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Canonが9/24にC70を発表して数日が経過しました。 大袈裟ではなく、世界中のコンテンツクリエーターがこの発表に興奮し、驚き、怒り(?)、喜び、と色々な感情が今でもネット上を交錯しています。
EOS R5が発売されるときには確実にCINEMA EOS C70も着々と製品発表の準備をしていたと思われ、「やはりR5がオーバーヒートするのはCINEMAラインのプロダクトを守るためだったのか」、と落胆の声を挙げる人もいれば、RFマウントにスーパー35mmのセンサーを載せたのはナンセンスだという人もいます。
一方、逆に、自社製スピードブースターを使うことによってEFマウント使用時にフルフレームの画角でレンズの集光能力を高めることに成功している点に拍手を送る人たち、このような薄型のボディにも関わらず、しっかりと内蔵NDフィルターを搭載したことに驚く人たちもいます。
実際にはこのCINEMA EOS C70、映像業界でどのような位置づけになりそうなのか、そして今後発売が予想されているC50はどのようなスペックになるのか、などをインターネット中に集まっているレビュー動画や紹介記事から紐解いていきたいと思います。
目次
- レビューアーの傾向
- 主な特徴
- サイズとフォームファクター、重量
- マルチファンクショングリップ
- センサー
- RFレンズマウント & EF-EOS R 0.71xスピードブースター
- 内蔵NDフィルターに関して
- 解像度、フレームレート、コーデック
- RAWオプションに関するキャノンの見解
- アナモフィフィックモード
- C70で可能な撮影モード(カスタムピクチャ設定)
- ルックファイル機能
- 記録メディア
- HDMI出力
- 熱処理(オーバーヒート問題は?)
- デュアルピクセルCMOS AF
- 距離測定機能
- フォルスカラーモード
- 手振れ補正
- 回転式LCDスクリーン
- 入出力端子と接続
- タッチコントロール
- バッテリー
- このカメラは誰をターゲットにしたカメラなのか?
- C200とC70を比較
- ハンズオンレビューから分かること
- CVPの比較テスト VS C200、 C300 MKIII
- CVPテスト 手振れ補正. (動画23:42から)
- コントロールされた環境でのテスト撮影(35:21秒から)
- CVPテスト 露出アンダー
- CVPテスト 露出オーバー
- CVPテスト DGO ON VS DGO OFF (37:22から)
- CVPテスト 高感度ISOでのノイズ
- CVPテスト エイリアス (ジャギー現象)&ローリングシャッター (38:47から)
- 価格とキットに含まれるもの
- おまけ α7sIII VS C70
レビューアーの傾向
今回、とても面白い傾向だと思ったのはGerald UndoneさんやPhilip Broomさん、Potato Jetさん、他諸々のいわゆるレギュラークラスのレビューワーにこのカメラが渡っていない点です。 ちなみに上記の三名はEOS R5とSonyのα7SIIIがほぼ同時期に発表された時にα7SIIIに高評価を下し、EOS R5に関しては残念なカメラとのレッテルを貼った点が共通しています。
今回、Canonのマーケティングセクションは慎重に、良いことを言ってくれるレビューワーを選んでカメラを渡した可能性が高いです。 ただ、その点を差し引いてもこのカメラの評価は高くならざるを得ない、そんな気がしています。
今回、一連のレビュー動画、記事を見た中で、特に秀逸だったのがNewsshooterの記事と、CVPのレビュー動画になります。 今回はこの二つのレビューを軸にしながら、Ginannis SaroukosさんやStalman Podcastさんなどの意見も交えて、EOS C70の機能の評価をしていきたいと思います。
Newsshooterはレビューの冒頭でこう綴っています。
このビデオカメラはミラーレスハイブリッドカメラのフォームファクターに寄せながら、デジタルシネマカメラの性能を随所にちりばめたデザインとなっている。少しくらいの機能が省かれても良いから、コンパクトなシネマカメラが欲しいというユーザーがいたら、このカメラこそぴったりとマッチするのではないだろうか。
では、形状を見てみましょう。
主な特徴
- RF マウント
- Super 35 センサー DGO (デュアル ゲイン アウトプットセンサーはC300 MK IIIと同じです)
- クロップなしの4K 120p 4:2:2 10ビット撮影可能
- スーパー16のサイズまでクロップした場合、2K 180p まで可能
- 10ストップまでの内臓NDフィルター
- RAW記録に非対応 (後に対応する可能性あり)
- 新開発されたEF-RF スピードブースター アダプター対応
- デュアル ミニXLR端子搭載
- フルサイズHDMI端子(SDI端子はなし)
- デュアルSDカードスロット
- 拡張オートフォーカス (デュアルピクセル CMOS AF + EOS iTR AF X )
- 回転式LCDスクリーン
- 録画時間制限なし
- コンパクトなサイズ
サイズとフォームファクター、重量
C70 の重量はたったの1.17 kgです。
そして、サイズのスペックは (H) 130.2 mm x (W) 160 mm x (D) 115.9mmになります 手持ち撮影、ジンバル撮影、三脚での撮影のいずれにも容易に対応することでしょう。
