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先日、ようやくTiltaから発売された冷却ファンの実際の効果を数名のユーザーが体験したようなので、そのコメントを訳してお伝えしました。 できればこちらを先にお読みください。
今回は映像機材の業界でもかなり権威の高いNewsshooter.comが実機を手に入れて詳しい検証をしていますので、簡単に結果のみご紹介します。
目次
- TILTAのクーリングキット、実際の効果のほどは?
- 4K HQ 29.97Pでの連続記録テストの結果
- 8K DCI ALL-I、29.97Pでの連続記録テストの結果
- 8K DCI RAW記録、29.97Pでの連続記録テストの結果 (冷却ファンありの場合のみ)
結果をお伝えする前に、興味深い話をこの記事でしています。 その内容とは、EOS R5がファームウェアアップデートをしたことでオーバーヒート対策を行なった内容に関して、踏み込んで断定的に語っています。
The route cause of the R5’s recording limitations in certain modes was a timer chip that was in the camera that was working independently of the temperature chip. What this new firmware was essentially doing was to tell the camera to ignore the timer and instead listen to the temperature data.
翻訳しますと
R5の一部動画撮影モードにての連続記録可能時間が短かった理由の根源は、プロセッサーの温度を測るチップとは全く関係なく内蔵されたタイマーチップが発動していて記録時間を制限していたからである。 この新しいファームウェアが行なったことはカメラに対してタイマーチップの報告は無視して実際のカメラ内の温度のデータを元に連続記録可能かどうかを判断させるようにしたことである。
ということになります。 サラッと書いてますが、これはかなり重要でEOSHDが再三にわたってタイマーによる制限の存在を示唆していたにもかかわらず、そのことを側から冷笑しながら暗に批判的に受け止めていた一定数の人たちがいたわけで、そのことを考えると今更ながらにEOSHDのAndrewさんがEOS R5発売初期段階から鳴らしていた警笛の正当性を実感いたします。(詳しくは過去のエントリーで書いています)ちなみにこれが有名なキャノンのクリップルハンマーの一例であることは今更説明するまでもありません。
ちなみにちなみに、EOS R5のオーバーヒートビジネスは結構活発なようで、Newsshooter.comではこのようなサービスがあると写真が紹介してありました。
TILTAのクーリングキット、実際の効果のほどは?
(Newsshooter.comでは冷却ファンを回転させるためのバッテリーの電圧別にテストしてますが、ここでは代表的な結果のみ引用いたします)
4K HQ 29.97Pでの連続記録テストの結果
-室内温度 25°Cの環境でテストを実施、オートフォーカスと手ぶれ補正はONにした状態
冷却ファンの設定は高速に設定(高速と低速の選択肢があり、高速だとファンのノイズがある程度聞こえるようです)
冷却ファンなしの場合
温度警告が現れるまで:26分 5秒
連続記録時間:29分22秒
次の記録が可能になるまでの待ち時間:9分3秒
オーバーヒート後、一旦冷却して記録できた時間:3分16秒
冷却ファンありの場合
温度警告が現れるまで:24分 15秒
連続記録時間:29分59秒
次の記録が可能になるまでの待ち時間:2分分18秒
オーバーヒート後、一旦冷却して記録できた時間:8分22秒
テストの中では8Vの電圧でUSB-C経由での給電をした時が一番結果が良かったとし、連続で3〜4回、シャットダウンから回復後に記録を試みたところ、結果としては平均して4分ほどの待ち時間の後に5分から8分ほどの記録が可能になるようです。
8K DCI ALL-I、29.97Pでの連続記録テストの結果
-室内温度 28°Cの環境でテストを実施、オートフォーカスと手ぶれ補正はONにした状態
冷却ファンの設定は高速に設定(高速と低速の選択肢があり、高速だとファンのノイズがある程度聞こえるようです)
冷却ファンなしの場合 (三回連続でテストを実施)
最初の温度警告が現れるまで:16分 25秒
連続記録時間:19分25秒
次の記録が可能になるまでの待ち時間:6分12秒
オーバーヒート後、一旦冷却して記録できた時間:1分12秒
オーバーヒート後に再度記録するときは常に最初から温度警告が表示された状態からの記録スタートになった模様です。その後の撮影可能時間は平均して1分程度のようです。
冷却ファンありの場合
温度警告が現れるまで:16分 7秒
連続記録時間:18分52秒
次の記録が可能になるまでの待ち時間:5分2秒
オーバーヒート後、一旦冷却して記録できた時間:1分12秒
冷却ファンありの場合、二回目以降の待ち時間と次回連続記録可能時間に関してはパフォーマンスが冷却ファンなしよりも向上しますが、あまり一定しない様子です。
ちなみに二回目以降の連続記録時間は7分と3分、待ち時間は4分と6分となっています。
8K DCI RAW記録、29.97Pでの連続記録テストの結果 (冷却ファンありの場合のみ)
特に記されていませんが、室内環境やオートフォーカス、手振れ補正の設定は同じと想定します。
冷却ファンありの場合のみ
(一回目)
温度警告が現れるまで:16分 40秒
連続記録時間:19分33秒
次の記録が可能になるまでの待ち時間:5分30秒
(二回目)
オーバーヒート後撮影再開時には既に温度警告表示状態からスタート
連続記録時間:5分15秒 (そしてオーバーヒート)
次の記録が可能になるまでの待ち時間:7分30秒
(三回目)
オーバーヒート後撮影再開時には既に温度警告表示状態からスタート
連続記録時間:4分47秒 (そしてまたオーバーヒート)
この結果を見ての判断は4K HQ 29.97Pでの撮影に関しては確実に効果がありそうだと思いました。 ただし、8K DCI 29.97での記録結果はファン無しの場合より、二回目以降は少し長く撮影でき、冷却にかかる時間も短縮されてはいるものの、不安定で予測不可能な部分が多く感じます。 8K RAWでの記録に関しては、実際に冷却ファンを使ってない場合の時間との比較はされていませんが、Newsshooter.comのリポートでは二回目以降は確実に冷却ファン付きの方が優れたパフォーマンスを発揮したと書いてますので、そうなのでしょう。
この結果をどう受け止めるかは、あなた次第です。
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