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SIGMA VS TAMRON VS SIGMA フルフレーム Eマウント用 標準ズームレンズの比較

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このブログを読んでくださっている方は、僕がα7S IIIを買ったことをご存知かと思います。

でも、どのレンズを持っているかに関しては、全く見当がつかないのではないのでしょうか?

告白をいたしますと、実は、Eマウントのレンズは一本も持っておりません。

理由は、Canonのシネマカメラも所有しているため、EFレンズに統一した方が財布に優しいからでございます。

というわけで、今まではSIGMAのMC-11というアダプターを介してSIGMAのEFマウント用レンズを使っておりましたが、オートフォーカスもキビキビ動いて、あまり純正のレンズに触手が伸びませんでした。

(下の写真はSIGMAのMC-11、SIGMAのEFマウント用レンズをEマウントに取り付けて使用可能、オートフォーカスもキビキビ動きます) 

 

でも、そろそろEマウント用のレンズを揃えたいと思っており、一番最初に目星をつけたのがSony純正、Gマスターの標準ズームレンズでした。 ZEISSのレンズも捨て難いのですが、α7S IIIを使用するならオートフォーカス対応でないと意味がないため、こちらは却下となりました。

さて、Gマスターは値段が値段なので、可能ならばもう少しお手頃な標準ズームレンズはないかと考えていたところ、SIGMAから28-70mm f2.8 DG DN Cというコンテンポラリーシリーズが発売されたので、グッと気持ちが揺れ動いている時に見た動画が一番上に貼り付けたものです。 SIGMATAMRONなど、サードパーティ製 標準ズームレンズを比較していてとても参考になりましたのでシェアします。

 

目次

 

紹介しているのはChristopher Frostさんで、彼のチャンネルでは様々なレンズの比較やレビューが行われています。

 

比較的、お手頃で開放f値の小さい、標準ズームレンズ

ここで紹介されているレンズは全部で3本になります。

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SIGMA VS TAMRON VS SIGMA とても似ている三銃士
  1. SIGMA 28-70mm f2.8 DG DN C (2021/3/5現在、約89,100円)
  2. TAMRON 28-75mm f2.8 Di III RXD (2021/3/5現在、約77,800円)
  3. SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A (2021/3/5現在、約111,700円)

ルフレームのSony Eマウント用で比較的安いが明るい標準ズームレンズの比較をしてみたい。 Sonyのフルフレーム ミラーレスカメラはとても人気で、ここで紹介する3本のレンズのどれを使っても程よいズームレンジでの撮影が可能となっている。3本ともに開放f値が通しで2.8となっている。3本共に価格的にはSony純正のGマスターと比較してお手頃な価格となっているため、購買欲をそそられる方々も多いのではないだろうか? 3本共に残念ながら手振れ補正機能は省かれている。 

 焦点距離の比較

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN C

SIGMAの28-70mm DG DN Cがこの3本の中では一番ズームレンジが短い。28mmはフルフレーム換算でも、決してワイドアングル寄りの焦点距離とは言い難い。また70mmはテレフォトレンズとも呼びづらい焦点距離である。

 

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN C (焦点距離 28mmで撮影)

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN C (焦点距離 70mmで撮影)

TAMRONの28-75mm f2.8 Di III RXDはテレ端が75mmまで伸びるが、テレ端での5mmの差というのは、とても小さな差である。 では、SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aのワイド端である24mmを他の2本のワイド端である28mmと比較するとどうだろう? ワイド端での4mmというのは実はかなり大きな差となって映像に反映される。

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28mmの画角のサンプル

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24mmの画角のサンプル

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価格が一番高いSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aがワイド端では優位性を持つ

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SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A (焦点距離 24mmで撮影されたサンプル)

私の個人的な感覚では、風景写真やウェディング写真を撮影するようなカメラマンにとってはワイド端が24mmである、SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aがより有効なレンズだと思う。 が、ワイド端が広い代償として、サイズも大きく、より重くなってしまっていることも知っておくべきである。

 作りがしっかりしているのはどのレンズ?

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TAMRON 28-75mm f2.8 Di III RXDは3本中で一番作りが安っぽいとのこと

TAMRONのレンズは操作しやすい作りにはなっているが、SIGMAの2本と比べるとプラスティックな質感が目立ち、若干作りが安っぽく感じた。 また、オートフォーカスの性能もSIGMAのレンズに比べると劣ると感じる。

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SIGMA 28-70mm f2.8 DG DN CはTAMRONよりはしっかりした作りだそうです

SIGMA 28-70mm f2.8 DG DN CはTAMRONのレンズより小さなステップアップであるといえよう。

比べた場合、プラスティックではあるが質感が高級でズームリングの粘りもある。

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値段相応ということか? こちらのSIGMAはさらに高級感があるとのこと

SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aの作りは重厚で、メタルで仕上げられたパーツもたくさんあるのがわかる。そして、レンズ周辺には各種コントロールボタンが鏤められている。 個体の大きさは他の2本に比べると大きいが、通常の標準ズームレンズと比べると比較的小さい方ではある。

画質の比較

ワイド端

この3本の画質の比較をしてみよう。 まずは一番ワイドな画角同士を比較しよう。f2.8での比較をした場合、SIGMAの2本がTAMRONに比べコントラストとシャープネスがしっかりと描写されている。

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3本とも、ワイド端での画角を比較

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(拡大)f2.8ではSIGMAの2本がTAMRONよりコントラストとシャープネスの描写が優れている