重量についてはCanonのDSLRのフラッグシップである1DX MK IIIの重量1.25kgに対してC70は1.17kgとほぼ同じ重さになっています。 1DX MK IIIよりも身長は低く、お腹まわりは出っ張っている感じですね。
マルチファンクショングリップ
C70では、Canon CINEMA EOSラインのハンドグリップ部に当たるパーツがボディ本体に埋め込まれた形になっています。
カメラコントロールのほとんどはこのグリップ部の周りに集中していることから、オペレーターがカメラを握りながらコントロールするのに最適化された形状となっています。
三つのカスタムダイアルとジョイスティックはDSLR系の操作部とCINEMA EOSの操作部を合併したような配置になっていて、かなり便利に使えるようになっています。
カスタムダイヤルはアイリス、ISO/ゲイン、ホワイトバランス設定などを割り当ててコントロール可能になっています。手持ちで素早く設定を変えながら撮影する時に重宝されることでしょう。
各種ダイヤルに加え、RFレンズのコントロールリングにも設定を割り当てられるので、三つのパラメーターを瞬時に手元で操作可能となっています。
センサー
Canonの公式サイトによるとC70はC300 MK IIIと同じ4Kセンサーを使っています。
センサーの縦と横のサイズ(26.2 x 13.8 mm CMOSセンサー)、ISOレンジ、16+ストップのダイナミックレンジというスペックが全く同じことから、日本のサイトで伝えている「同じセンサー」という部分が正しいのだろうと判断します。DIGIC DV7 イメージプロセッサーを使っているという点もC300 MK IIIと全く一緒になります。
センサーのピクセルピッチは 6.4 µm になり、有効解像度は4096 x 2160 (8.85 MP)となっています。
C300 MK IIIが現在130万円前後で販売されていることを考えると、C70の日本での販売価格が税込み66万円なので約半分のお値段になるということですね。
センサーは二つのモードで機能します
- スーパー 35mm
- スーパー 16mm (クロップ)
フルフレームに照らし合わせたクロップファクターは下記のようになります。
- 4K スーパー35mm: 1.46倍
- UHD スーパー35mm: 1.53倍
- 2K スーパー16mm (クロップモード): 2.92倍
- HD スーパー16mm (クロップモード): 3.07倍
Canonによると、DGOセンサーはHDR撮影に最適化されていて、その理由はハイライト部を優先に描写したイメージとシャドー部(暗部)を優先したイメージの二つイメージを取り込んでいるからとのことです。
Newsshooterはこう伝えます。
Canonはこのセンサーが16+ストップのダイナミックレンジを記録できるとし、暗部のノイズを抑えることに成功、また高感度でのローライトパフォーマンス(低照度時のセンサーの性能)が向上しているとしている。
もし、通常のSDR(スタンダード ダイナミック レンジ)で撮影したのならば、あまりダイナミックレンジの幅の向上に気がつかないことだろう。DGOがその威力を発揮するのはHDR撮影の時だ。
ノイズを抑えることができるのも、画像処理が行われる前にデュアル ゲイン アウトプット信号をセンサーから直接取り込んでいるからだ。
16+ ストップのダイナミックレンジを公表するのは、かなり勇気のいることだ。もし本当に16+ストップのダイナミックレンジを実現していたならば、このカメラは現在市場に出回るどのカメラよりも優れたダイナミックレンジを誇ることになる。
もちろん、より重要なことは、記録したダイナミックレンジをユーザーが有効に活用できるかどうかということになるであろう。
Canonによると、
- DGOを最大限に活用するにはISO800でCanon Log 2を使うこと
- Canon Log 3を使うとダイナミックレンジは14ストップに落ちる
- ISO800以上で撮影した場合は、ダイナミックレンジは狭くなる
Newsshooterの推測によると
- ダイナミックレンジの多くは中間グレーより下の諧調で得られている
- C300 MK IIIのテストではハイライト部のダイナミックレンジの優位性はC500 MK IIに比べても特段なかったことから、C70でも同じことが言えると推測できる
- DGOはスーパー35モードでの4K/60P以上では効力がないことは知っておくべきである
- ただ、スーパー16モード(クロップ)で180fpsまでならDGOは有効に機能する
- 高解像度でのハイスピード撮影時にプロセッサーに負荷がかかることを考慮すると上記の現象はしょうがないことである
- DGOをデュアルネイティブISOと混同しないようにするべき(ベースISOを二つ持つコンセプトは一緒でも、DGOは全てのフレームで二つのISOの情報を記録するというタフな処理を行うことになる)
今回、CanonはCINEMA EOSラインとしては初めて、オートISOモードを搭載しました。オートISOはHighかLowに設定することができます。特定のシチュエーション、例えば屋外と屋内をワンショットの間にしょっちゅう行ったり来たりするような場合にこの機能は効果を発揮するものと思われます。対して、Sonyの対抗機はオートバリアブルNDを使って似たようなことができますが、アプローチの仕方が違うのが興味深いところです。
RFレンズマウント & EF-EOS R 0.71xスピードブースター
