※この記事はα7S IIIのファームウェア アップデートでS-Cinetoneが追加される前に書かれたものです。
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Youtubeチャンネルのextrashotが発表したSony α7S III用のピクチャープロファイルの設定がS-Cinetoneの色合いを実現したということで海外のクリエーター達から注目と称賛を浴びてますので、こちらで紹介したいと思います。
※この設定を試みて気に入った方は是非、extrashotのチャンネル登録をお願いします。
私は6ヶ月ほど前にα7 IIIのピクチャープロファイルを設定し直すことでFX9のS-Cinetoneの色合いを実現できるという動画を作ったが、反響が大きくα7S III用のプロファイルも作ってくれという要望をたくさん受けた。
そのプロファイルが完成したので発表したいと思う。 今回、テストチャート、ベクタースコープ等を駆使してテストを繰り返し行い、たくさんの時間を費やする事になったが、この動画を見ている君たちにとって、そんなことはどうでもいいことだと思う。 「とりあえず、設定をどうするか教えろ」と焦る君たちのためにお小言はここまでで、早速詳細をお伝えしよう。(お小言は続くので目次から設定方法に飛んでください)
目次
FX6とFX9のS-Cinetoneは微妙に色合いが違う
最初に気づいたことだが、FX6とFX9のS-Cinetoneを比較した場合、FX6のスキントーン (肌色の描写)でグリーンが抑え気味に描写されている事がわかった。
私の希望としては、FX6で微妙に変化したS-CinetoneのプロファイルがいずれはFX9でもファームウェア アップデートで実現する事だ。
ただし、この微妙な色合いの違いはS-Cinetoneの設定ではなくFX9の安定しないホワイトバランスのせいかもしれないと思っている。
なぜこの話をするのかというと、α7S IIIのカラープロファイルをここで紹介する「S-Cineton仕様」に変更したとしても、それだけでは不十分なのである。
FX9とα7S IIIのカラーをマッチングする場合に一番重要なのは両機をしっかりと同じホワイトバランスに設定する事であるからだ。
動画では、ホワイトバランスのケルビン値が微妙に変化していて、読者のみなさんの中にはこれくらいは許容範囲と思われる方もいらっしゃると思いますが、カラーマッチングが目的の場合、この微妙な違いもベクトルスコープでしっかり確認できることを理解したいですね。
みなさん、もしFX9とα7S IIIをカラーマッチングさせる場合はFX9側のホワイトバランスが正確であることを確認しましょう。 (α7S IIIのホワイトバランスは驚くほど正確であると動画では述べられています)
アリスターチャップマン(Sonyのプロ用カメラの伝道師のような人)がもう一点、FX9の色彩描写について指摘していることがある。それはFX9をS-Cinetoneの設定で使用した場合、コントラストの強弱が露出の具合によって変化しているということである。 これは色彩と明暗の描写のためにガンマカーブが適用されていると推測できる。
Sonyは何を恐れているのだろう。 α7S IIIにS-Cinetoneを搭載することでFX6の売り上げが落ちることを恐れているのだろうか? それとも開発部門が違う事による政治的な理由だろうか?
私はSonyが公式にα7S IIIにS-Cinetoneを搭載する可能性があると思っている。技術的に不可能でなく、実際はとても簡単だと思う。FX6とα7S IIIは同じセンサーとプロセッサーを共有しているわけだから。 ただその日が来るまでは、是非ここで私が紹介する設定を使って楽しんでいただきたい。
下に写真を数点貼り付けます。見比べるとS-Cinetone使用時のFX9とα7S IIIの色彩描写がほぼほぼ完璧にマッチングしているのが理解頂けるかと思います。
α7S III用S-Cinetone カラープロファイルの設定方法
- お好きなピクチャープロファイルを選びましょう。(動画ではピクチャープロファイル9にS-Cinetone用の設定を割り当てています)
- ブラックレベルを-10に設定
- ガンマをCine4に設定
- ブラックガンマの範囲を「広」に、そしてレベルを-1に設定
- ニーをマニュアルに設定
- マニュアル設定でポイントを100%に設定、スロープは0に固定
- カラーモードはProに設定
- 彩度は-1に設定
- 色相も-1に設定
- 色の深さの設定は下記写真のとおりに設定
- ディティールを選択し、レベルの設定は-7に
私はこの設定にたどり着くまでたくさんの時間を費やした。でもこの設定をみなさんと共有できることを嬉しく思う。 もしこの動画を見ているあなたがより良い設定を考えついた場合は、是非共有していただきたい。 みんなが一緒になって、よりS-Cinetoneに近い設定を共有することが、Sonyに圧力をかける事になり、いずれS-Cinetoneのプロファイルがα7S IIIに公式に搭載される道筋を作るはずである。 それまでは、この設定を楽しんでいただきたい。 そして気に入った場合は是非、チャンネル登録をお願いしたい。