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α7IVはα7S IIIにとって代わる存在となりうるのか?

 

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お久しぶりすぎるエントリーを書かせていただきます。

長い前振りはいらないという方は下の目次からどうぞ

目次

 

秋頃から年末にかけてカメラ業界の新製品発表、予約開始、発送&受け取りというドラマチックな展開が(大袈裟ですね、はい)繰り広げられている昨今ではございます。

 

特に注目されたカメラ達を独断で言及いたしますと、まずは何と言いましても、最近ヨドバシカメラにて次の入荷が2022年の10月と発表され騒然となったNikon渾身のミラーレス・フラッグシップ機であるZ9の人気は想像を遥かに上回るものであったようでございます。

 

また、Canonが発表したフラッグシップの斜め下くらいに位置するR3も発売開始は11/27日にも関わらず、今注文したら6ヶ月待ちのようでございます。

 

先行発売されたα1を含めたSonyCanonNikonのハイエンド ミラーレス一眼がこれで出揃ったことになり、写真機能の追求はもちろんのこと、動画機能に関しても妥協のない部分を見せてきています。(おかげで? Canonの1DX MKIIIが大幅に中古市場で値下がりしています。メルカリで45万円くらいで落札されていたので、買ってしまう寸前でした…)

 

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YodobashiのオンラインショップでのZ9の注文ページ (次の入荷は来年の10月)

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6K/60PでのRAW記録が可能なCanon R3

ただし、これらフラッグシップカメラの人気のカラクリとして、カメラに使用する半導体部品の不足が原因となり、業界全体で深刻なカメラやセンサーの生産力低下、供給不足となっていることが実体ではあるようです。 (具体的にはセミコンダクターの生産低下とパンデミックによる経済の停滞が理由の模様)↓は半導体の供給力低下に伴う対策をSonyTSMCと連携して解決しようとする動きの記事をエンガジェット社が書いたものになります。

www.engadget.com

 

さて、まだ本題に入らないのか? と怒られそうな気がしますので、そろそろ本題に入っていこうと思います。 セミコンダクター不足はSonyのカメラ生産にも影響を与えたようでして、α6100 / α6400シリーズ及びα7 IIの事実上の生産停止とも受け取れる生産の延期の発表、そしてα7S IIIと ZV -E10の生産延期が発表されています。 おかげさまでα7S IIIは現在かなりの高値でメルカリで売買されています。(中古機材を漁るのが趣味なのでつい観察してしまっています)

 

Sonyがそのような決断をしてまで、生産をなるべく間に合わせたかった機種、それが大人気であったα7IIIの後継機であり、Sonyのフルフレームラインアップの新しいエントリーレベル的存在のα7IVになります。

 

このα7IVは写真も動画もある一定のレベルで撮影したいユーザーにとっては、とても完成度の高い仕上がりとなっていますし、動画/写真機能の配分がα1のようにバランスも良いことから、mini α1と呼ばれてもいるようです。 今回はこのブログの趣旨に乗っ取り、写真の話は基本的には省略して、動画機能にフォーカスした形でこのエントリーモデルの動画機能が(例えば動画機能に全振りしたα7S IIIと比較した場合)どこまで機能的に追随することができたのか、どちらがどれくらい優れているのかという部分を重点的に、主に海外のレビューを参考にしながらお伝えしていきたいと思います。 

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画質や高感度耐性、機能面で比較となるのは動画撮影機のスタンダードになりつつあるα7S III

Youtubeのカメラレビューでは、一目置かれているGerald Undone(ジェラルド アンダーン)さんのレビューではなく、最近、Geraldさんと同じくらい評価の高いCVPのレビューを中心に今回はお伝えしていきます。ちなみにCVPはヨーロッパで一番大きな映像機材専門の販売店となり、アメリカのB&HAdramaのような存在のようです。

 

フォームファクタ

今回、あまり時間がない中でフルレビューとまではいかなかったが、所感をお伝えしていきたい。 最初に、これまでSonyのフルフレームαシリーズを使用したことがある人にとって、カメラの形状、ホールド感などはとても親しみやすいものになっている。 過去の機種達の中でもα7S IIIとα1にとても似通っており、α7IVを加えた3機種はユーザビリティ(実際に使用する上での便利さ)の点で特に優れていると言っても過言ではなかろう。

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外観はα7S IIIにそっくりですが、ケージは専用のものが必要になりますのでご注意ください!

カメラのトップに配置されたモードダイアルは素晴らしい。 写真、動画、S&Qのモード切り替えを瞬時にすることが可能となっている。

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モードダイアルで静止画と動画のモードを瞬時に切り替えられる

LCDのクオリティ

ロケーションにはα7S IIIも持ち込んで同時に撮影したのだが、気づいたのは、LCDモニター上に映るイメージを比較した場合、α7S IIIのLCDの方が諧調表現が豊かに見えた。またダイナミックレンジに関しても、α7S IIIには若干劣っているとの感じた。

注:ここでの感想は実際のイメージを比較したわけではなくLCDに映った映像同士を比較した場合、ということになります

バッテリーの持ち

我々のテストでは、35分の映像を6時間にわたって撮影したのだが、バッテリーの交換は一回で済んでいる。 Sonyの公式発表とは若干の誤差が出たと感じた。

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Sonyの公式サイトでのバッテリーの持ち時間

上位機種譲りの高速処理のプロセッサーとダウンサンプルされた4K映像

α7IVは新しく開発された33メガピクセルのフルフレームサイズ、裏面照射型センサーを搭載しα7S IIIやα1と同じ画像処理エンジン BIONZ XRを搭載することで先代のα7IIIの画像処理エンジンの8倍の処理能力を得た事になる。α7IVの画素数(33メガピクセル)はα7S III(12.1メガピクセル)とα1(50.1メガピクセル)の丁度中間程度の画素数となり、とてもバランスの良い数字だと思う。 結果、3:2のアスペクト比で7008 X 4653ピクセルとなり4K映像の撮影時には7K相当(7008 X 3944)のセンサーイメージを4Kにダウンサンプルさせることとなる。

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新開発のセンサーは33メガピクセル

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動画撮影時のセンサー領域は7K相当

ダイナミックレンジ

Sonyの公式サイトでは、15+ストップのダイナミックレンジを実現していると謳っているが、センサーパフォーマンスに関しては、後に詳しく分析しているので、そちらを参照してほしい。 写真機としてのセンサーではあるが、同時にシネマ機のような絵心をもったセンサーであるのかを検証している。

ということで、ここからセンサーの実力を多角的に分析してますので、注目してご覧ください。

ちなみに、ダイナミックレンジテストで有名なCineDでは

IMATESTでは、SNR=2で12.9ストップ、SNR=1で14ストップとなっており、これを確認することができる。

となっていて、Gerald UndoneさんのIMATESTでも12.8ストップとなっています。 ほぼほぼ、この数字を信じて問題ないものと思われます。 その場合ですが、Geraldさん曰く

α7S IIIよりもハーフストップ分、ダイナミックレンジが広く、α1と同等のレベルにある

ということになるようです。

 

センサーパフォーマンステストと撮影条件

センサーのパフォーマンスを比較するためにコントロールされた環境下でα7S IIIとの比較を行なってみた。

テストを行うにあたって、気をつけたことが数点ある。

 

露出を決定する際にはカメラに内蔵された露出検出機能(ゼブラの表示領域をパーセンテージで指定)を活用し、中間グレーの露出を決定した。 この二つのカメラの場合はS-Log3で中間グレーがゼブラ41%相当になるようにした。

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ゼブラの設定をカスタマイズすることで、41%付近でゼブラが表示されるようになっている

