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EOSHDはジャーナリズムである! Canon EOS R5の疑惑を徹底追及

EOSHDのアンドリューさんが立て続けにEOS R5のオーバーヒートに関する記事をアップしています。

この熱量はちょっと半端ないものがあり、正直、連続して読んでいくと、Canonが今回仕組んできたオーバーヒート問題に関する真っ赤な嘘が少しずつ明らかになっていく、まるで推理小説でも読んでいるかのような気分にさせてくれるこの連続記事を少し紹介させてください。

 

何度も同じ表現が繰り返されるのですが、そこは多めに見て読み進めていただければありがたいです。

 

今回のアンドリューさんの同じトピックの記事の連続投稿という行動は

  • 問題の提起
  • 問題の検証
  • 問題の証明

という、ジャーナリズム的な行動であると僕は感じました。

他のサイトでもこの記事が取り上げられていることも存じ上げてます。また、自分自身、オーバーヒートの問題はもう取り上げないとお伝えしましたが、今回はこの三つの記事を噛み砕くことで見えてくる問題の大きさから、取り上げさせていただきました

最初の記事:「結局 EOS R5を買ってしまった。 Wifiメニューを設定している間にオーバーