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フルフレーム版 GH5? それともコンパクトなS1H? Panasonic S5の立ち位置は? 気になるオートフォーカスは?

PanasonicのS5が9/2日に発表されました。やはり、最近の傾向としては海外のユーチューバーが事前にレビューを済ましていて、発表と同時にレビューを一斉公開するというのがセオリーになってきました。 今回はEOSHDDpreviewNofilmschoolNewsshooterRedshark、Gerald Undone、Max Yuyevなどのレビューを見ながら各レビューが指摘する気になる点をまとめてみます。 Gerald Undoneさんのレビューだけが読みたい人はメニューから飛んでください。

目次

 

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とてもコンパクトなPanasonic S5(中央)、値段もかなりお手頃なのに機能は満載ですね


 

 EOSHDが考えるビデオグラファー用の機能とライバル機との比較

EOSHDが動画撮影に関する基本的なスペックをまとめています。

 

ハイアマチュアのビデオグラファー達のための機能

  • 4K 10ビット フルフレーム記録
  • デュアルネイティブ ISO センサー
  • 4K 60p も10bit記録可能 (スーパー 35mmのクロップモード)
  • V-LOG / V-Gamut が標準で実装されており、14ストップのダイナミックレンジを実現
  • とてもコンパクトなボディは Sony A7 IIIに匹敵する
  • アナモフィックモードを搭載。レイブビュー画面にアナモフィック撮影時の画面を横伸ばしに補正して表示可能
  • LUTサポートも充実していて、V-LOG撮影時にもV-LOG View Assist機能でLUTを当てた状態の色彩を確認可能
  • フル ウェーブフォームモニターとフォーカスピーキングに対応
  • 5軸手振れ補正による 6.5 ストップ分の補正が可能
  • 新規に設計されたオートフォーカスシステムはセンサーとレンズ間の通信を最大480fpsに増す(静止画撮影時)ことで高速に合焦することが可能N
  • 新設計のAIによる物体認識アルゴリズムを使ったオートフォーカスシステム
  • View Assist付きのハイブリッド LOG ガンマ機能
  • 最大180fpsのスローモーションモード (1080p)
  • 236万画素の  OLED ビューファインダー
  • GH5やα7S IIIに搭載されている様なバリアングル 3.2インチ / 184万画素のLCDスクリーン搭載
  • ボディ単体で税別 24万円

EOSHDが考える(同価格帯)ライバル機との比較での利点

 

Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kとの比較で優れている点

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BMPCC 6Kも比較対象
  • センサーサイズがフルフレームとなり、比べると大分大きい
  • 低い価格設定
  • EFマウントに比べ、ミラーレスなため、マウントアダプターの種類が豊富
  • 5軸胴体内手振れ補正
  • バリアングルで(BMPCC6Kより)明るいLCDスクリーンとEVFでのモニタリング
  • シネマライクな撮影をする時に必要とされるプロフェッショナルな仕様に耐えうるコーデック(10ビット、14ストップ、LOG撮影)という点では引き分け
  • ライブビューモード時のオートフォーカスの性能はS5の方が優れている。
  • ボーナスとしてフルフレームの静止画撮影用カメラとしても使える、しかもマルチショット モードを使えば96メガピクセルの写真も撮れる。

 

Sony A7 IIIとの比較で優れている点

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Youtuberに大人気のSonyの高機能満載ベーシックモデルとの比較
  • 10ビット コーデック
  • デュアルネイティブ ISO
  • 新型のセンサー
  • アナモフィックモードでの撮影
  • 高精細なEVF
  • 優れたカラーサイエンス
  • わかり易いメニューシステム
  • 10ビット 4K 60p記録可能 (スーパー35モード)
  • ウェーブフォームをはじめとした動画撮影に必要な基本的な機能を搭載

 

Canon EOS R6との比較で優れている点

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価格的にこちらも比較対象になりそうです。




  • 動画撮影機としてより実用的である
  • 6Kからのオーバーサンプリングされた4K撮影はオーバーヒート無しで信頼性が抜群
  • デュアルネイティブ ISO
  • アナモフィックモードでの撮影
  • 若干抑えめな価格設定
  • Canonの驚くほどに高額設定されたRF単焦点レンズに比べて、Sigmaから発売されるLマウントレンズ群(85mm F1.4等)は比較的安い価格設定にもかかわらず、高いクオリティを維持している。

Nofilmschoolはこう指摘します

約2倍の値段で販売されているS1Hと比較した場合、動画撮影に関していえば内部記録で6K記録に対応しいていなことを除けばほぼ同等の機能と言える。

 

さらに付け加えれば、※4K録画時にいくつかのモードで30分の撮影時間制限がかかっていることくらいだろうか。(このカメラにはアクティブファンは付いていない)

 

