を生成するためのチャートのようなもの

上の写真の例で説明すると、白という色の輝度とRGB別の彩度を一定の法則で青という色の輝度と彩度に変換しています。

LUTを使用することで、一定の法則に則って、輝度および色彩情報を変化させることができるため、一定のルックを目指していた場合、全てのクリップの色合いを同じ法則に則って変換することで映像に特徴が現れる事になります。

あんまり難しいようならば、法則性のあるカラーフィルターだと思ってください。それでおおよそ、理解は合ってます。

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LUT適用前

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LUT適用後

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LUT適用前(左)とLUT適用後(右)

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LUT適用前(左)とLUT適用後(右)

二種類のLUT

ちなみに、ここまで説明してしまったので補足するとLUTにも大きく分けると二種類あります。

  • LOGから709規格への変換用LUT
  • クリエイティブLUT

LOGから709規格への変換用LUT

昨今の大型センサー搭載ビデオカメラ(人によってはシネマカメラとも呼ぶ)は最大のダイナミックレンジを記録するためにLOGモードを搭載しています。 LOGモードのプロファイルはフラットピクチャープロファイルと言って色彩の彩度が抑えられて、一見すると白黒映像にうっすらと色がついている印象を受けると思います。 これは、敢えてダイナミックレンジを決定するガンマカーブを緩やかに保ち、色域を広く記録した場合に起こる現象で、通常の家庭のテレビの色域である709規格では再現しにくいためにこのような現象になります。

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SonyのウェブサイトからS-LOGで撮影した映像(左)と709規格に変換した映像(右)の比較

各社が用意しているLOG記録の例

  • Sony : S-Log
  • Canon : C-Log
  • Panasonic : V-Log (VはVaricamから由来している模様です)
  • Fuji : F-Log
  • JVC : J-Log

Sonyのウェブサイトでの説明を引用します。(S-Logの説明)

 

現在、ビデオの世界で使っている色域の多くはITU-R BT.709(以下709)というHDTV用の規格が採用されています。下図を参照してください。

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このカラフルな馬蹄形のような形が、人間の目が捉えることができる色域です。709規格の色域は、人間の目で捉えられる範囲より遥かに狭い色域です。
それと比べてS-Log撮影では、S-Gamutという色域で撮影された広色域であることが確認いただけます。

Logで撮影した映像のコントラストが低く見えるのは、広色域で撮影した素材を709規格のモニターで再生しているためで、撮影した色すべてを表現できないために起きてしまう特有の現象です。

この、LOGのガンマ領域と色域で記録された映像を通常のビデオの世界の色域(709規格)に変換するために各社が用意した専用のLUTがあり、そのLUTを適用することによってテレビモニタやパソコンのモニタでの映像が違和感のない普通の色彩とコントラストを取り戻すことになります。 このように、LOGイメージを違和感のない色彩とコントラストに戻すだけが目的のLUTを「LOGから709規格への変換用LUT」と呼びます。このLUTは正確な色再現とコントラスト、スキントーンを実現するためのカラーコレクションをメインの目的として存在します。

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PanasonicのウェブサイトからV-LOGで撮影した映像、コントラストと彩度が薄い印象

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709規格への変換用LUTをあてた状態 (コントラストも彩度も違和感なくなる)

またもSonyのウェブサイトから引用します。

Logで撮影した映像を709規格のモニターで再現可能にするためには、撮影後必ず色編集(カラーグレーディング)を行わなければなりません。その色編集時に使用されるのがLUT(Lookup Table)です。LUT で709規格モニター用のデータへ変換します。

1D LUTが基本的に明るさのみを調整するのに対して、3D LUTはRGBそれぞれの、色の明度・彩度・色相をコントロールすることができます。
LUTを使わずにS-Logで撮影した映像のトーンカーブや色相、彩度などの2次元的な手法で色編集を行う場合、709規格の色域を瞬時に表現させることは困難です。LUTを使うことにより簡単に色編集作業ができます。

 

クリエイティブLUT 

単純なLOGから709規格への変換をするLUTとは別にクリエイティブLUTというのが存在します。これは、ある一定のテーマに沿ったルックを実現するために、カラーコレクションよりもカラーグレーディングの目的で用いられるLUTだと認識しましょう。 

 