露出をアンダーに撮影する場合はT2に絞りを設定した後に、徐々にF値を絞ることで対応し、露出をオーバーで撮影する場合は絞りをT16に設定した後に徐々にF値を解放することで対応した。今回のテストでは露出オーバーは6ストップ分まで、露出アンダーは5ストップ分までテストをしている。 テストでは、両方のカメラに同じ50mm Zsiss Supreme Primeレンズ (PLマウント)を使用している。

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CVPのテストは本当に細かいです。 (使用レンズはZeiss Supreme Prime 50mm PLマウント)

撮影された映像はDavinci Resolveに取り込み、フレーム内に写し込んだカラーチャートを使用して通常の露出の状態に補正をかける作業を行なっている。 α7IVとα7S IIIは露出の基準が同じように設定されているものと想定していた。 実際には内蔵のゼブラを使って41%を中間グレーに適用したにも関わらず、両者の間にはハーフストップ分の露出の違いがあることに気がついた。

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Davinci Resolveを使用してチャート上の露出の誤差を補正しながら比較

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同じ露出の設定の場合、α7S IIIの方がハーフストップ明るめに撮影される模様

この点に関して、我々の最初のリアクションは、ベースISOが違うからこのような結果になったのでは? ということであった。 (S-Log3撮影時にα7S IIIのベースISOは640であり、α7IVは800)だが、我々は実際には照明の微調整をすることでベースISOのズレを補正したはずなのである。 どちらにしても、結果の大勢に大きな影響を与えているわけではないので、テスト結果をお伝えしていくことにしよう。

露出アンダーでの比較

露出アンダーのテストでは、適正露出の時の比較をした場合でもα7S IIIの方が諧調表現が豊かで、発色も良好である。個人的に、スキントーンの表現もα7IVよりα7S IIIの方が好感のもてる再現となっている。この傾向は3ストップの露出アンダーまで同じである。 3ストップアンダーの時点で、両方とも少しノイズが発生しているのが見て取れる。

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露出アンダー 1ストップ

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露出アンダー 2ストップ

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露出アンダー 3ストップ

4ストップの露出アンダーの時点で色が若干紫色にシフトしているのがわかるが、その傾向はα7IVの方が顕著である。ただし、ノイズの発生に関してはα7IVの方が若干優秀だと感じる。

総合的に見て、α7S IIIの方が色彩表現と諧調表現においてα7IVよりも優れていると言えよう。α7IVの方がカメラ内でのノイズリダクションの効きが強いように感じる。

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露出アンダー 4ストップ (特にα7IVで色のシフトが起こり始めている)

5ストップの露出アンダーの時点での比較は、両方ともにノイズがかなり発生している。α7IVの映像の方が細部のディティール描写に優れているようだ。 これに関しては驚かされた。

露出アンダーの総合的な判定としては、繰り返しになるがα7S IIIの方が色彩をしっかり保持していると感じた。

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露出アンダー 5ストップ ノイズの発生量が顕著に見られる

露出オーバーでの比較

露出オーバーでの比較で見た場合でも、α7S IIIの方がα7IVよりも若干優秀であることが判明した。 3ストップの露出オーバーまでは両機種ともに上手に露出の変化に対応できている。

変化が一番ない状態での比較の場合はα7S IIIの描写がコントラストが低く諧調表現が豊かだと言えよう。 α7IVはコントラストがかなり強めの描写となっている。 ただし、両機種ともに画質という意味では、通常使用に耐えうる画質を保っているように感じる。

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露出オーバーテスト 適正露光

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露出オーバー 1ストップ

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露出オーバー 2ストップ

 

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露出オーバー 3ストップ

4ストップの露出オーバーからはやはり、両機種ともに画質の保持が難しくなってくる模様である。5ストップオーバーの時点で両機種共に色がシフトしてきていることはカラーチャートとスキントーンから見て取れる。ただしチャート内の青色のゾーンはそこまで色の変化を起こしていない。これは露出オーバーで飛び気味になる空の諧調を保持するにはとても重要な要素である。

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露出オーバー 4ストップ

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露出オーバー 5ストップ

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露出オーバー 6ストップ

ノイズレベルのテスト

この2機種は共にカメラ内部で記録する際に映像を圧縮して記録すると同時に内部でノイズリダクションをかけることになる。α7IVをα7S IIIと比較した場合、ノイズレベルはどの程度なのかを確認すると共に、俗に言うデュアルネイティブISO的なものがα7S IIIの時同様に存在するのかを確認してみることにした。 S-LOG3の設定でレンズキャップを乗せたままでISOを上げていくことでノイズパターンの変化が見て取れる。 また、相当なノイズリダクションがカメラ内でかかっている事が確認できる。

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ノイズテスト ISO 800

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ノイズテスト ISO 1600

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ノイズテスト ISO 3200

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ノイズテスト ISO 6400

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ノイズテスト ISO 12800

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ノイズテスト ISO 25600

 

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ノイズテスト ISO 51200

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ノイズテスト ISO 102400

デュアルネイティブISO?

※デュアルネイティブISOはデュアルベースISOとも呼ばれますが、同義語になります。文中ではデュアルネイティブISOに統一します。

その中でも特筆すべき点はISO 2500からISO 3200に切り替わるタイミングでノイズが劇的に減少することである。

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通常はISOが低い方がノイズが少ない、ということになりますが…

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ISO 2500の時のノイズより、ISO 3200の時のノイズが明らかに少ないですね

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横に並べて比較するとわかりやすいですね

ウェーブフォーム上でノイズレベルの比較をした場合も目に見える形で差が出ている。

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ISO 2500のノイズの状態をウェーブフォーム(左)で見ると太いラインになっている

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比較した場合、ISO 3200のノイズが描くラインは細いものである

ここでの考察ですが、α7S IIIの時からデュアルネイティブISOに関しては、色々な意見がございまして、大部分の人はセンサーの電子回路が切り替わったために映像がクリアになる(デュアルネイティブISOの特徴)ことを既成事実として受け止めています。

 

が、反対意見として単にカメラ内のノイズリダクションが強く効いているだけ、という考えもあります。 また、Sonyの公式コメントからα7S IIIにデュアルネイティブISOがあることは認められていません。 しかし、α7S IIIの場合はカメラのプロセッサーが施す加工をスルーしてセンサーのデータを直に記録するRAWで撮影する際にも、明らかに一定のISO(S-Log3でISO12800)で映像がクリーンになることから、デュアルネイティブISOの影響という説が強く支持されています。 今回、α7IVに関しましては、現時点でHDMI端子経由のRAW出力に対応していないため、このような検証はできずじまいとなります。

 

追記:SonyのオフィシャルウェブサイトでSonyのシネマカメラであるVENICE、FX9、FX6、FX3は全てデュアルネイティブ ISOを搭載していることが明記されていました。 

FX3とα7S IIIは画質、内部構造ともに一緒だと考えて問題ないため、α7S IIIはデュアルネイティブISO搭載となります。詳しくは英語になりますが下記のリンクをどうぞ。(実際にはDual Base ISOと呼ぶようですが、概念は一緒になります)

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SonyWebsite上でのシネマライン機のDual Base ISOの表記

暗所性能の比較〜CVPの見解

α7IVは動画撮影モードの時、ISOを最大102,400まで上げることができる。比較した場合、α7S IIIは409,600まで上げられる。 高感度ISOの画質に関してはα7S IIIと比較した場合に限定すれば物足りなく感じるかもしれない。 しかし、α7IVの方が総ピクセル数が多いことに伴うピクセルサイズの減少を考えた場合、妥当な結果だとも言える。 更に言うならば、ISO 12800〜25600までの使用に関してα7IVでもノイズリダクションを念頭に置いた場合に十分使用可能な画質を得ることができると考える。

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ISO 12800以上になるとα7S IIIの方が暗所性能が良いという結論ですが、写真では分かりにくいかもしれません