C70はCanon CINEMA EOSライン初のRFマウント搭載のカメラでありながら、RFマウント初のスーパー35mmサイズセンサーでの対応という、若干ちぐはぐなコンビネーションになっています。
このことに関しては、ネット上での反応も様々で、
「せっかくのRFレンズをクロップセンサーでしか活用できないのは、とても残念なこと」
という意見もあれば
「あえてアダプターを介してのEFレンズ対応にすることでレンズの選択肢が増し、EFレンズ使用時には画角はより広く、明るさはレンズの仕様より一段分明るく撮影できるようにしたことはCanonのファインプレー」
との意見もあり、どちらも正しいのです。
RFマウントはEFマウントに比べてミラーレスでフランジバックも短いため、オールドレンズ遊びもできますし(シネマカメラで遊ぶのは不謹慎?)PLマウントへの変更も簡単に可能なことも考えると、ミラーレスマウントであるRFマウントにしたのは、将来を見据えたビジョンとしては正解でしょう。
RFマウント用レンズがフルフレーム専用に設計されていますが、それも、Canon次第でクロップセンサー向けレンズを開発することも可能かと推測します。
より高いお金を払ってC500 MK IIやC300 MK IIIを購入したオーナー達にとっては少し納得のいかない部分もあるかもしれません。 裏を返せば、Canonが会社として、上位機種を食ってしまうような仕様を今後下位機種に施してくる可能性が出てきたという見方もできます。
Canonが自社で EF-EOS R 0.71x スピードブースターを開発したのは嬉しいサプライズでした。
EFマウントのレンズ資産を所有しているユーザーにとって、このアプローチはポジティブ要素だらけで、ネガティブな要素は見当たりません。
自社開発の強みは自社製レンズの電子接点のコミュニケーションをとことんチューンアップできる点でしょう。オートフォーカス、F値、焦点距離、メタデータの全てをネイティブレンズ同様扱うことが可能となっています。
残念ながら、今までのスピードブースターはネイティブレンズ並みのオートフォーカスは諦めてください、という静かなメッセージ込みで販売されてたので、これは進化と言えるでしょう。
スピードブースターに関して、あまり馴染みのない方は、是非、下の記事をお読みください。
このアダプターは重いレンズを使う場合や、EFレンズのみで運用すると決めた場合にはネジを使ってC70に固定することができます。実際、RFマウントはフルフレームセンサー用に設計されているため、現時点ではアダプターを完全固定にしてEFレンズ専門機として運用する方が画角の点ではメリットがあるかもしれません。
残念ながら、現時点でこのアダプターが対応しているレンズは下記の三つのみとなります。. Canonは今後、ファームウェア アップデートを通して他のレンズも対応させていくとしています。(2021年にほとんどのレンズを対応させる予定)
Newsshooterが確認したところ、
私がCanonに聞いたところ、サードパーティ製EFレンズ(例えばSIGMAやTAMRON)の完全対応は保証しないそうだ。「EFマウント用に設計されているのだから、他社のレンズも同じように動作するはずだとは思う」、と前置きされながら、保証はできないと念を押された
EF-EOS R 0.71x のアメリカでの販売価格は $599.99 USD(日本では8万8千円)で、今年の末に発送が開始される予定です。(日本も同時期になると想像します)
内蔵NDフィルターに関して
ミラーレスカメラやDSLRなどのスチル/ビデオのハイブリッド機に足りないものとして内蔵NDフィルターが挙げられますが、C70はシネマカメラとして、しっかりとNDフィルター(最大10ストップまで)を内蔵してきました。
α7sIIIなどの動画に重点を置いたカメラでも、レンズ前にバリアブルNDフィルターを装着して工夫はできますが、バリアブルNDフィルターのクオリティや周辺の環境光との関係で色がシフトしてしまう現象が確認されています。価格的にα7sIIIと比較するべきではないのかもしれませんが、比較した場合、このNDフィルターの有無は重要なポイントとなるでしょう。
NDフィルタの設定はボタン操作に加えて、LCDのタッチパネルからも操作できるようになっています。多くの人々がコンパクトサイズのカメラにNDフィルターが搭載されることを望んでいましたが、CanonがC70で実現したことで、今後、動画撮影に重点を置くミラーレスカメラもNDフィルターをボディに内蔵する日が来るのかもしれません。
解像度、フレームレート、コーデック
C70は最大4K DCI (4096 x 2160) の解像度で、最高120pまで撮影することが可能です。2K、あるいはHD解像度で180P(スーパー16クロップ)まで撮影することもできます。
詳しいフレームレートとコーデックの情報は公式サイトで確認をされてください。
キヤノン:映画制作機器 CINEMA EOS SYSTEM|EOS C70|仕様
ここで、一点だけ、指摘することがあるとすれば
C70は4K DCI あるいは UHD を 4:2:2 10-ビットで30pまでしか最高ビットレートのイントラフレームでは記録できないことです。
前述のDGOセンサーで記録できるフレームレートの上限も含めて考えると、このカメラの最高画質での撮影は4K/30Pまでが限度だということは知っておくべきでしょう。
まとめてみましょう。
- 4K/30Pまで : DGO オン & 最高ビットレートのイントラフレーム記録可能→ハイダイナミックレンジ & 高ビットレートで情報量の多い映像が撮れる