しかしその代わりにボディサイズは飛躍的に小さくなった。(重量は630g)、このサイズ感は(他のS1モデルに比べて)ジンバル撮影時に威力をはっきするだろうし、Panasonicのプレス イメージもジンバルに乗せて撮影されたものが多いことから、(改善されたオートフォーカスも合わせると)ジンバル向けの小型S1Hと呼ぶこともできるのかもしれない。

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そのサイズはGH5よりも小さい

※録画時間制限がかかる撮影モードは以下のとおりです

  • UHD 4:2:0 10ビット記録 /59.94p 30分
  • UHD 4:2:0 8ビット記録/ 59.94p 30分
  • UHD 4:2:2 10ビット / 29.97p 30分
  • アナモフィックモード (3328 x 2496) 4:2:2 10ビット/29.98p 30分

各種記録モード / ビットレートに関してはオフィシャルサイトのスペックをご参照ください。

下の写真は他社のミラーレス機とのサイズ比較です。 EOS R5 、Sony α7III、Nikon Z6と並べてもほとんど同じサイズなのがわかります。

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Neesshooterはこう付け加えます

 

S5はフルフレーム版GH5と言っても過言ではないかもしれない。ただし、S5がGH5の置き換えになるという意味ではない

 

GHシリーズも新機種の投入は予定されている様だ。Panasonicは私にこう伝えてきた。GHシリーズに関しては、私たちは引き続きこのシリーズを継続していく、と

 

Panasonic S1Hの大きな成功に比べると兄弟機であるS1はそこまで成功を収めることができなかった。そう考えると、S5は本来S1があるべき姿をPanasonicが追い求め、一から設計し直したもの、と考えることもできる。

 

Panasonicはたくさんのマーケットリサーチを繰り返すことで、S1シリーズの購入者からのフィードバックを反映させることにしたという。そのフィードバックは下記にまとめられる。

フィードバック: 今まで評価されていた点

  • 動画機能
  • カラーサイエンス
  • 信頼性とクオリティ
  • レンズマウントの互換性
  • レンズのクオリティ
  • アナモフィック撮影モード

フィードバック: 改善が求められていた点

上記の様なフィードバックを基にPanasonicは設計を一かやり直すことにしたみたいです。

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重さの比較 (注:S5はバッテリーとカードを含めた重量)GH5(725g)よりも軽い

オートフォーカスについて

オートフォーカスに関してはDpreviewとMax Yuryevさんのレビューを参考にしてみましょう。 Panasonicは同社のオートフォーカスの評判が悪いことを知っているらしく、MAXさんには敢えてオートフォーカスをメインにしたレビューをしてくれと頼んだそうです。

でも、まずはDpreviewのジョーダンさんのオートフォーカスに関する意見をいくつか並べてみます。(下の動画は再生すると、そのままビデオ機能のレビューから再生されます)

    • 今までのPanasonicルフレーム機のオートフォーカス時の特徴であった、合焦しようとするためにカメラが迷う時に生じるイメージが揺れる(ブレる?)症状は改善している
    • ただし、信頼性のあるオートフォーカスになっているかというと、そこまでのレベルには達していない
    • PanasonicコントラストベースのAFでは、センサーリードアウトのスピードが早ければ早いほど正確になる。(読み出し完了後にリフレッシュすることでオートフォーカスポイントを常に更新することができるため)
    • 結論としては、最高のオートフォーカスパフォーマンスを得たければシャッタースピードを上げて(動画では1/500まで上げています。もちろん、動きの描写が滑らかでなくなることは織り込み済み)、尚且つスーパー35ミリのクロップモード(センサー読み出し面積が小さいため)で60P撮影することが最高のオートフォーカスを実現する条件である

動画追加しました。下の動画はS1HとS5のオートフォーカスの比較です。

シャッタースピード1/500の時のパフォーマンス比較が出ています。

既存のS1シリーズのオーナーの皆様、ご安心ください。2020年末までのファームアアップでこのオートフォーカス性能がS1シリーズで使用可能となります。

 

Max Yuyevさんのオートフォーカステストの結果はどうでしょう?

まずは冒頭にMAXさんはこう言います。

Panasonicから連絡をもらって、こう言われた。「我々の新しいカメラのオートフォーカス機能を徹底的に検証してくれないか? 今回のカメラには新しいオートフォーカスアルゴリズムを組み込んであり、今までのモデルと比べるとかなり改善させたという自信がある。絶対にナイスになるな(同情するな)ぶった切るところはぶった切ってくれ。とにかく君の率直な意見が聞きたいんだ」と言われてしまった。

以下のテストはSonyのα7IIIのHD/60PとPanasonic S5のクロップモード 4K/60Pのオートフォーカスを比較しています。(動画を見た方がいいかもしれません。説明不要です)

 

室内編 APS-C / 60Pモードでのオートフォーカステスト

テスト1 (動画 : 1分30秒から)

人物が突然フレームインした時にオートフォーカスするまでの時間

両機種ともにとても滑らかなフォーカスを実現しているけれども、S5の方が若干、合焦スピードが早いです。

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クロップモードでのS5はオートフォーカスも早い!