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ISO 25600の比較

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ISO 51200の比較

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ISO 102400の比較、α7IVもかなり健闘しているように見えますが…

暗所性能の比較〜他の見解 (Lee Zavitsさん)


α7S IIIとα7IVに関しましては、他のたくさんのYoutuberの皆さんが動画をアップしていますが、ここではLee Zavitzさんのテストを併せて紹介いたします。 これに関しては、とにかく動画を一回、なるべく大きいスクリーンで再生してご覧になることを強くお勧めします。

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残念ながら、使用するレンズは同じではないようです

Lee Zavitsさんのテストで使われたレンズは下記の通りになります。

・α7IV + 24-70mm f2.8 GM

・α7S III + 28-75 f2.8 Tamron

 

撮影コーデックはXAVC S-I 10ビット 4:2:2

 

Zavitsさんは先にS-Cinetoneでテストを開始しています。 理由としてはS-Log3の場合、2機種間のデュアルネイティブISOが離れすぎているというものでした。 

 

S-Log3 撮影時のデュアルネイティブ ISO

α7S III  640 & 12800

α7IV    800 & 3200

この場合、2番目のネイティブISOは3200と12800

S-Cinetone 撮影時のデュアルネイティブISO

α7S III  100 & 2000

α7IV    125 & ??? (この部分は想像ですが、4倍でISO 500〜640あたりが妥当だと思われます)

この場合、2番目のネイティブISOの差は640(想定)と2000

以下、スクリーンショットを数点貼り付けますが、両者の差は殆どわからないかと思います。

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S-Cinetoneで撮影 ISO 6400

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S-Cinetoneで撮影 ISO 12800

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こちらもS-Cinetoneで撮影 ISO 12800

Zavitsさんは両機種共に2番目のネイティブISOを使用した場合の画質比較をしていますが、こちらもほぼ互角とのことです。(α7S IIIの露出を調整するため、シャッタースピードを上げているとのことです)

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S-LOG3の2番目のネイティブISO同士の比較 α7IV ISO 3200 VS α7S III ISO 12800

Zavitsさんいわく

α7S IIIの2番目のネイティブISOが高いため、必然的にさらに高いISOでの比較となるとα7S IIIが俄然有利となりうる。 しかし、ISO 20000までは両機種共にノイズレベルは大体一緒であり、ノイズリダクションをかけた場合、α7IVのダウンサンプリングされた4Kの方がむしろ高精細に見えた。

とのことでした。更にこう続けます。

α7S IIIを逆にISO 3200(S-Log3)で使用した場合はノイズが多すぎて使えないことの方が多い。

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S-LOG3を使った比較、両機種共にISO 3200 α7S IIIの方がノイズが乗っている (要動画で確認)

つまり、ISO 20000までの暗所性能を比較すると、平均的にノイズが少ないのはむしろα7IVになるという結論になります。

α7S IIIが威力を発揮するのはISO 12800以降、の超高感度撮影時になるということでしょう。

以下のテスト写真は全てS-Cinetoneでの比較になります。

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両機種共にS-Cinetoneで撮影、ISO 3200

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両機種共にS-Cinetoneで撮影、ISO 12800

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両機種共にS-Cinetoneで撮影、ISO 12800

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両機種共にS-Cinetoneで撮影の場合、ISO 20000まではほぼ互角

デュアルネイティブISOに差がある関係でS-Cinetoneの比較が殆どになってしまったが、S-Cinetoneで撮影する場合はISO 20000まではほぼ互角であり、むしろα7IVの方が高精細な映像となっている。 ただし、S-Log3で撮影する場合はα7S IIIの2番目のネイティブISOが12800になることから、α7S IIIの方が確実にノイズの少ない映像になるであろう。 また、補足になってしまうが、暗所でのオートフォーカス性能はα7IVの方が若干優れていて、瞳を検出するスピードがα7S IIIよりも早かった。

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暗所でのオートフォーカスはα7IVの方が若干優秀 (瞳を先に認識する模様)

Zavitsさんの暗所性能テストの結果をまとめますと、

  • 両機種共に暗所性能は他社製品と比較して突出して優れている
  • S-Cinetoneや使用するピクチャープロファイルによっては、両機種共にISO 20000くらいまでは使用に値する画質を保持する(甲乙つけ難いため、マルチカメラ撮影時に併用も可能)
  • 上記の場合、ISO 12800くらいから両機種共にノイズは発生するが、α7IVの画質の方がダウンサンプルの影響で高精細
  • 全てのピクチャープロファイルでISO 20000以上になった場合はα7S IIIの方がノイズの少ない映像になる
  • S-Log3での撮影時にはα7S IIIが圧倒的に暗所性能は有利になる(2番目のネイティブISOが高いため)
  • 暗所撮影時のオートフォーカスは両機種共に優秀だが、α7IVの方が僅かにα7S IIIよりも優れている

ノイズテスト・番外編(CVPによるR6とα7IIIとの比較)

せっかくなのでCANONのR6と先代のα7IIIとの比較もご覧いただきたい。

ISOを上げるにつれてα7IVの方が他の2機種よりも優れた画質を保っていることが見てとれる。 この中ではα7IIIが一番ノイズの多い映像となっている。 R6はかなり健闘している方ではあるが、α7IVが一番優れていることが判明した

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先代のα7IIIとのISO別のテスト、ISO 6400 (スキントーンが明らかに違いますね)

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先代のα7IIIとのISO別のテスト、ISO 12800

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先代のα7IIIとのISO別のテスト、ISO 25600

 

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Canon R6との比較、ISO 6400 (Canonカラーはやはり良いですね)

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Canon R6との比較、ISO 12800

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Canon R6との比較、ISO 25600

ローリングシャッターに関して

SONYは近年、読み取りスピードがとても速いセンサーを開発することでローリングシャッターの軽減を実現してきた。 今回の33メガピクセルのα7IVのセンサーがローリングシャッター減少をどこまで抑えられるのか興味深いところであった。

この項目でも比較対象はα7S IIIとなる。このカメラは読み取りスピードの速さが驚異的で、ミラーレスカメラのローリングシャッター減少を比較する際のスタンダードな比較対象となっている。

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α7S IIIの4K / 120Pでのローリングシャッター ブレードがほとんど歪んでいない

今回、送風機の回転するブレードをしっかりと描写できるか、というテストを行ったが、α7IVのセンサーはブレードの回転の速さに追いつけていないことがわかると思う。 (比較対象が悪いが)一方、α7S IIIは歪みのない、くっきりとしたブレードの形状を捉えきれていることが見てとれる。 実は、α7IIIとも比較してみたのだが、先代のα7IIIの方が歪みは少なかった。 これには少し驚いた。 SONYが最近発表していた多くのフルフレームセンサーの読み取り速度が速かったこと、そしてα7IVのセンサーが新開発のセンサーであることを考慮すると、もう少し良い結果を期待していた。

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α7IV 4K / 25Pでのローリングシャッター (フルフレーム領域を使用して撮影)

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α7IV 4K / 50Pでのローリングシャッター (センサークロップした場合の読み取りは若干早い)

この、ローリングシャッターの問題ですが、今のところ60Pのクロップモードでの読み取りスピードがフルフレーム領域での読み取りスピードより早いことから、ローリングシャッターが気になる時はクロップモードの活用をした方が良いとの考えが一般的なようです。

Dpreviewによりますと60Pにした時のクロップセンサー領域の読み取りスピードは12.8ms(ミリ秒)となっています。比較した場合ですが。

  • α7IVでフルフレーム読み取り時 : 26.5ms 
  • α7IVでS35(クロップ)領域での読み取り時 : 12.8ms
  • α7S IIIの読み取りスピード : 8.7ms