- 4K/60P以上 : DGOは機能しない / インターフレーム記録 (Long GOP)→比較的平凡なダイナミックレンジ & ビットレートは低めで、やや弱目のコーデックでの記録になる
スローモーション撮影(ハイフレームレート撮影)としては 4K DCI / UHDで最高120pまでを4:2:2 10ビット XF-AVC HFR H.264 Long GOPで撮影できます。
2K / HDでは最高180pまでを4:2:2 10ビット XF-AVC HFR H.264 Long GOPで撮影できます。
C70でのハイフレームレートでの撮影時、音声記録もできる仕様になっています。
音声はビデオファイルとは別のファイルとして保存されます。このファイルのフォーマットはBWF(.WAV拡張)となっています。
コーデックの選択肢としてはXF-AVC Long GOP、XF-AVC Intra、MP4 H.265 Long GOP、 MP4 H.264 Long GOPとたくさんの選択肢が用意されています。
RAWオプションに関するキャノンの見解
NewsshooterがRAW記録のオプションについてCanonに尋ねています。
今現在、RAW記録オプションはC70にはない。内部記録も外付け機器での記録も不可能だ。私がCanonにその趣旨の質問をしたところ、帰ってきた答えは「RAW記録がしたければC200を買えば良い」という回答であった。
これはとてもおかしな話である。C70よりも価格の低いR5がRAWを記録できるのだから。
Canonはさらにこう付け加えた「現時点でカメラ内、あるいは外部機器を使ってのRAW記録のサポートをするつもりはない。もし、たくさんの人たちからそのような要望があった場合、もう一度検討する可能性もある」
インターネット上の情報をかき集めると、CanonがC70にRAW記録機能を搭載してない理由として同価格帯のC200との差別化を図るためだとの憶測があります。
しかし、もう一つ、最近出てきた情報として興味深い情報がありましたので、ここでも紹介します。
diyphotography.netの記述によると、そもそも、DGOセンサーのRAW出力というのは単純ではないということを説明しています。
DGOセンサーは全てのピクセルが二つのフォトダイオードから情報を採取しているため通常のセンサーデータをRAW出力するアルゴリズムが適用されない。
(通常、センサーは1ピクセル毎に1つのフォトダイオードあるという前提でRAW出力のアルゴリズムが出来上がっていると考えられる)
つまり、もしC70がRAWファイルを出力できたとしても、(一つのフォトサイトの情報しか読み取れなければ)カメラ内で生成される画像のダイナミックレンジには遥かに及ばない可能性がある。
あるいはRAWで出力されるデータが通常の2倍になり、(これはRAW出力時に2つのフォトサイトの情報をしっかり出力できると仮定した場合)、そのダイナミックレンジを実現するために要する作業は複雑な工程になるだろう。
今現在、そのような工程をサポートするノンリニア編集ソフトは存在しない。
この記事を読んで、なるほどと思ったので、同じDGOセンサーを持つC300 MKIIIが外部RAW出力に対応しているか調べたところ、対応してなさそうです。この仮説が本当ならば、内部RAW記録可能なC200の価値が一気に下落することはなさそうです。
アナモフィフィックモード
このカメラはアナモフィックレンズで撮影時に収縮された映像を引き伸ばしてモニタリングすることも可能となっています。(2倍、あるいは1.3倍)
※ただし、カメラ内でアナモフィックモードで撮影する機能はありません。
HDMI経由でしっかりと引き伸ばした映像を確認することも可能です。
C70で可能な撮影モード(カスタムピクチャ設定)
- BT.709 (BT.709 ワイド DR/ BT709)
- Canon Log 2 (C.Gamut)
- Canon Log 3 (C.Gamut)
- PQ (PQ/ BT.2020)
- HLG (HLG/ BT.2020)
ルックファイル機能
C70はLUT表示、記録に対応しています。
ルックファイル機能を使い.Cube形式の3D LUTをカメラ内に取り込んで、適用可能です。 これにより、撮影時に意図したルックで収録可能です。ポストプロダクションでカラーグレーディングを前提としないワークフローでもこの方法で効率的なワークフローを実現します。
記録メディア
C70はSDカードスロットを二つ装備しています。
このデュアルスロットに様々な記録形態で収録可能となっています。
Canonは今回ユニークな試みとして、各SDカードに異なる解像度やコーデックを記録可能としています。(単純なプロキシー撮影より、細かい設定が可能となっています)
例えば、
- 4K DCIを一枚ののカードに、もう一枚のカードには2Kを録画(異なる解像度)
- 一枚にUHD 50Pを、もう一枚にHD 50iを収録(異なる再生方式)
- 一枚にXF-AVC ALL-I、もう一枚にXF-AVC long GOPを記録(異なるコーデック)
と、用途に応じて組み合わせることが可能となります。
HDMI出力
C70のHDMI出力は4K DCI 4:2:2 10ビットの出力が可能で、ATOMOS NINJA Vと組み合わせればProRes記録が可能となります。 (前述の理由からProRes RAWへの対応は見込みが薄いと思われます)
熱処理(オーバーヒート問題は?)