僕自身、最近、撮影と編集を担当させていただいたシネマガール - さくら【MUSIC VIDEO】 - YouTubeのカラーグレーディング時は、編集でかなりのエネルギーを使い、締め切りも近かったことから、魔法のLUTに頼ることといたしました。バンドメンバーのスタジオ演奏のシーンにはTRIUNE DIGITALのCINEMATIC LUTs V4 から映画のJokerのテーマで作られたLUTを当てたところ、とても良い感じだったので採用させてもらいました。 これはクリエイティブLUTをあてた例になります。

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α7S IIIのSlog3で撮影して、グレーディングしていない映像

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JokerのLUTを当てたところ

※クリエイティブLUTも実は2種類ありまして、LOGから709規格へのカラースペースの変換もしてくれて、更にクリエイティブなグレーディングをしてくれるものと、LOGから709規格への変換済みの映像にあてるために設計されたものがあります。あまりLUTのことを詳しく書くつもりはなかったので、この部分は割愛させていただきます。

(ここまで説明しておいて、いまさらですが…)

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Triune DigitalのCinematic LUTsは色々な映画のルックを再現するLUTsを用意

 現役カラリストが選んだ無料で手に入るLUTs 70選

ようやく本題になりました。本当はこれだけ紹介するつもりでした。

この世の中には、あまりにもたくさんのLUTsが存在する。無料で手に入るものもあれば、有料で販売されているものもある。 でも実際にフィルムメーカーが必要としているのは「とても優秀な、使い勝手の良いいくつかのLUT」ではないだろうか?

今回私は、カラリストとして自分自身が重宝しているシネマティックLUTsを厳選して紹介し、無料でダウンロード可能とした。 これらのLUTsを活用して、あなたのブランドの向上に役立ててほしい。

素晴らしいLUTの定義として、自分自身がインスタグラムのビデオフィルター開発を担当した経験からこう考える。

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今回LUTsを厳選してくれた方はインスタグラムのビデオフィルターを担当されたそうです
  1. どのようなルックを実現するにしても、正確なスキントーンだけは保たなければならない。
  2. 優れたLUTはいかなるライティングのもとでも、一定のテーマ性を保ったルックを実現するべきである。もしLUTが一つのシーンでしか効果を発揮しないならば、そのLUTは優れているとは言えない。

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色彩の変化をしながらもスキントーンは一定に保つ必要がある

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スキントーンが一定に保たれるか、さらに鮮やかになるなら優秀なLUTである

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言われてみると、インスタグラムのフィルターはスキントーンは崩さないような気がする

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POLAROID 600のLUTは多彩な状況で適用可能な優秀なLUT

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POLAROID 600のLUTは多彩な状況で適用可能な優秀なLUT

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いろんなシチュエーションでの応用が効かないLUTは優秀ではない


もちろん、万能なLUTなどないわけだが、色を削ぎ落としたり、強調するだけのLUTはできるだけ避けることをお勧めする。

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いろんなLUTsを比較してみることは大事

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色を必要以上に足したり、削ぎ落とすLUTsは避けた方が無難?
私が今回選んだ70のLUTsの中には「LOGから709規格への変換」が目的のものもあり、それらはあなたのカメラの映像のクオリティを引き上げる役割をするだろう。また、クリエイティブLUTsもたくさん含まれていて、ハリウッドの映画のルックをテーマにしたものがたくさんある。他にも、35mmのフィルムストックをシュミレーションしたものもまとめてある。

 

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70のLUTsはクリエイティブLUTと709規格に変換するLUT他、の混合

皆さんはわかっていると思うが、最初に必ずLOGから709規格に変換するLUTを適用して欲しい。そして、その後にクリエイティブLUTsかフィルムLUTsを適用するのが基本の流れとなる。

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まずは709規格に変換してクリエイティブLUTを適用するのが基本の流れ

ダウンロードできるLUTsのサンプル

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たくさんのLUTsを管理して、見分けるにはCINEMA GRADEが便利だそうです

 ダウンロードはこの手順で

流石にここにダウンロードのリンクを貼ることはできないので、皆さん、下の写真にマークしてあるリンクを、一番上のYoutube映像の概要欄、あるいはこちらからクリックしてダウンロードを実施してください。 LUTsが気に入ったら、チャンネル登録、あるいは良いねを押して支援しましょう。

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