となります。 α7S IIIの読み取りスピードが異常に早いですね。 これはあえて12メガピクセルのセンサーを採用した恩恵だと言えるでしょう。

ただし、ローリングシャッターによる歪みの問題を語る場合、世に存在するミラーレスカメラの多くがこの現象を改善できてなく、それにも関わらず、たくさんのクリエイターたちがこの問題を回避しながら作品を撮っていることを加味すると、深刻な問題ではないのかもしれない。 はっきりと言えることは、α7IVで動画を撮る場合、激しく動く被写体を避けるべきで、カメラ自体を左右に早く動かした場合には垂直に存在するものが斜めに描写されてしまうと言うことだ。

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ローリングシャッターの歪みは、33メガピクセルセンサーにした代償ということですね

エイリアス (モアレ)に関して

α7IVを使って細かいチャートを撮影した場合、映像(写真参照)をみてお分かりのとおり、モアレ現象が発生する事が見てとれる。 モアレ現象が一番少なかったのが4K/30Pでの撮影の時であった。 HD 1080Pでの撮影時はモアレ現象がより顕著に見てとれる。

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CVPではモアレのテストもしています

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4K/25P、フルフレーム領域を活用した場合が一番モアレは少ないようです

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4K / 50P クロップモード撮影時のモアレ

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HD撮影の時はモアレがかなり顕著になります

動画撮影機能各種

α7IVを使用した動画撮影の機能を掘り下げていくと、まず最初にα7IIIの時にはなかったバラエティに富んだ撮影コーデックが利用可能となっている。 

XAVC HS 4K、XAVC S 4K、XAVC S HD、XAVC S-I 4K、XAVC S-I HDのどれかを選択可能だ。 これはα7S IIIで記録可能なコーデックとほぼ一緒である。 これらの機能が下位機種にも引き継がれることは歓迎されるべきである。

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バラエティに富んだ撮影コーデック (注:メニューの写真は英語表記になります)

これらの撮影コーデックを簡単に説明いたしますと、下記のようになります。

 

  • XAVC HS (h.265)

SDカードへの撮影可能時間が一番長い編集時の再生が一番難しい

SDカードへの撮影可能時間が程良い(三つのモードの中間)、編集時の再生難易度も中間

  • XAVC S-I (イントラフレーム)

SDカードへの撮影可能時間が一番短い編集時の再生難易度的には一番再生しやすい

 

補足いたしますと、SDカードへの撮影可能時間はどれだけ映像を効率的に圧縮するかで決まります。

 

映像の圧縮の仕方が大まかに三つありまして(もちろん本当はもっとたくさんありますが…) 

 

全てのフレームをしっかり記録しないで圧縮して記録するh.264という方式は汎用性の高い圧縮方式でMPEG-4とも呼ばれます。h.265という方式は圧縮効率が抜群に良い方式です。

 

対してイントラフレームというのは全てのフレームを記録するという、効率は一番悪いけれども、波や木の葉のような細かい表現には一番描写力が優れているという特徴があります。(更に詳しく知りたい方は下記のリンクへどうぞ)

※更に追加で補足いたしますと、再生難易度というのは相対的な比較でありますが、最近のM1チップを搭載したApple社のコンピュータならば、全てのコーデックを問題なく再生、編集可能となっています。(僕はM1 Mackbook Airでサクサクと編集しています)

 

ダウンサンプリングされた映像

CVPでは続けて、7K相当のピクセル情報を読み取り、最終的にそれより小さい4Kの画質に縮小して落とし込むことでα7IVの画質が高精細になると結論つけています。比較した場合ですが、α7S IIIはRAW記録の時に4.2Kとなっていますので、ほとんど等倍のイメージを4Kにしています。

 

α7IVは4K/30Pをセンサー幅全てを活用して撮影可能である。 そして、この場合おおよそ7Kの情報をダウンサンプルして4Kに落とし込んでいる。 また、その情報は10ビット 422の色情報を保持して記録される。

ダウンサンプリングのプロセスにおいて、高画質の映像を生み出すことに成功している。ノイズの粒子は細かくなり目立たなくなる。また7Kで行われる精細なディティール描写を4K内に収めることが可能となる。

※4Kよりも高解像度なセンサー(例えば今回のα7IVの7K)を使用して4K動画を撮影する際にはセンサーの4K表示領域のみで撮影するクロッピング解像度を間引きして読み取るラインスキッピング複数ピクセルの集合体が読み取った数値を1ピクセルと大雑把に計算して読み取るピクセルビニングなどがありますが、ダウンサンプリングは一旦センサーの全てのピクセル情報を読み出し、高度な技術を用いてスケーリング(縮小)させるため、より高精細な映像になると認識されています。その代償として、プロセッサーにかかる負担が大きく、カメラがオーバーヒートしてしまう大きな原因とも言われています。

 

10ビットの色彩情報

4:2:2によるクロマ サブサンプリングと10ビットでの記録は撮影された動画のグレーディングをする時に、特にS-LOGで撮影するときに威力を最大限に発揮する。8ビット4:0:0の映像をグレーディングした場合に顕著になるバンディングのような現象は殆ど見られない。

バンディングという現象は単純に細かいグラデーション(階調)を表現するための色が足りない場合に縞々模様のようになってしまう現象です。8ビットで表現できる色の数が1677万色で10ビットで表現できる色の数が10億7374万色になります。

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一番左が8ビット処理でバンディングが出た場合の例、ここでは24ビットとの比較になるが、10ビットでもかなり改善は可能

先代のα7IIIは8ビット記録にしか対応していなかったので、今回、α7IVがα7S IIIやα1と同様に10ビットで記録できるようになったということは、一番特筆するべき部分なのかもしれません。

60P撮影時のセンサークロップ

ただし、4K/60Pでの記録に切り替えた場合はセンサーサイズをクロップして読み取るため、スーパー35mmのサイズでの記録となる。 この場合もダウンサンプルされた映像になるが4.8Kからのダウンサンプルとなる。クロップされた映像としては十分に高画質であると言えよう。

※センサークロップをすることで、読み取る画素数を限定し(7K→4.6K)、プロセッサー処理の負担を軽減することで、より多くのフレームを読み取る方式にしたのだと判断しています。つまり、Sonyとしてはラインスキッピングやピクセルビニングをしてでもフルフレームで60Pを実現するよりも、理論上、より高画質であるダウンサンプリング方式での撮影を優先したということでしょう。一説では、フルフレームで60P撮影の実現も不可能ではなかったが、α7S IIIの売り上げを維持するためとも言われていますが、実際のところはわかりません。

ピクチャープロファイル

FX3と一緒でα7IVは11種類のピクチャープロファイルを用意している。(α7S IIIはファームアップで11種類)Sonyのαラインのミラーレスカメラではお馴染みのS-Log2、S-Log3のようなLogプロファイルや、各種HLGオプション、それだけではなく、S-Cinetoneも標準で用意している。S-CinetoneはSonyのハイエンド シネマカメラであるVENICEに搭載されたS709というプロファイルの模倣であり、よりシネマチックな色彩と諧調表現を実現できるとされている。

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S-Log3のピクチャプロファイルを含めた、全11種類のピクチャプロファイル搭載

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α7S IIIやFX3でも好評のS-Cinetoneのピクチャプロファイルも使用可能
(写真はFX3でのS-Cinetoneで撮影した映像から抜粋)

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S-CInetoneはSonyの最高峰シネマカメラ、VENICEのカラーサイエンスを継承

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より厳密にはVENICEのS709と呼ばれるプロファイルを模倣している
(写真はVENICEのS709プロファイルを使用して撮影した動画から抜粋されたもの)

S-Log2とS-Log3のベースISOはα7S IIIでは640であったが、α7IVでは800となっている。

S-Cinetone撮影時のベースISOは125となる。

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前述しましたが、α7IVのS-Log2 &3使用時のネイティブISOは800

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これも重複しますが、α7S IIIのS-Log撮影時のネイティブISOは 640

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繰り返しになりますが、α7IVのS-Cinetone使用時のネイティブISOは125

S & Q モード

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メニュー内のS&Qモード(メニュー画面は英語表記になっています)

他のαラインのカメラ同様にスロー & クイックモードが装備されている。このモードを使うことで1フレーム/秒から最大フレームレートまで柔軟にスピードを設定可能である。(4Kの場合は60PでHDの場合は120)

Sonyは今回、α7IVのスローモーション性能を抑えめにしている。120Pで撮影した場合はHDの解像度での撮影のみとなる。 また、前述したように60Pでの4K撮影をする場合はセンサー読み取り領域をスーパー35mmにクロップして行うことになる。

Sonyの取ったこの選択(スローモーション機能の限定)に多くの人は失望したようだが、α7S IIIやα1との価格差を考えた場合、このような機能を上位機種のためにとっておくという決断は致し方ないかもしれない。 α7S IIIと120P撮影時の映像のスムーズさを比較した場合、α7S IIIの方がスムーズなスローモション描写となっている。 とは言ってもα7IVのスローモーション機能もバジェットが制限された制作環境では十分に威力を発揮するだろう。

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Sonyの公式ページより抜粋

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α7IVの120P撮影はHDに限定 (写真は100P動画から抜粋)

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4K / 120Pが撮影したければ、Sonyだとα7S IIIかα1という選択肢になりそう

メニューシステム

α7IIIに比べてメニューシステムは大幅に改善された。 これはα7S IIIやα1と同じメニューシステムであり、格段にメニューのナビゲーションがしやすくなっている。

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格段にナビゲーションしやすくなったメニューはタッチスクリーンにも対応

α7IVだけに追加された機能

ブリージング補正機能

レンズブリージングとは、ピントを調整する際に画角が一定範囲内で変化する様子のことを指す。 この現象は静止画撮影用レンズを使用して動画を撮影する際によく指摘される現象となる。動画撮影用に設計されたシネマレンズはブリージングを最小限に抑える設計になっているが、αラインのミラーレスカメラを使うユーザーの大半は動画もSonyのEマウント静止画撮影用レンズを使うと想定される。そう考えた場合、この機能はブリージング現象が気になる全てのユーザーにとって素晴らしい機能だと言える。

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ブリージング補正OFFの時の画角 (使用レンズは16-35 f2.8 GM)

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ブリージング補正ONの時の画角
(敢えて最初からクロップインすることで微調整可能な画面領域のバッファを設けている)

この機能は現状では限られたSony製のEマウントレンズにしか対応していない。 理由としては、おそらく、Sonyが自社製レンズの特徴をプログラムして入力しているためだと思われる。 また、ブリージング補正機能がオンの状態の時は画角が若干クロップされる。 この機能が使えるレンズかどうかを判断するには、メニューでブリージング補正機能の項目がグレイアウトしているかどうかで確認できる。 

対応しているSonyレンズのリストはこちら

我々が所有しているE-マウントレンズを使用してテストをしてみた。 映像の中ではSony Gマスター 16-35 f2.8でのテストを紹介している。このレンズのブリージングは(特に35mm付近で)かなり大きいことが知られているが、映像で(ブリージング補正機能使用時の)クロップの度合いを確認してほしい。 クロップはされているが、ブリージング現象も無くなったことも確認できる。 たくさんのSonyのEマウントレンズ(静止画用)でブリージング現象が確認できることから、この機能は重宝されると思われる。

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ルフレーム対応Gマスターレンズはブリージング現象が起こりやすいことで有名
(写真はSony Gマスター 16-35 f2.8)

下のYoutube映像ではブリージング時のクロップファクターに言及しています。

このYoutuber、content on contentは16-35mm Gマスターレンズを使用して24mmの焦点距離で撮影した場合のクロップをブリージング機能とアクティブ手ぶれ補正の両方をオンにした場合にどれくらいのクロップになるのかがわかります。

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:ブリージング補正 OFF、Active手ぶれ補正OFF
ブリージング補正 ON、Active手ぶれ補正OFF

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条件、上と同じ(右と左の画角をクロップで調整)クロップファクターは1.04程度だと判明

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:ブリージング補正 OFF、Active手ぶれ補正OFF
ブリージング補正 ONActive手ぶれ補正ON

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条件、上と同じ(右と左の画角をクロップで調整)クロップファクターは1.13程度だと判明

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:ブリージング補正 OFF、Active手ぶれ補正OFF
ブリージング補正 ON、Active手ぶれ補正ON

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条件、上と同じ(右と左の画角をクロップで調整)クロップファクターは1.19程度だと判明

究極のクロップ

アクティブ手ぶれ補正とブリージング補正をONにした状態で1.19程度のクロップファクターがあり、更にS35のクロップモードで撮影した場合はそこに1.5倍のクロップファクターが追加されることになるわけなので、4K / 60P、アクティブ手ぶれ補正ON、ブリージング補正ONの場合のクロップファクターは1.785になる模様です。(この例はあくまでSony Gマスター 16-35 f2.8を使用した場合です)マイクロフォーサーズセンサーのクロップファクターが約2倍になりますので、マイクロフォーサーズに近い画角になります。

フォーカスマップ機能

もう一つ、α7IVにのみ授けられた機能がフォーカスマップ機能である。これはマニュアルフォーカス時にフォーカスの精度を上げるために用意されたもので、露光を測る時に使用するフォルスカラーモードに似ている。(フォルスカラーモードはαシリーズには非搭載)

この機能は長年に渡ってSonyのセンサーとカメラに施された機能の一部を活用しているように見える。(α7S IIIやα1にも搭載可能かもしれない?)

青色で表示された部分はフォーカスが合っている部分より遠景の部分を、赤色で表示された部分はフォーカスが合っている部分より近景の部分を示している。 とても興味深いアイディアであり、機能ではあるが、更なる改善が必要だと感じている。 現行ではONとOFFのモードしか選べないため、時に被写体が色かぶりして何が映っているのか判断できなく、しっかりしたフレーミングがしにくい。 可能ならば、色の表示はそのままでも、表示される色の透明度を設定で変えられると便利になると思うし、実用的になったと言えるのではないか。

ここでも content on contentがフォーカスピーキングとの比較をしていますので、ご紹介します。

 

フォーカスピーキングとの比較

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フォーカスピーキングでは、フォーカスの合っている部分が任意の色(ここでは赤)
で強調されることでフォーカス合わせを補助する

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上の写真では近景の鳥の置き物にフォーカスが合っていることがわかる

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F値を絞って椅子と鳥の置き物両方にフォーカスが合っている様子

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フォーカスマップを使用した場合、フォーカスの合っている部分は色が付かない

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フォーカスの合っているポイントより近景が赤、遠景が青で色塗りされる

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椅子と鳥の置き物両方にフォーカスが合っている?状態
確かにCVPの主張であるフレーミングしにくい、というのは理解できる

オートフォーカス システム

α7IVのオートフォーカスはα7SIIIより優れていると感じる。 α7S IIIが一年以上前に発売されたことを考慮すれば、それは当然のことかもしれない。α7IVはハイブリッド フォーカスシステムを採用し、759個の位相差フォーカスポイントを有する。これらは94パーセントのフレームをカバーすることになる。α7S III同様、人間の瞳にフォーカスを合わせることも可能で、更には動物の目にもフォーカスが追従するようになった。

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オートフォーカス性能はα7S IIIより上とのこと

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α7S IIIユーザーとしては悔しいのですが…

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α7S IIIのオートフォーカスで必要十分以上のクオリティなので、まあそこはね…