EOS R5やR6のように防塵防滴処理が施されてないということは空気の流れをコントロールすることが可能ということになります。
C70はボディ前面左側に空気の取り込み口があり、右側に排気口が上下に一箇所ずつ、二箇所あります。(上の図をご覧ください)
こうすることによって、メインボードとセンサーボードからの熱を空気と共に押し出して取り除きます。
C70はこのような機構を備えていて、録画時間制限がありません。オーバーヒートもしません。(R5とは一体何だったのでしょう? とふと考えてしまいました。Canonさん、やればできるんですね)
デュアルピクセルCMOS AF
オートフォーカスのモードは数種類あります。
- ワンショットAF
- コンティニュアスAF(画面の80%をカバーします、スピードブースター使用時は60%))
- トラッキングAF (任意に選択した物体の動きを自動で追尾します)
- 顔検出AFは顔優先モードと顔のみ、の二種類から選べます
C70ではDual Pixel CMOS AFが進化しています。1DX Mark IIIにて採用されたEOS iTR AF X. iTR (インテリジェント トラッキング & レコグニション)を採用しました。ディープラーニング アルゴリズムにより、被写体の顔の認識精度が向上、顔の向きにかかわらず、顔検出を継続し追従可能となっています。
距離測定機能
C70はRFレンズとの密接な情報共有により、被写体との距離を計測します。レンズからの情報はLCDスクリーンに表示され、数値化した表示とバーによる表示が可能となっています。
フォルスカラーモード
C200には搭載されていない機能がたくさんC70に搭載されていますが、フォルスカラー表示もその一つでしょう。
手振れ補正
C70ではコンビネーションISを採用しています。
CINEMA EOSで初めて、RFレンズ+EOS C70に搭載された電子ISの協調制御を実施。これにより最適な手ブレ補正効果が得られるようになり防振性能が向上しました。
EFレンズをアダプタを経由して使用する場合、レンズの光学手振れ補正とボディの電子手振れ補正は共に機能しますが、コンビネーション補正とはならず、別々に作用するため、効率は半減します。
CanonはRFレンズを使用した時のコンビネーションISは従来、EFレンズとボディで行われていた手振れ補正より格段に効果が高いと主張しています。
通常の手振れ補正オンの状態で1.1倍のクロップとなり、コンビネーションISを使用することでさらに若干クロップされます。
回転式LCDスクリーン
C70の回転式フリップアウトLCD カラースクリーンは3.5インチ (8.8 cm 対角線)で16:9表示します。
おおよそ、2,760,000ドット (1280 x RGB x 720)でタッチスクリーン操作に対応しています。(Newsshooterによると、C500 MK IIのLCDスクリーンと明るさは同等とのことです)
残念ながら、ミラーレスカメラのボディスタイルを継承しているにもかかわらず、EVFは搭載されていません。つまり、タッチスクリーンに完全依存する撮影スタイルになるか、別途で外部モニターかEVFをHDMI経由で接続する必要があります。
入出力端子と接続
C70の入出力端子は決してCanonのシネマカメラとして多い方ではありませんが、このサイズにしては、基本的な入出力端子は配備しています。
- 2x 3ピン ミニXLR
- 3.5mm マイク入力
- ヘッドフォンジャック
- USB Type-C端子
- リモートターミナル
- HDMI 出力 (タイプA)
- タイムコード イン/アウト
残念ながら、フルサイズXLRではなく、ミニXLRになります。また、SDI出力端子は省略されています。
SDIが省略されてタイムコード イン/アウト端子が搭載されたことに関しては、ネット上でもたくさんのユーザーから疑問符がついています。 プロフェッショナルな用途で使用する場合、フルサイズHDMI端子と言えども、やはり接続に不安が生じることになります。
ただし、タイムコード イン/アウト機能を使うことによって複数のデジタルデバイス上で同じタイムコードでシンクすることでポストプロダクションでの作業は格段に効率よく進むことでしょう。おそらく、イベントなどの撮影時に複数台のC70を投入するシナリオを想定してこの端子が搭載されたのだと推測して良いかと思います。
Canonによりますと、USB-C端子は撮影した映像データの転送をサードパーティ製のアダプタ経由で有線/無線接続の両方でサポートすることになります。
二つのMini XLRターミナルは+48ボルトのファンタムパワー供給が可能となっています。 別途で3.5mm マイクロフォン入力端子も装備し、より多くの種類のマイク接続が可能となっています。
カメラには二チャンネルのスクラッチオーディオ用マイクが内蔵されています。.C70は4チャンネルの音声入力/録音に対応しています。
内蔵マイクから2トラック、ミニXLR入力から2トラックの設定も可能です。
また、3.5mmマイク入力端子からの音声とミニXLRの音声を同時に録音することも可能です。
カメラのボディ背面にはオーディオコントロールダイヤルが配置されています。このダイヤルを個別に操作することで、