テスト2 (
動画 1:53秒から)

前後の動きのトラッキング

人物の前後の動きに対しての両機種のオートフォーカス機能の正確さに違いは見られないです。S5はフォーカスを外さず、きれいにトラッキングをして見せてます。 

 

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テスト3 (動画2:05秒から)

人物が後ろを向いたり、横を向いたりしたときの反応

このテストでも人物が横を向いたり、後ろを向いたりしたときでも全く問題なくフォーカスの追尾ができていることを確認できます。

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テスト4  (2:25秒から)

顔認識の状態で、前方に急に何かしらの物が現れた場合のテスト

こちらでも、GH5などのPanasonicの一時代前の機種に比べたら、素晴らしい進歩が見られます。(S5の方が若干早く物体を認識しフォーカスしています)

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さて、ここまで両者のテストはほぼ互角と思われますが、違うフレームレートではどうなるでしょうか?

 

室内編 APS-C/24Pモードでのオートフォーカステスト

 

今回はお互いのカメラがAPS-Cモード、4K/24Pの設定で行われています。

 

テスト1 (動画 : 3分06秒から)

人物が突然フレームインした時にオートフォーカスするまでの時間

このテストでも、問題なくオートフォーカスは正確に作動しています。ただし、S5は6Kモニターで見た場合、少しだけ迷いが見て取れましたが、ほとんど分からないレベルです。

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24Pでもほとんど問題なくフォーカスを合わせてます

テスト2

前後の動きのトラッキング(動画 3:22秒から)

人物の前後の動きに対してのS5は時折フォーカスが迷う傾向が見られました。

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S5のフォーカスに若干迷いが生まれています

 

テスト3

顔認識の状態で、前方に急に何かしらの物が現れた場合のテスト (3:35秒から)

こちらも、60Pの時と変わらず、しっかりとフォーカスがくいつきます。Sonyの方がかなり遅くフォーカスを合わせているように感じます。

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室内編 フルフレームでの24P撮影時のテスト

このテストはS5にとって一番過酷な条件となります。なぜならばコントラスト方式のオートフォーカスは画面読み出しが終わるごとにフォーカスポイントを合わせるのですが、S5は6Kからのオーバーサンプリングをしているため、読み出しに時間がかかるためです。

 

APS-C/60Pモードに比べてフルフレーム/24Pモードは全画素読み出しで約2倍の画素数を読み込むことになり、更に、リフレッシュレートが60Pから24Pに下がるため、遅延がかなり生じる結果となっています。

 

テスト1 (動画 : 4分17秒から)

人物が突然フレームインした時にオートフォーカスするまでの時間

ルフレームに切り替えてから、S5のオートフォーカスは迷いが生じることが多くなってきました。 また、人物がフレームインした後にフォーカスが合うまでの時間がSonyよりかなり遅くなっています。 フォーカスが合うまでの過程もスムーズですが、若干迷いが生じるみたいです。

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24Pモードは厳しいかもしれません

テスト2 (動画 4:50秒から) 

前後の動きのトラッキング (焦点距離は70mmでF2.8の状態でのテストです)

 

人物の前後の動きに対してのS5はかなり苦戦しています。Sonyのフォーカスがロックオンしているのとは対照的です。 GH5と比べるとかなり良くなったと言えますが、APS-Cモードの時のパフォーマンスには程遠い結果となっています。

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テスト3 (動画: 5:30秒から)

人物が後ろを向いたり、横を向いたりしたときの反応

このテストではS5は健闘していて、フォーカスの遅延は見られませんでした。

 

テスト4 (5:45秒から)

顔認識の状態で、前方に急に何かしらの物が現れた場合のテスト 

こちらはしっかりとフォーカスがくいつきます。Sonyの方が遅れてフォーカスを合わせているように感じます。フォーカスポイントの移動もスムーズです。

 

室内編 外部モニターをつなげた場合のオートフォーカス

Sonyのα7IIIは外部モニターをつなげた時に顔認識オートフォーカスが使えなくなります。なぜならば外部に信号を出力する時にプロセッサーに負荷がかかるからだそうです。あえて、Wifi機能もオンにすることでプロセッサーに更なる負荷をかけながらテストをしてみます。

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外部モニタ&Wifi接続時 APS-C / 60Pモードでのオートフォーカステスト

テスト1 (動画 : 6分25秒から)

人物が突然フレームインした時にオートフォーカスするまでの時間

Sonyの反応スピードがかなり落ちたのに比べ、Panasonicの方は問題なくフォーカスを合わせています。S5に関しては外部モニタの接続とWifi接続はあまり負荷になっていない模様です。

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テスト2 (動画 6:50秒から)

前後の動きのトラッキング

 

人物の前後の動きに対してα7IIIはフォーカスの遅延が見られます。S5は問題なくトラッキングしています。

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テスト3 (動画: 7:14秒から)

人物が後ろを向いたり、横を向いたりしたときの反応

S5が綺麗にトラッキングしているのに対し、α7IIIは人物が前を向くまで背景の方にフォーカスを合わせています。

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テスト4  (7:26秒から)

顔認識の状態で、前方に急に何かしらの物が現れた場合のテスト

やはり、Sonyオートフォーカスに遅延が起こっています。

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複数人数が映っている画面でタッチフォーカスによってフォーカスを合わせる人物を変える場合、固定する場合

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このテストは4K / 30Pで行なっています。

 

テスト1 

最初に画面内に人物がいて、後に他の人物がフレームインした場合のフォーカスの迷い

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この人物にタッチしてフォーカスを固定することがS5では可能です

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α7IIIはフォーカスインした人にフォーカスを合わせてしまいました

テスト2

画面内にふたりの人物がいて、前方の人物にフォーカスが合っている時に、後方の人物が前に出てきたときのフォーカスの固定

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前方の人物にフォーカスを固定することがS5では可能です

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α7IIIは前方に来た人にフォーカスをシフトしました

(Maxさんはこの後、動画の後半で屋外でのテストを行なっていますが、基本的に結果は同じなので、割愛させていただきます)

 

MAXさんの結論としては4K / APS-C / 60PでのS5のオートフォーカスはかなり正確で信頼できるようになった反面、4K / フルフレーム /24Pモードではまだ課題が残るということになりました。 DpreviewのJordanさんの結論と同じになります。

 

オーバーヒートに関して、Newsshooterの実験の結果

NewsshooterのMatthewさんの実験によると、S5はオーバーヒートすることが確認されています。もちろん、極限の状況に置かれた場合という条件付きですが。

私はS5を屋外にて、直射日光を直接浴びるよう設置した。この時、気温は36°であった。

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UHD 4:2:2 10ビットで連続記録を開始、設定ではオートフォーカスをオンに、ボディ内手ぶれ補正をオンに、LCDスクリーンもオンにすることでプロセッサーに過度の負荷をかけることにした。

 

結果、19分45秒後に温度状況を示すアイコンが表示され、その後録画が停止した。カメラが熱すぎて手に取ることも不可能であった。

 

オーバーヒートした後に室内にカメラを戻し、録画を開始したところ、カメラは即時に録画可能であった。クールダウンのための待ち時間はゼロであった。しかし、8分30秒後にはまた温度警告表示が現れた。いずれにせよ、カメラはその後、再度オーバーヒート停止することなく、所定の30分記録制限が終わるまで録画し続けた。

 

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変化するデュアルネイティブISO感度

S5はS1と同じセンサーを搭載していると言われていますので、当然、デュアルネイティブISO搭載となります。 デュアルネイティブISOは変化することをNewsshooterのMatthewさんが指摘します。デュアルネイティブISOは下記のとおり変化します。

  • ノーマル ピクチャ プロファイル: 100 & 640 ISO
  • V-Log: 640 & 4000 ISO
  • HLG: 400 & 2500 ISO
  • Cinelike D2/V2: 200 & 1250 ISO

 

Ninja VへのProRes Raw記録

最上位機種のS1Hと同様、Atomos Ninja Vとの連携で5.9KでのProRes Raw記録が可能となります(PanasonicとAtomos双方がファームウェアのアップデートをするまで待つ必要はありそうです)

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ProRes Raw記録のフォーマット

 

Gerald Undoneさんの評価はどのようなものでしょうか?

Geraldさんは今回、あえて付属してきた20-60mmのキットレンズを含めて一緒にレビューしてみたようです。

 

まず、上で紹介した二つの案件についてGeraldさんは全く逆の見解を示しています。

 

オートフォーカスについて

Geraldさんによると、(キットレンズを使用したテストでは)オートフォーカスは信頼できるレベルにないと一刀両断しています。

 

オーバーヒートについて

Geraldさんがテストした限りではこのカメラはオーバーヒートしなかったとの結論を出しています。

 

サイズに関して

このカメラのサイズ感はとても小さく、キットレンズと合わせても1kgを少しオーバーするだけだ。これをS1と比較してみると、S1本体だけで1Kgほどの重量であり、ズームレンズ(例えば16-35mm)をつけると軽く1.5kgはオーバーする。 実は本体だけを比較するとGH5よりも小さくて軽い、ただα7sIIIと比較するとS5の方が若干大きくて重たい。

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キットレンズと合わせて約1Kg

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本体だけを比較すると、GH5よりも小さい

ボディデザインはGH5とS1を足して二で割ったようなデザインになっている。S5はトップスクリーンもなければXQDカードスロットもない。回転式スクリーンは搭載しているが、S1のように上下にシフトして開閉するタイプではない。しかし、全体的なまとまりとしてはS1のデザインを踏襲している。

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S5の上部デザイン

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とても小さく、滑りやすく、押しにくいAF ONボタン

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回しにくい前方のコマンドダイヤル

AF ONボタンが押しにくく、小さいこと、そして前方のコマンドダイヤルが回しにくいことを除けば、操作部に関しては、使いやすいデザインに仕上がっていると言えるだろう。 

 

Panasonicのカメラの使い勝手の良さには定評があることは皆が認めるところだが、今回、S5のボディを小さくするために妥協してしまった点がいくつかある。 HDMI端子がマイクロHDMIなのはとても残念である。

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HDMI端子はマイクロHDMI端子になっている

HDMI端子自体も残念だが、そのポジショニングも残念である。ケーブルを繋いだ時には、ディスプレイをティルトアップできなくなってしまう。まだ、S1の画面デザインの方がティルトアップできるだけマシだと考えてしまう。

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ケーブルが邪魔をしてスクリーンのティルトができない

スクリーンをフリップアウトした時にマイクロホンジャックが干渉しないところまでは評価したいのだが、オーディオ端子のカバーが大きすぎてスクリーンの一部が見えないのは残念なところである。

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マイクロホンジャックはスクリーンと干渉しない位置に配置

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オーディオ端子のカバーがスクリーンの一部をブロックしている

デュアルカードスロットの一つのスロットだけがUHSII対応なのはどうしてなのか疑問に思うところである。このカードはGH5やS1Hのイントラ記録モードがないのでUHSIIカードのスピードを必要とするようなことはないのだが、デュアルカードスロットを用意するのならば、両方、同じスピードで記録できるよう設計して欲しかった。

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デュアルカードスロットのうち、UHSII記録可能なのは一つのみ

バッテリーの選択もまた少し奇妙である。このカメラは新しいタイプのバッテリーを採用しているのだが、これはSシリーズとGシリーズのハイブリッド仕様となっている。

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ハイブリッド仕様となった新方式のバッテリー

ピンの配置からして、Gシリーズのカメラにも対応するように二つのピン配置が施されている。つまり、このバッテリーはGシリーズでも使えるが、Gシリーズのバッテリーを既に持っているユーザーは新しくSシリーズ(S5に)に乗り換えた時に持っていたバッテリーは使用できない仕組みになっている。そして、このバッテリーはS1とS1Hとは互換性がない。とても不便である。

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SシリーズようとGシリーズ用の二つのピン配置が施されたバッテリー

ただし、バッテリーの持ちはとても良い。私の経験では4K録画時に2時間15分の録画がフルチャージ済みのバッテリーでで可能であった。

写真撮影時はどのような撮影スタイルになるかで撮影枚数は変わってくると思うが、500枚からバッテリーの節約をすれば1500枚程度の撮影が可能である。自分の経験ではカジュアルな1日分の写真撮影にはバッテリー一本で充分であった。

USBーCポートを使用することでほぼ永久的にカメラを廻すことが可能となっている。パワーバンクを接続して3時間の録画をしてみたが、その録画が終了した時点でバッテリー残量表示はフルの状態のままであった。

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このバッテリーテストの時に私がくだした決断はこのカメラはオーバーヒートとは無縁だということである。少なくとも私の使用環境下では。(私の環境は室内が摂氏22度で屋外が摂氏28度であった)

 

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画面左下タイムコードが3時間録画したことを裏付けている

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録画時間制限に関してだが、8ビット記録モードは60Pモード以外は無制限で記録可能となっている。10ビットモードには記録制限のかかるものもある。(※この点に関してはNeesshooterの先述のコメントをご参照ください)

 

Panasonicからの情報によると記録制限はかなり大幅な安全策として設けられたものであり、基本、摂氏43度くらいでの使用を想定されているらしい。 繰り返しになるが、私の環境下では30分記録を何度も繰り返したけれどもオーバーヒートは一度もしなかった。 

 

別のテストでAtomos Ninja Vに3時間連続で記録したけれど、やはりオーバーヒートの問題は出てこなかった。もちろん、外部記録をすることによって記録時間制限はバイパスするので、30分の録画時間制限はなくなる。

 

外部録画している時にオンスクリーンディスプレイをオン/オフ切り替えを何回か行なったが、ボディの温度にも記録画質にも影響を与えているようには見えなかった。これは素晴らしいことである。

 

ボディは防塵防滴機構を謳っているが、一点だけ注意するべき点がある。S1と同じ防塵防滴ではないということだ。詳しく述べると凍結耐性はないとのことである。(S1は凍結耐性が-10度まである)なので、寒いところで撮影する人は要注意が必要だ。

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S5は凍結耐性はない

ボディサイズに関してはとても好感を持っている。グリップも小さすぎるということはなく、とてもホールド感がある、でもコンパクトである。 そしてPanasonicのエクセレントなメニューコントロールシステムを受け継いでいるので、メニューの操作はタッチコントロールでとても快適になっている。

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相変わらず使いやすいメニュー配列

ディスプレイの解像度はS1に比べて若干劣るが、その点は私はあまり気にならなかった。

EVFに関してはS1(570万画素)やGH5(360万画素)に比べると圧倒的に解像度が足りなく、たったの236万画素となる。

 

手ぶれ補正が若干甘く感じたのはかなり気になる点であった。(ボディが小さいからでしょうか?)