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オートフォーカス時のフォーカススピードも調整可能

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オートフォーカス時のフォーカスの乗り移り感度も調整可能

動物や鳥の瞳フォーカスへの対応はペットの動画を撮りたい人には嬉しいニュースかもしれませんね。

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イメージスタビライゼーション

α7IVのボディ内手ぶれ補正機能は先代のα7IIIに比べて格段に進歩した。 これも他のたくさんの機能同様にα7S IIIと同じシステムを採用している。 (Sonyによると)5.5ストップ分の手ぶれ補正を実現するとしている。 メニュー内の手ぶれ補正の選択肢はスタンダードとアクディブ、そしてなしの3種類になる。 スタンダードはSonyが初期に導入した手ぶれ補正の機構(主に静止画撮影用)を採用しており、アクディブモードは動画の手持ち撮影時に効果が出やすいアルゴリズムとなっている。 アクティブモードを使用した場合、フレームの12.5%程を電子的にクロップする。 クロップされた部分を利用して手振れの補正を行う方式である。

(実際の動画の16:15秒くらいからをご覧になって効果の程をご確認ください)

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アクティブ手ぶれ補正がOFFの状態

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アクティブ手ぶれ補正がONになると画面が1.1倍ほどクロップされる

手ぶれ補正に関しましては、後でお伝えするジャイロスコピックデータを活用したCatalyst Browseの項目も併せてご参照ください。

インターバル撮影

α1同様にα7IVはインターバル撮影に対応している。α7IVの高画素センサーを利用したタイムラプス撮影は、動画撮影をする上での有効なオプションとなるだろう。 FX3、FX6、FX9といったシネマラインのカメラを所有しているユーザーにとってクオリティの高い静止画も撮影できるBカメラとしてのα7IV購入という選択肢もあり得るだろう。

他に言及しておいた方が良い動画機能

これまでのSonyのミラーレスカメラから受け継がれるその他の機能に簡単に触れよう。まずはゼブラ機能を標準で装備している。 これは、露出決定の判断を下す上でとても便利なツールである。 またプロキシ撮影の機能も備えている。 プロキシ撮影の画質のクオリティはどのようなフォーマットやコーデックで撮影するかによって変化する。また、ガンマアシスト機能を使うことで、Log撮影した場合のフラットな画像を簡易でRec 709の色領域に変換表示可能である。

ゼブラ機能

ゼブラとは動物のシマウマの事ですが、αシリーズのカメラでゼブラを設定すると露出オーバーの時に縞々の模様が表示されます。また、カスタムでのゼブラ設定で、中間グレーの41%やスキントーン(S-LOGでは少し露出オーバーで51%くらい)を設定できます。

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ゼブラ機能は露出オーバーの時のみでなく、スキントーンの露光も確認できる便利な機能

下の写真はSony CINEの公式サイトからで、Zebraのカスタム設定の有効活用の仕方を紹介しています。(英文になります)

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ゼブラをカスタム設定して51%にする事で肌色の露光を適切に調節している模様

プロキシ撮影

プロキシ撮影は、主に簡易編集と確認用に画質は少々劣ってもサイズ小さくて再生しやすいファイルが欲しい場合に高画質ファイルと共に映像データを記録することです。 この撮影ができる事自体、α7IVが映像撮影者向けに機能を寄せてきていることがわかります。

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プロキシ撮影は個人的にはしないのですが、必要な人にはありがたい機能

ガンマアシスト機能

ガンマアシストはS-Logで撮影した(グレーディング前の)フラットな映像を通常のTVなどに映し出すための色領域に変換して、グレーディング後の目安を教えてくれる便利な機能です。

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ガンマアシスト無し(左)とガンマアシスト有り(右)

LOG撮影やLUTに関しての下の記事も併せてどうぞ。

www.cinemagear.jp

オーバーヒートの実情

今回、α7IVを使用中に何度かカメラがオーバーヒートした事にも触れておこう。この時はHDMI経由で外部記録をしていた。 理由としては単純に自動電源OFFの設定を「高」にしていなかったからである。

オーバーヒートの問題をできるだけ回避したければ、必ず自動電源OFF温度の設定を「高」にしておくことをお勧めする。

Sonyオフィシャルの自動電源OFF温度に関してはこちら

さて、とりあえずα7IVが動画撮影中にオーバーヒートするということは、購入を検討している人たちの耳には既に届いていると思います。 これに関しましては、関係する映像を一度まとめて記事にすると思いますが、ここでは、一通りのレポートを見て自分が探り当てた事実のみをお伝えしようと思います。

上の動画をアップしたJason MorrisさんはSony製品をこよなく愛し、FX6、FX3、α7S IIIを所有していましたが、今回、α7IVを購入するにあたり、α7S IIIを売却したとのことです。

そんなMorrisさんはα7IVをコマーシャル撮影で使用し、その感想を上の動画で伝えていますが、オーバーヒートは一度も経験しなかったそうです。その理由として、バッテリーを外部のVマウントバッテリーから給電したからだと伝えています。 ただし、オーバーヒートが起こりやすい50Pや60Pでの撮影をメインにしていなかった模様なので、外部からの給電のみがオーバーヒート問題を解決すると結論づけるのは時期尚早かもしれません。

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Morrisさんはα7IVの電源をVマウントバッテリーから供給している

上の二つの動画は先述のcontent on contentChris Brockhurstさんのコラボで、前者はXAVC-S-I記録時のオーバーヒート状況を、後者はXAVC-S記録時のオーバーヒート状況をそれぞれコントロールされた環境下でテストしています。 Chrisさんはカナダとアメリカのストアから一台ずつ購入したので、バッチによる機種固有の問題をできるだけ排除したと言っています。(別記事で書くかもしれません)

 

  • α7IVがオーバーヒートする主な理由として、ダウンサンプリング時にプロセッサーに負荷がかかるため
  • 4K / 24P & 30Pまでのフルフレームでの撮影は液晶スクリーンをしまわずに、開いた状態で撮影すれば、ほぼオーバーヒートの心配はない 
  • 4K / 24P & 30Pまでのフルフレームでの撮影は液晶スクリーンを閉じた状態で撮影した場合は、50分ほどでオーバーヒートする

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スクリーンを開いて撮影すればオーバーヒートは避けられるかもしれない

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スクリーンを閉じての撮影の場合、オーバーヒートのリスクが倍増する
  • 4K / 60Pでのクロップモードでの撮影が一番オーバーヒートが起こりやすく、それでもスクリーンを開いた状態で撮影した場合は1時間以上撮影できることを確認
  • 4K / 60Pでのクロップモードで撮影した場合でもスクリーンを閉じた状態で撮影した場合は30分ほどでオーバーヒートする
  • 純正のバッテリーを使わなかった場合は4K / 60Pでスクリーンを開いた状態でも1時間弱でオーバーヒートする(つまり、純正バッテリーを使うということは重要なようです)

追記: DVXUSER.comの中でSony製品の技術的な事に詳しいChris Youngさんから4K / 50P クロップモードでの撮影を3時間20分行ったけれどオーバーヒートしなかったとの報告があります。 Youngさんの場合も先述のMorrisさん同様、外部バッテリーからUSB-C経由で給電していたとのことで、外部バッテリー使用&液晶スクリーンを開いて撮影することがオーバーヒートを避ける上で一番重要な要素となり得ると感じます。

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DVXUSER. COMでのChris Youngさんの投稿

シンクロスキャン (高分解シャッター)

Sonyオフィシャルの高分解シャッターに関してはこちら

α7IVはシンクロスキャンモードも搭載している。この機能はシャッタースピード(というかシャッター開角度)を微調整することでフリッカーを無くす、あるいは最低限のレベルまで抑えるということが可能となる。(α7S IIIには搭載されていません)

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フリッカー軽減のためのこの機能、α7S IIIよりも動画に特化した機能を搭載するとは…

写真機能とネットワーキング機能

充実していますが、紹介は割愛します。

 

その他

・α7S IIIと一緒でデジタルマルチインターフェイス端子を搭載

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ホットシュー部分はマルチインターフェイスになっている

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マイクで拾った音声をデジタル信号のまま、カメラに伝えることも可能

・3インチ、1.01メガドットのバリアングル液晶モニタ

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液晶モニタの解像度に関してはα7S IIIよりも抑え気味になっている

・バッテリーもα7S IIIと一緒のNP-FZ100を使用

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オーバーヒートの抑制に繋がるので、バッテリーは純正を使いましょう

・ボディのクーリング機構はα7IIIと比べて大幅に改善されている

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ボディがクーリングしやすいとは言っても、オーバーヒートはする模様ですが…

・OLED QVGAビューファインダーは3.69メガドットになっており、α7IIIよりは改善したがα7S IIIやα1のものより解像度は粗い

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こういう部分で経費を削っているのでしょう

・カードスロットはデュアルスロットになっているが、一つはSDカード専用になる。もう一つはマルチカードスロットになっており、SDカードに加えCFexpress Type Aカードを挿入可能となっている

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CFexpress Type Aカードがなくても動画撮影の全てのモードを記録可能ではある

・フルサイズ HDMIポートを装備している (HDMI端子経由のRAW記録は現時点でサポートされていない)

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ここからRAW信号がいずれ出力できるようになるのか?

・3.5mm ヘッドホンジャックとマイク入力端子装備

・USB-C端子とマルチ マイクロUSB 端子を装備

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横からの姿はα7S IIIそっくり

CVPの総合的なα7IV評

α7IVをSonyのαラインのミラーレスカメラの中で位置付けた場合、(静止画と動画の両方に対応した)ハイブリッドカメラとの見方もできれば、動画カメラとしてみることも可能だ。

ハイブリッドカメラとして見た場合はライバルはPanasonic S5 や Canon R6になるであろう。 それらのカメラと比較した場合、値段は他の2機種よりかなり高めの設定となっている。 センサー解像度はα7IVに若干劣っているがPanasonic S5の動画機としての性能の良さは見落とすことはできない。S5はオートフォーカス機能が(SonyCanonに比べて)未開発で選択できるレンズの豊富さがまだ足りない。 Canon R6は静止画カメラとしてはとても素晴らしいのだが、動画機としては物足りない部分が多々ある。

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Panasonic S5は価格的にも魅力的

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Canon R6はオーバーヒートさえしなければ…

参考に価格を比較しますと(2022年1月4日時点で)

Canon R6 : 価格コムでの最安値が296,784円

Panasonic S5 : 同サイトで216,810円

Sony α7IV : 同サイトで296,010円

となっています。

α7IVを動画機として評価した場合、動画に特化した機能がもう少し足されるべきだと感じる。 例えばシャッターアングルの設定、フォルスカラーの表示、アナモフィックレンズに対応したスクイーズ機能などが足りない。

ただし、(動画の)オートフォーカスに限って言及するなら、この世に存在するカメラの中でも一番良い部類に入る。 またダウンサンプルされた4K映像はとても精細だ。 また、動画に特化した新機能(ブリージング補正やフォーカスマップ機能)も付け加えていてSonyの野心をうかがうことができる。 この金額で適正か? と問われれば撮影する動画にもよるが、他にも素晴らしい機種がマーケットには溢れていると感じる。

これに関しては、CVPは他のカメラも売らなければいけないので厳しめにコメントしてますが、フォルスカラーとアナモフィックレンズ対応に関しては、確かにS5やGH5には搭載されてますね。 シンクロスキャン搭載のカメラも多いPanasonicオートフォーカス以外は本当に素晴らしいのですけど…

素晴らしいオーフォフォーカス性能を装備し、フルフレームで美しいイントラフレームの4:2:2 10ビット 4K映像が撮影できるという条件でカメラを探している人にとっては、金額的にもお求めやすくピッタリなカメラであると言えよう。

 

筆者の感想

ではここまで書いてきた筆者の僕からも総評を述べたいと思います。

 

まずはじめに、本文中でひっきりなしに比較対象として持ち出されたα7S IIIを僕は所有しているわけですが、こうやってまとめを書いた結論としてα7IVをすごく欲しいと思っています。

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筆者のメインカメラとして活躍中のα7S III

α7IVは価格的にα7S IIIよりも10万円ほど安いために、α7S IIIの下位機種的な扱いをしがちですが、僕の意見はそうではなく、α7S IIIの並行に位置する機種だと感じます。

 

α7S IIIの持つ全ての能力をトータルで100と仮定して(感覚的には動画機能80で静止画機能20)、その内の写真機能に割り振られる部分を増やした場合、必然的に動画機能を削らなければいけなくなると思うのですが、α7IVはα7S IIIと全く同じトータル100の能力を持ちながら、静止画機能を強化したカメラだと思います。(感覚的には動画、静止画共に50ずつ)動画機能を削った結果というよりかは、単純にセンサーの高画素化を図った結果、動画で実現できない機能が出てきたと考えるべきでしょう。ダウンサンプルされたフルフレーム60P撮影ができないことやオーバーヒートの問題が良い例ですが、これらはセンサー画素数と信号を処理するエンジンの折り合いの問題であり、動画機能で妥協をしたようにはあまり感じられません。

 

にも関わらず、動画機能に特化したカメラであるα7S IIIよりも優れている部分がたくさんありますのでいくつか挙げますと

  • 7Kからダウンサンプルされた高精細な4K映像
  • S-Log撮影時のISO3200〜ISO10000くらいまでのノイズの少なさ
  • ダイナミックレンジがハーフストップ広い
  • シンクロスキャン (高分解シャッター)を利用したフリッカー軽減機能
  • ブリージング補正できてシネマレンズのような表現も可能
  • 動画撮影時のオートフォーカスがさらに進化
  • 改良すれば使えそうなフォーカスマップ機能
  • クロップモードを使用した場合のAPS-Cレンスの活用(考え用によっては有利)
  • (動画機能ではないけれど)高画素数の静止画が撮影できて、タイムラプス撮影時にも有利

一方、α7S IIIの方が絶対的に優れている部分は下記の点でしょうか

  • 4K / 120Pでの記録が可能
  • ローリングシャッターの歪みが最低限度に抑えられる
  • オーバーヒートの心配がほとんどない
  • 超高感度特性を利用した暗所での撮影に強い
  • 4K / 60Pでの撮影でフルフレーム領域で撮影できる
  • HDMI端子経由のRAW記録に対応
  • CFexpress type Aカードでのデュアルカードスロットでの同時記録可能

ブリージング補正とシンクロスキャン、フォーカスマップ機能に関してはα7S IIIにもファームウェアアップデートで追加される可能性があり、その場合は話がまた変わってくるかもしれません。 また、逆にα7IVもいずれファームウェアアップデートでRAW出力ができるようになるのではないかと、強く疑っています。 もし、このような部分がファームアップで実現した場合、両者の優位性がなくなる、つまり動画撮影機能がとても似通ったものになると考えられます。 

 

付け加えると、α7IVが優位な部分にはダイナミックレンジ、高精細な描写、実用範囲のISO撮影時のノイズの少なさ、とかなり実用的な部分になります。 対して、α7S IIIの優位性である4K/120Pや超高感度暗所特性というのは少し飛び道具的な部分になります。(全て個人の所感です)

 