- 各オーディオチャンネルのレベル調整が可能
- スイッチ操作でマイク/マイク +48/ラインの切り替えが可能
- 各チャンネルは録音レベルをオートかマニュアルに切り替えることが可能
- ヘッドホンからのモニタリングに関しては個別のチャンネルのみを両耳でモニタリングできるのか、現時点では不明
タッチコントロール
Canonは今回、新しいタッチインターフェイスを開発することで、カメラ設定の変更を瞬時に、簡単にできるようにしました。ここまでタッチフェイスの操作を直感的にできるようにした理由は、手持ち撮影の時に片手でカメラを握り、もう片方の手で設定をコントロールできるようにするためだと思われます。
タッチスクリーン操作でできることの例:
- 記録メニューに瞬時にアクセス可能し、記録フォーマットや解像度を変更可能
- NDフィルターの濃度を変更可能
- スクリーンをスワイプすることで、設定画面の各ページに素早くアクセス可能
- ISO/ゲイン 、色温度、絞りなどの各種パラメータをタッチ操作とスワイプ操作で簡単に変更可能
- ピーキングやゼブラ、他様々なスクリーン表示設定の一括管理が可能
-
縦撮り対応
ソーシャルメディア用広告等、スマートフォンで視聴するためのハイエンド広告のニーズが高まる中、CanonはC70に縦撮りモードを搭載してきました。
オンスクリーン表示方向をメニューで変更することにより縦での撮影時でもスクリーン表示が読みやすくなります。
Canonによりますと、撮影時にメタデータが組み込まれるので、編集ソフトで読み込む時に自動で縦で撮影した動画として認識されます。 (しかし、縦撮りという言葉は初めて聞きました)
バッテリー
C70はBP-A30/BP-A60バッテリーを使います。 このカメラは他のCシリーズのシネマカメラと比べ、かなり電池の持ちが良くなっています。
小さいタイプのBP-A30バッテリーで200分の連続稼働が可能です。
また、大きいタイプのBP-A60バッテリーでは400分の連続記録が可能となっています。
これだけバッテリーの持ちが良くなると、1日の撮影に持っていくバッテリーの数を少なくできるだけでなく、4万円以上するBP-A60バッテリーを買わなくても運用可能となり、経済的に助かることでしょう。
C70はC200 / C200B / C300 Mk II / C300 Mk III / C500 Mk IIIと同じバッテリーを使用するため、C70を既存のシネマカメララインのBカムとして使用する場合、バッテリーとチャージャーが使いまわせるのはとても便利だと思います。
このカメラは誰をターゲットにしたカメラなのか?
ここまで読んでお分かりの通り、C70はミラーレスハイブリッド機ではありません。一方、デジタルシネマカメラとは言っても、実際のサイズ感や入出力端子の豊富さを比べると他のシネマカメラには引けを取ります。(EVF、SDI、RAW記録等の機能がありません)
このカメラはニッチなカメラと呼べるかもしれません。かと言って、人気が出ないかと言えば、そうとも限りません。(もう既にSystem5では人気のカメラ ランキングで一番に躍り出ています)
α7sIIIやGH5等の動画撮影に特化したミラーレスカメラを動画撮影のみで使用し、写真は一切撮らないということならば、(値段は跳ね上がりますが)Canon CINEMA EOS C70を買う方がよほど賢明な判断だと言えるかもしれません。
Newsshooterの記事がC70のターゲット層を分析しています。
C70はハイブリッド ミラーレスカメラを使用しているビデオグラファーが、デジタル シネマカメラへのステップアップをする時に、決して高額な予算を持っていない場合に選択肢の中に入ってくるカメラである。
また、敢えて小型で取り回しの良いミラーレス機を選択している円熟したビデオグラファー達にも、このコンパクトなサイズ感と内蔵NDフィルター、より高性能な音声入力が魅力となるだろう。
Canonの熱烈なファンにとってはC300 Mark IIIを買うお金はないけれどEOS R5よりもビデオ制作に適したカメラが買いたい場合に選択肢がC200とC70の二つに増えることになった。
C70は既にC200の顧客層に十分アピールできる機能を搭載してるわけでもある。
Canonが積極的に新商品を発表し続けるこの勢いは、自社の上位機種の売り上げに影響を与えてしまうほどである。
C70は既にCanonのCINEMA EOSラインのカメラを所有しているオーナーにとっても、サブカメラとしての有力な選択肢になるだろう。
C200とC70を比較
C200 は2017年中旬に発表され、それ以降、Canonのミッドレベル シネマカメラとして人気を博しています。 アメリカでの販売価格はC70と全く同じ値段です。
両機種は今後、よく比較されることになると思いますが、実際にはくっきり機能の差別化がされています。
C200にあって、C70には無い機能、特徴
- より大型で、フルサイズXLR端子やSDI出力端子などのデジタルシネマカメラに備わっているべき端子がバランスよく配置されている
- ボディ内でのRAW記録が可能 (Cinema Raw LIghtで 12ビット 4K/ 30P あるいは10ビット 4K/60P)
- センサーダイナミックレンジは15ストップ (RAW記録時)