これには二つの理由があると思う。 一つ目はこのキットレンズが手ぶれ補正機構を持たないことでデュアルISを使えなかったことだ。 但し、ボティ単体での手振れ補正を比較してもS1やS1Hと比べて明らかにS5の手振れ補正は効きが甘かった。

 

手振れ補正の実際のテストではズームレンズの60mm端で補正なしで1/50が最高だったのが、補正を欠けた状態では1/6までシャッタースピードを下げることができた。これは充分な補正と言えるが、S1やS1Hの補正の素晴らしさには及ばない。

 

手持ちで撮影している時には映像が歪む現象が顕著に現れた。(ページ最初のGeraldさんの動画 : 6:22秒あたり参照)このような現象はS1やS1Hでは現れなかった現象である。 例を挙げるとS1では焦点距離105mmでデュアルISを効かせた映像はしっかり固定されていて、S5の50mmでの映像より安定して手ぶれの補正がされていた。

 

とりあえず、Geraldさんがこのレンズを使って20mmのワイド端でVログテストをしているのでその様子を参照してほしい。(動画 : 6:42から) 

ーーーーVログテスト部、割愛-------------

ちなみにGeraldさんがVログをした時の装備が下の写真です。

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Vログ時の装備。Deity D-MIc D4 Duoが使われている

このマイクに関しては下の記事を参照してください。

 

Geraldさん、相変わらずのディティールに凝ったレビューをしていますね。

 

さて、ここからは、Geraldさんならではの細かいレビューのみを抜粋します。静止画撮影のレビューは割愛させていただきます。

 

まずはオーディオに関して

オーディオレベルはS1Hが-18dbまで設定できたのに対し、今回のS5は-12dbまでしか設定できないため、マイクの選択肢によっては音割れが生じる可能性があると指摘しています。

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ゼブラ設定に関して

私がこのカメラで好きな部分を紹介していこう。S1Hの機能を受け継いでいる点がいくつかある。

最初はゼブラ設定である。ここではゼブラ1とゼブラ2を※同時にアクティベートすることでスキントーンやミドルグレーとの関連性を知ることができる。

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ゼブラの複雑な設定が可能になった。S1Hの機能を引き継いでいる

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※以下 PanasonicのS1Hのゼブラの説明です

表示バリエーションを多様化し、新たに閾値の異なる[ゼブラ1]、[ゼブラ2]の同時表示に対応しました。例えば「すでに白飛びしている部分」と「白飛びしそうな部分」を同じ画面で確認できます。さらに、輝度の上限と下限を設定してその範囲内をゼブラパターン表示できるので、スキントーンの測定や、V-Log時の18%標準反射板を使用した露出設定などに有効です。

スポット輝度メーターに関して

S1Hから引き継いだもう一つの機能がスポット輝度メーターである。この機能をアクティベートすることによってミドルグレーに対して、どれくらいオーバーかアンダーに露出が傾いているかをカメラが教えてくれる。これはとても便利な機能だ。

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スポット輝度メーターはミドルグレーに対してどれくらい露出補正が必要かを教えてくれる

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※以下、Panasonic S1Hのスポット輝度メーターの説明です。

被写体のごく一部の範囲の輝度を測定。測定枠は移動が可能なため、構図を決めた後に任意の位置の明るさを測ることができます。通常撮影時は-7~109%(IRE)の範囲を測定、%で表示。露出補正やISO、ゲイン設定を行うとリアルタイムで測定値に反映されます。さらにV-Log設定時はストップ単位に換算して表示。18%標準反射板を測りながら[0 STOP]に調整することで、正確な標準露出が得られます。

 

ウェーブフォームモニター、その他、S1ではアップグレードしなければいけなかった機能に関して

ウェーブフォームに関してはサイズ変更不可能なので見にくい、あるいは撮影画面が見にくくなることもあるが、ウェーブフォームモニターが標準装備であることに感謝すべきかもしれない。

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ウェーブフォームはサイズ変更不可能です

ウェーブフォームをはじめとしたS1では200ドルの有償V-Logアップグレードが必要だった機能が最初から標準で用意されていることは歓迎するべきである。V-Log撮影、VGamut、MOV記録、リニアPCM記録、10ビット記録にHLG記録と言った機能が標準装備なのだから。今年の末までにはHDMI経由のRAW出力やDCI 4Kサポート、ベクトルスコープ、シャッター回角度、マスターぺデスタル機能等が追加される予定である。 要するに、今年末までにスペックだけを見るとフルフレーム版のGH5になる予定なのである。