個人的な話になりますが、今年1年間、α7S IIIを使用して撮影の仕事をかなりこなしました。 その中で4K/120Pは一度しか使用していませんし、超高感度特性を利用した撮影案件もありませんでした。 また、ローリングシャッターに関しても、そこまで激しいカメラの動きというものは(アクション映画の撮影でもない限り)することもないように感じます。 つまり、個人的にはα7IVでも良かったのではないか? と感じるわけです。もちろん、α7S III購入当時に選択肢があったわけではないのですが。

 

つまり、この2機種はお互いの弱点を補完できる、並行に位置した関係ではあるけれど、α7IVがα7S IIIの下位機種であるという上下の関係性ではないと僕は感じています。

 

このカメラがどのような人たちに向いているかと考えた場合ですが、いくつかのパターンが考えられると思います。 

  • α7S IIIを動画撮影用メインカメラとして既に持っていて、高性能のサブカメラを欲しいと思っている層
  • (上と似てますが)FX9、FX6、FX3を持っていて画素数の高い静止画カメラでありながら、同時に動画カメラとしても使えるカメラが欲しい層
  • α7IIIを持っていた or 現在持っているけれど、動画機能に物足りなさを感じていた層
  • α6000シリーズのAPS-Cカメラを使用していて、フルフレームセンサーのカメラが欲しくなった層
  • 本当はα1、Z9、R3のようなフラッグシップカメラが欲しいけれども、予算の関係で動画も静止画も一定のレベルで行える安価な(?)ハイブリッドカメラを探している層
  • Panasonic製のミラーレスカメラ(S5)を使っていて、動画のオートフォーカスに満足できなくなってSonyも試してみたいと思っている層
  • Canon製のミラーレスカメラ(R6)を所有していてダウンサンプルした高精細な4K/30Pをオーバーヒートの心配なく撮影したいと思っている層

α7IVは動画撮影の入門機としても、MVなどを撮影するクリエーターが使うカメラとしても必要十分な機能を搭載しているだけでなく、うまく活用すればハイエンドの仕事にも活かせるだけのポテンシャルを持った素晴らしいカメラであり、価格がエントリーモデルにしては若干高いとの批判を受けていますが、お値段以上の可能性を提供してくれるカメラだと思います。

 

ただし、一点だけ、Sonyに伝えたいことがあります。 30万円もするカメラを売るのならば、バッテリーチャージャーは同梱するべきです。 みなさん、α7IVを買う場合はチャージャーは入ってないので、バッテリーチャージャーも注文することをお忘れなく。(下のリンクのNeewerチャージャーはここで紹介したYoutuber達御用達です)

 

で、僕は注文するのかというと、今検討中でして、買う場合はメルカリでSony 株主優待割引を使用して15%オフ + Sonyカードを利用した3%オフを利用して買うでしょう。(せこいです、はい)

詳しい方法は下記のサイトで紹介してますので、ご興味おありならどうぞ。

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ついでにその1 (Catalyst Browseについて)

Catalyst Browseを使い慣れたマスターがα7IVのジャイロスコピックデータを使った場合、動画撮影時の手ぶれ補正がどれくらい効果的なのか、そして簡単なのかを紹介しています。ジャイロスコピックデータを使った手ぶれ補正に興味のある人は、まず下の動画を一度ご覧ください。 動画をアップしているCatalyst BrowseマスターはMark Bennettさんになります。

Catalyst Browseに関する記事は以前書いてますので、ご参照ください。

Catalyst Browseのダウンロードはこちら

 

1:00秒 くらいからCatalyst Browserでの手ぶれ補正

2:00秒 くらいからSonyのアクティブ手ぶれ補正

3:20秒 くらいから上記二つの手ぶれ補正の比較

 

4:12秒くらいからCatalyst Browseを使用を前提に撮影する際に気をつける点に言及しています。

  1. Catalyst Browseを使用する時はシャッタースピードは1/200に設定、何故ならばCatalyst Browseはモーションブラーの解析が苦手だとのこと
  2. Catalyst Browse使用する場合に解析可能なフレームレートは最大で60Pまでとのこと
  3. 60Pで撮影する場合は4:2:2 10ビット 200Mbpsでの撮影は避けること、何故ならば無料版Catalyst Browseではなく有料版のCatalyst Prepareを使用しなければいけなくなるとのこと
  4. レンズ側の手ぶれ補正は全てOFFにすること
  5. α7IVやα7Cではアクティブ手ぶれ補正がONの状態でもジャイロスコピックデータは記録されるが、最終的に手ぶれ補正加工時にクロップすることを考えた場合、この設定はOFFにしておいた方が良い
  6. つまり、全ての手ぶれ補正をOFFにした方が良い
  7. Catalyst Browseでの補正時にかかる時間は1分の動画に3分ほどかかっているとのこと(コンピュータの性能に左右されます)

 

ついでにその2 アクセサリーについて

アクセサリーに関してですが、沢山のYoutuberたちが「買うまでわからなかったα7IVの真実」的な動画をアップしていて、その中でもアクセサリーがα7S III用のものでは合わないという意見が多かったので言及させてください。 (ちなみに上の動画はSe Parkさんのチャンネルです) 

1) スクリーンプロテクションフィルムのサイズがα7S III用のものでは合わない。スクリーンのサイズがα7IVの方が微妙に小さいらしいので、必ず、α7IV専用のものを買ってくださいとのことです。 α7S III / α7IV兼用のものは買わないようにとのことです。

 

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スクリーンのサイズが微妙に違うため、必ず専用のフィルムを買う必要がある

2) ケージを買う時もα7S III用のケージは入らないことを複数人が証言しています。これはメーカーにもよるのでしょうが、例えばTiltaのα7S III専用ケージはかなりタイトな設計になっているため、入りません。 α7IVの方が幅が若干広いみたいです。当たり前のことですが、α7IV専用のケージを買いましょう。(まだあまり出揃ってないみたいですが)

 

SDカードはどれが買いなのか?

以前、α7S IIIを使用して撮影するときに必要なカードという記事を書きました。

α7S IIIの時には、どのカードを買うべきかが少し複雑でわかりにくかったのですが、α7IVでは至って簡単です。

 

最初に、動画撮影に限って言えばCFexpress Type Aカードを買うメリットは、今のところ考えつきません。(パソコンへの転送速度が早いくらい)

CFexpress Type Aカードを買うメリットがあるとすれば静止画撮影時に連写でのバッファ処理が早くなることでしょうか。予算を抑えたければCFexpress Type Aカードは避けましょう。

 

予算を節約したい人はXAVC HSとXAVC Sだけを使用すると考えた場合、V30のカードで全てのフレームレートをサポートします。

 

V30カードで記録できるコーデック

  • XAVC HSの全てのフレームレート (4K / 60P 10ビット 4:2:2含む)
  • XAVC Sの全てのフレームレート (4K / 60P 10ビット 4:2:2含む)

 

V60のカードはV30のカードと全く同じでXAVC HSとXAVC Sの全てのフレームレートをサポートします。

V60カードで記録できるコーデック

  • XAVC HSの全てのフレームレート (4K / 60P 10ビット 4:2:2含む)
  • XAVC Sの全てのフレームレート (4K / 60P 10ビット 4:2:2含む)

当然、ここで疑問が湧きますね。 V60のカードの方が値段が高いのに全く同じでは高い値段を払って買う意味がないのでは? と考えるはずです。 その考えは合っています。

 

α7IVで撮影用SDカードを購入する場合はV30かV90の二つの選択肢だけで大丈夫です。

 

V90のカードで記録できるコーデックはα7IVで撮影できる全ての動画コーデックとフレームレートになります。

なので、XAVC-S-Iでの撮影がしたい場合はV90のカードが必要となります。

 

SDカードで信頼性が高い会社はSandisk、Angelbird、Prograde、Lexiarの順でしょう。

 

V30のSDカード Sandisk

V30のSDカード Lexar

 

V90のSDカード Prograde

V90のSDカード Angelbird

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