- EVF搭載
- EFマウント
C70にあって、C200には無い機能
- コンパクトなミラーレスカメラ スタイルのボディ
- DGOセンサーによる16+ストップのダイナミックレンジ
- 4K 120P 10ビット 4:2:2 ボディ内記録等、多彩な記録フォーマット&コーデック
- 進化したオートフォーカス
- RFマウント (アダプターを介してEFマウントレンズをフルフレームの画角で使用可能)
- 手振れ補正機能
- タイムコード入出力端子
ハンズオンレビューから分かること
Ginannis Saroukosさんのハンズオンレビューから要点をまとめてみました。
- まず、C70の起動時間がとても早いことに言及しています。起動時間は経ったの3秒だそうです。これは、他のCINEMA EOSのどのカメラと比べても圧倒的に早いということです。
- C70はフォルスカラーモードがあるため、露出決定がしやすく、とても使いやすいとのことです。
- オートフォーカスに関しては、EOS R5やEOS R6ほどの高性能ではないにしろ、C200、C300、C500といった先行機種より大幅に向上したと述べています。
- オートフォーカスはスローモーションモードになると、機能が限定されるか、使えなくなります。
- コーデック、フレームレート別の映像サンプル
先述しましたが、コーデックとフレームレートによってDGOが使えなくなったり、コーデックがオールイントラでなくなるといった制限があるため、コーデック別の画質のテストを行っています。(まあ、全てきれいではありますが、理論上はダイナミックレンジと画質が変わっているはずです)
上の写真はハイスピードモードでの画質比較をしていますが、120Pの画質が大健闘しているとのことです。
- C200のCInema Raw Lightとの画質比較
下の写真はC200との比較になります。Ginannis Saroukosさんによると、C200とC70の画質はとても似ているとのことです。 C200のRAWの方が若干、画質は良いと語っています。もう一方で、ダイナミックレンジはC70の方が若干優れていると語ります。
- C70のダイナミックレンジ サンプル (動画8:00あたりから)
- ジンバル撮影に関して
このサイズ感でシネマカメラを扱えるのは素晴らしい。ここまで高性能なカメラで、手持ちからジンバル撮影に素早く切り替えることができるのは、このカメラが初めてだと思う。
とおっしゃっています。
CVPの比較テスト VS C200、 C300 MKIII
CVPが今のところ、一番詳細な比較テストを行なっています。 C300 MKIIIのDGOセンサーを受け継いでいるだけあって、ダイナミックレンジテストではC200は足元にも及びませんでした。 ただ、C300 MK IIIと比べると、全く同じセンサーにも関わらず、挙動は少し違うみたいです。
CVPテスト 手振れ補正. (動画23:42から)
CVPが行なったテストを見ていただければ、今回、C70に搭載された手振れ補正機構はEOS R5やR6の手ぶれ補正とは全く異なるものだということがお分かりいただけると思います。是非、実際の動画をご確認ください。
新しくRFマウントを搭載することで、レンズとカメラのコミュニケーションはより効果的なものとなっている。そのことを踏まえるとC300 MKIIIよりも手振れ補正の効率は良くなっているはずである。
手ぶれ補正はソフトウェアベースの補正となり、補正をかけると画面を若干クロップする。
今回は私(レビューアー)が前後に動く動作をRF24-70のレンズで補正ONと補正OFFで比較している。
テストの結果、補正はしっかりできていると思うが、たまにソフトウェアの勘違いなのか、少し奇妙な動きになることがある。 正直、R5に導入した手振れ補正をそのまま入れてくれれば良かったのに、と思う。
コントロールされた環境でのテスト撮影(35:21秒から)
ここでは、C200とC300 MK IIとの比較テストを室で行い比較しています。
CVPテスト 露出アンダー
このテストではC70のフォルスカラー機能を使ってカラーチャートの右から三番目のグレイが18パーセントになるようにし、スキントーンはそれよりも1ストップ明るくなるように補正をかけています。撮影モードはXF-AVC ALL-I 4K/25P 424Mbsで行われています。
対して、C200とC300はCinema Raw Lightでの撮影となっています。
まずはC300 MK IIIとの比較です。 実際にセンサーは同じなので、圧縮記録 対 RAW記録ということになります。
C70は露出アンダー 4ストップまではC300 MKIIIと比べても遜色ありません。しかし、5ストップアンダーくらいからノイズが目立つようになります。
C200との比較を見てみましょう。ここでは、C200が3ストップ アンダーくらいからノイズが出ていることがわかります。
さらに暗くなるにつれて、C70の優位性がはっきりします。
CVPテスト 露出オーバー
今度は露出オーバーの場合の画質の劣化を見てみましょう。
このテストでは、全てのカメラが3ストップの露出オーバーまでは問題なく、それより明るくなるにつれて、C200、C70、C300MK IIIの順番で画質が劣化していくのがわかります。