 

ダイナミックレンジに関して

S1と同じセンサーを使用しているのでダイナミックレンジは全く同じである。テストをしてみたがリッチなダイナミックレンジで、有効ダイナミックレンジは12.5ストップを計測した。α7sIIIが登場するまでは、このダイナミックレンジはミラーレスカメラでは最高水準であった。現在ではα7SIIIの次となるセカンドベストだが、それでも充分である。

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有効ダイナミックレンジとして12.5ストップを計測した

ローリングシャッターに関して

センサーが一緒なので、ローリングシャッターのパフォーマンスもS1と全く似たものとなった。 4K 24Pでは許容範囲のローリングシャッターであり、4K 60Pではローリングシャッターはほとんど気づかないレベルである(APS-Cクロップモードのおかげでもある)

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4K 24Pのローリングシャッター

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4K 60Pのローリングシャッター

S1と同じセンサーであるため、オプティカルローパスやAAフィルターは入っていない。(S1Hには入っている)

 

S1より価格的に下回るのに、S1Hの機能を装備していたりするし、S1で問題となった部分が改善されているのも確かである。

例を挙げればフォーカスピーキングの機能がS1では録画開始と共に薄い表示になっていたのが、S5ではその問題は見られない。(というか改善された)

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アナモフィックモードも搭載されているし、アナモフィックモード撮影時でも手振れ補正は正常に作動する。そしてタイムコード機能まで標準装備している。

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S1H同様、アナモフィックモードも搭載

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タイムコード機能まで装備している

マーケティングではこのカメラはハイアマチュア向けと謳われていたが、ハイアマチュアもアナモフィックレンズとタイムコードを使うのだろうか?

 

ダイナミックレンジに話を少し戻すと、ブルーがレッドよりも若干強いことに気がついた。

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ブルーがレッドより少し強めに表現される

 ハイライトロールオフは素晴らしく、ノイズコントロールもしっかりしている。

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暗部のノイズもコントロールされている

Log撮影時に42パーセントのミドルグレーの露出さえ気をつけていれば簡単なLUTを当てて、微調整するだけで素晴らしい色彩を得ることができる。

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デュアルネイティブISO時のノイズや実用範囲での上限ISOについて

デュアルネイティブISOはV-Log記録時にISO640とISO4000に設定される。ISOを上げていって、ノイズレベルを確認したところ、カメラのノイズリダクション設定を低めに設定していたにもかかわらず、ISO 12800までノイズレベルはかなり低かった。 ISO 51200に達するまではイメージはとてもコントロールされていた。ISO25600までならギリギリ使用可能といっところだろうか。

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キットレンズに関して

キットレンズに関して少しだけ触れておこう。キットレンズは20mmから60mmまでの焦点距離をサポートする。F値焦点距離によって3.5から5.6まで変動する。

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このレンズはパーフォーカルレンズらしいです!(レンズ経は67mm)

通常、このくらいのF値のレンジのスローなレンズは私の好みでは絶対ないが、たったの300ドルの上乗せでこのレンズがついてくるのなら、それはそれでありだと思う。

20mmのワイド端はランドスケープ等の撮影にも使えるし、60mmまでのズームレンジには人気の焦点距離がカバーされている。

そして、実際のパフォーマンスでも、期待以上の結果を見せてくれた。

20mm端での色収差は秀逸である。ズームレンジを通してフリンジもほぼ出なかった。

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フレアのコントロールもこの価格帯のレンズにしてはとてもよく制御されている。その代わりに全体的なコントラストが低くなる傾向が見られる。 ゴーストや色のシフトも最低限に抑えられている。

 

カメラはオートでビネットを補正してくれる。ワイド端でのビネットもかなり補正が効いていた。

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ビネットの補正もカメラの方でしっかりできているようである

四隅のシャープネスがこのレンズの最大のウィークポイントだと言えよう。特に20mmのワイド端でのコーナの表現はあまりよろしくない。

 

このレンズはF値が通しではないため、ズームするたびにF値が変わる。動画撮影にはあまり使いたくないタイプのレンズともいえる。

 

ただし、良い点もある。

例えばマニュアルフォーカス時にフォーカスリングの粘りは心地良いし、カメラの方でフォーカスリングの反応をリニアに変更することで、さらに滑らかなフォーカスの送りが可能になる。更に、フォーカスリングの移動の幅が実際のフォーカスの変化にどう影響を与えるかを設定することも可能である。

これらの特徴を活かせばかなりスムーズなマニュアルフォーカスの設定を自分好みに追い込むことができるだろう。

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フォーカスリングの反応をリニアに変更可能

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フォーカスリングの回転幅を設定することで、フォーカスの変化の度合いを調整可能