周辺の画質を比較した場合、3本ともに中央に比べるとソフトな描写となっている。 その中でも優劣をつけると、TAMRONが一番ソフトで、SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cが一番シャープであった。

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周辺の画質を比較すると3本とも甘くなるとのこと

周辺の画質をf値を絞りながら比較した場合、f4やf5.6ではそこまで画質の向上は見られなかったが、f8にしたところ、SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cが少しだけ、シャープになった。

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN C(画面左端)がf8ではよりシャープな描写になった

中間

全てのレンズをズームの中間の焦点距離にして画質比較をしてみた。f2.8では、中央とコーナー(周辺)の両方の画質において、TAMRONSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aがよりコントラストとシャープネスのある画質に仕上がっている。

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中間の焦点距離においてはTAMRONSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aが優秀

(画面は周辺の画質)

中間の焦点距離でf4にしたところ、3本とも画質の向上が見られたが、SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aが3本の中では一番優秀であった。

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f4にした場合、SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A(画面右端)が一番優秀

(画面は周辺の画質)

f11まで絞った場合、3本全てのレンズがくっきりとした画作りになった。

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f11だと、3本とも互角になる

 テレ端

テレ端でこの3本を比較すると、今までの結果とは異なってくることがわかる。

まずはf2.8で比較した場合、中央付近の画質は、TAMRONはシャープだが、コントラストが足りない。SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cはコントラストは充分だが画作りが少しソフトになっている。SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aはとても優秀でコントラストとシャープネスともに高い画質を実現している。

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テレ端でのパフォーマンスは、これまでの結果と違ったものになるみたいです

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画面中央の画質、テレ端ではf2.8でSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A(写真右端)が一番優秀

画面の周辺画質を比較した場合、f2.8ではSIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cの画質が若干他の2本より劣っている。 f4からf8までは、一番高価なSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aの画質が一歩リードし、f11の時点で3本全ての画質がほぼ同じくらいに落ち着いた。

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周辺の画質はf2.8でSIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cが他の2本より少しだけ劣っているとのこと

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周辺の画質、f4からはSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A(画面右端)の画質が一歩リード

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周辺の画質、f11で3本とも同じ画質に落ち着く

ここまでのテストで私が下した結論は3本の中で一番値段の高いSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aが全体的な画質とシャープネスで一歩リードしているが、圧倒的なリードではない。 残りの2本を比較した場合、最近発売されたSIGMA 28-70 f 2.8 DG DN CがTAMRONのレンズよりわずかながらワイド端でのシャープネスとコントラストの面で優れている。

 

レンズの湾曲収差

湾曲収差の比較をした場合、3本とも湾曲してるが、その中でもTAMRONのレンズが一番湾曲が少ないレンズであった。特にワイド端での比較をした場合、その差がよくわかった。 ちなみに、これらの湾曲収差は通常はカメラの方で補正するため、そこまで気にすることはない。

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ワイド端&絞り開放で湾曲収差を比較するとTAMRON(中央)が一番湾曲度合いは少ない

クロースアップ時(接写)の画質

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接写時の画質を比較

3本とも、被写体にある程度近づいて接写することが可能である。そして、3本ともにお世辞にも高画質とは言えない結果になっている。特にSIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cの画質は(f2.8で撮影時に)著しくない。

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN C(左端)は接写時の画質(f2.8)で一番悪い

f5.6ではSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aの画質が他の2本よりも向上する。SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cの画質は相変わらず著しくない。

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f5.6でSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aはかなり向上する

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f8で、3本ともかなりシャープな画質になることが確認できた

明るい光源に向けた場合 

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フレアはレンズ口径の大きいSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN A(画面右端)により多く見られる

 明るい光源にレンズを向けた場合、一番値段の高いSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aによりたくさんのフレア現象が確認できた。これはレンズ口径が大きいこと、構成する内部レンズがより複雑なことを考慮するとしょうがない現象だと言える。

 ボケ味

2本のSIGMAレンズは背景に比較的柔らかいボケ味を演出してくれることが確認できた。 通常の標準ズームとしては優秀な方だと言える。

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SIGMA 28-70 f 2.8 DG DN Cのボケ味の例

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SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aのボケ味

比較した場合、TAMRONのレンズが描くボケ味は若干粗く、忙しい印象を受けた。

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TAMRON 28-75mm f2.8 Di III RXDのボケ味

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TAMRON 28-75mm f2.8 Di III RXDのボケ味

 まとめ

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簡単にまとめると、(個人的な感想だが)ズームレンジという点ではワイド端で4mmもワイドな SIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aは他の2本に比べると大きな優位性を持っていると感じる。逆にTAMRONのテレ端での優位性はそこまで大きくない。レンズの質感に関しては、それぞれ値段相応の質感だと考えていいだろう。一番値段の安いTAMRONのレンズが質感は一番安っぽい。(とは言っても、しっかりとした作りであることは強調させて欲しい)そして一番値段の高いSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aの質感が一番しっかりしている。

SIGMA 28-70mm f2.8 DG DN Cは他の2本に比べてサイズ的に優位に立っている。標準ズームとしてかなりコンパクトなサイズは魅力的だ。

画質に関しては、SIGMAの2本がTAMRONより若干シャープネスとコントラストにおいて優れていると感じた。ボケ見に関しても同じである。

とは言っても、この3本に大きな差があるとは感じなかったし、TAMRONのレンズは湾曲収差で一番優秀であった。

私個人的には少しくらいのお金を足してでもSIGMA 24-70mm f2.8 DG DN Aを購入するだろう。

 

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