CVPテスト DGO ON VS DGO OFF (37:22から)
今度はあえて、DGOが効力を持つ撮影モードと、効力を失う撮影モードでの露出の変化に対する画質の劣化を比べています。 下記の撮影モードが比較に使われました。
- 4K 25P XF-AVC ALL I (DGOの効力が反映されます)
- 4K 100P XF-AVC Long GOP (DGOの効力はありません)
露出オーバーでの画質の劣化を比べた結果、両方の撮影モードであまり違いはありませんでした。3ストップオーバーまでは両方のモードで問題なく補正され、それ以上の露出オーバーになると画質が破綻していくのがみて取れました。
露出アンダーでの結果は全く違うものになっています。
3ストップアンダーのあたりから、DGO ONの方がノイズレベルがクリーンでそれ以降もノイズレベル、色調再現の両方の面で、DGO ONの方がOFFのモードよりも優秀だということがわかります。 (このことは重要で、先のC200との比較においてもDGO OFFの撮影モードでの優位性はほとんどなくなる、ということになります)
CVPテスト 高感度ISOでのノイズ
ISOのテストではISO 3200まではとてもクリーンで、ISO 6400からISO 12800までは十分に使えるレベルだとの結果になっています。 ISO 25600からは少しノイズのレベルが目立つようになるとのことです。とは言えど、ISO 25600より上でも色彩の表現はしっかりしていて、ディティールもしっかりと描写しているとのことです。
ISO テストをC200とC300 MK IIIとで比較もしています。 このテストでも、C200、C70、C300 MK IIIの順番でノイズが乗りはじめ、画質が劣化していくそうです。
ただし、差はそこまでないとの見解でした。
CVPテスト エイリアス (ジャギー現象)&ローリングシャッター (38:47から)
C70で撮影する時、一定量のエイリアスが起こることは覚悟した方が良い、とのことです。
また、ローリングシャッターは確認できるものの、酷評するレベルではないとのことです。
価格とキットに含まれるもの
価格は冒頭で触れましたが、ほとんどの機材屋さんが税込で66万円としています。 入荷は11月中旬を予定しています。
※EFレンズを使用する場合、別途アダプター料金がかかります。
新製品のEF-EOS R x0.71 マウントアダプターは約9万円しますし、EFレンズで対応しているレンズはまだ3本しかないことから、EFレンズをフルフレームの画角で使うというのはそれなりに費用も時間もかかることになるこということは覚悟しましょう。
購入したらパッケージに含まれるものは下記のとおりです。
- C70 カメラボディ
- マイクホルダー
- マイクホルダー アダプター
- トップハンドル
- Tape measure hook
- グリップベルト
- ショルダーストラップ
- BP-A30 バッテリー X 1
- ボディキャップ
- バッテリーチャージャー CG-A20
- AC アダプター CA-CP200 L
さて、このように素晴らしい性能を提げて発表されたEOS C70ですが、66万円の値段を見ると、十分に対抗できるライバル機種もたくさんあり、これからも発表されていくことでしょう。 ライバル機種となり得る、最大の対抗馬がSonyから発表されるであろう、FX6になります。
FX6は噂の範囲ではありますが、ほぼ確実にFX9のセンサーを搭載し、α7S IIIのセンサーを搭載し、S-Cinetoneのカラーサイエンスとジャイロスコピックデータの記録、バリアングルNDフィルターなどを搭載してきます。
Sonyが誇るEマウントはワンマウントとして、(Aマウントを除く)ほぼ全てのSony製カメラで共有できるため、Sonyのレンズを所有しているオーナーはこちらに傾く可能性が高いのではないでしょうか。
しかも、常に価格設定の傾向として、SonyはCanonよりも若干低めの価格設定をしてくる傾向があり、もし、FX6がSDI出力やフルサイズXLR等を搭載してきた場合、よりプロフェッショナルな現場での活用を目的としたユーザーがどちらを選ぶか、興味の湧くところではあります。
※FX6のスペックが発表され、レビューも登場しています。
C70は放送局やニュースの素材を撮影するというよりも、ミュージックビデオや自主制作映画、マルチカメラでのイベント収録などにより適していると言えますので、Canonが今回、C200との差別化を図るためにあえて見送ったであろういくつかの機能が、後になって、ダメージにならないことを願います。
おまけ α7sIII VS C70
下に2つの動画を貼り付けました。 両方とも、同じ撮影者が、同じモデルさんを使って、同じロケーションで撮影しています。 違うのはカメラ(と天候?)だけ。 最初のクリップはC70で撮影されていて、2つ目はα7sIIIで撮影されています。 手振れ補正のテストもしていまして、甲乙付け難い結果となっておりますので、ご確認ください。 結論としては、カラーグレーディングさえしっかりすればどちらのカメラも同じようなクオリティで撮影できるということでしょう。
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