フォーカス ブリージングもほとんどなく、その点においては満足している。

また、驚いたことにテストを重ねるうちに判明したことであるが、このレンズはどうやらパーフォーカルレンズであるらしい。ズームによって画角を変化させてもフォーカスがズレることはなかった。

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ズームイン、ズームアウト時にフォーカスポイントはぶれない

ボケ味に関してはあまり期待しないほうがいいだろう。

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S&Qモードに関して

Panasonicは今回S5を発表すると同時にスローモーション機能に対するアプローチを変えた。

今まではメニュー設定からスローモーション設定をしていたのだが、今回はモードダイアルに直接S&Qモードを配置し、そのモードに入ってから好きなフレームレートを選択する仕様になっている。(Sonyの機能にそっくり)

 

S1が発売されて初期に見られたようなスローモーション時に露出の調整が不可能になるような不具合は全くない。スローモーション時にオートフォーカスは問題なく使用可能となっている。オーディオは録音されない。

 

一点、S&Qモードで気に入らない部分がある。それはスローモーション撮影時に必ずロービットレートモードに撮影モードが変更されることである。10ビットオプションは選択できない。

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スロー撮影時は必ずロービットレートモードに設定される

その影響もあるのだろう。スローモーション撮影時の1080Pの映像は通常時の映像に比べて、かなりわかりやすく画質が劣化している。この劣化はフレームレートが上がるたびに顕著になる。

 

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フレームレートが上がるごとに劣化は激しくなる

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オートフォーカスに関して

私がこのカメラをPanasonicから受け取った時、オートフォーカス性能が抜群に進化したと言われた。過去のPanasonicのカメラのオートフォーカスのレビューで私は常に繰り返し同じことを言ってきた。「このカメラはオートフォーカスさえ良ければパーフェクトカメラだ」と。

 

Sonyがα7SIIIでとうとう、そのパーフェクトカメラを作ってしまったわけではあるが。

 

さて、今回S5でPanasonicオートフォーカスを大幅に改善できたのか?

答えは、正直あまり変わらない、と私は思う。

 

Max Yuyev氏が私のレビューより先にオートフォーカステストを公開しているが、そこで、彼はAPS-Cモードの4K 60Pモードではα7IIIよりオートフォーカスのパフォーマンスが良かったと伝えている。 私もAPS-Cモード / 60P撮影時のオートフォーカス パフォーマンスの一定の向上は認めたい。

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ただし、問題はPanasonicオートフォーカスシステムはいまだに予測不可能な部分が多く、途中まで一定のパフォーマンスを見せていても急に狂い始めることがあることだ。 (私のテストでは)被写体が少し首を傾けただけでフォーカスを失うことだってあったのだ。

 

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また、フォーカスがしっかりあっているように見えても、よく見るとフォーカスポイントが微細に前後していて、撮影後に被写体がソフトにボケていることを確認することほど残念なことはない。

動画でのオートフォーカスに必要なことは下記の二つだ

  • 信頼できる
  • 予想できる
もし、9/10以上の確率でオートフォーカスが合うなら、それは確実だと言えよう。でも8/10以下では信頼して使うことはできない。
8/10ならゼロと一緒だ。実用で使うにはそれほどシビアな機能なのだ。
残念ながら、(動画撮影時の)S5のオートフォーカスは信頼性と予測性という二点で満足のいくレベルに達していない。
PanasonicはDFDというオートフォーカスシステムを独自で展開し、後戻りするには遅すぎるほど開発を進めている。今更後戻りするのは勇気のいることだと思うが、Panasonicのカメラが発表されるたびにオートフォーカスでがっかりするのはもう懲り懲りだ。 Panasonicは潔くSonyCanonを見習い、新しいフォーカスシステムの採用に踏み切ったほうが良いだろう。

まとめ

まず、S5はS1より$500安いということを改めて認識してほしい。通常カメラメーカーは機能を出し惜しみすることによって、より高価なカメラと安価なカメラの差別化を測ろうとするが、今回、Panasonicはそれを行わなかった。

 

S1と比較してみよう。

S1は

  • 録画時間制限がない
  • バッテリーがより長持ちする
  • ディスプレイの解像度も高い
  • そして、より頑丈に作られている

S5は

  • 既にV-Log等のS1では有償オプションだったものが搭載されている
  • Ninja VにProRes Rawでの出力も最初から可能である
  • V-Logアップデートに掛かる金額を考えたらS1より$700安いということになる
  • それに加え、S1Hに搭載された上級者向けの機能が搭載されている
  • しかも、S1ユーザーが抱えていたサイズという問題を解決している
  • さらにVログに最適なレンズがキットレンズとして選択可能である
S5の登場はS1オーナーに少なからず、何かしらのフラストレーションを与えることだろう。 でも、我々消費者はこのようにカメラメーカーが機能の出し惜しみをせずに製品を作ることを歓迎するべきだと思う。

 

 

www.cinemagear.jp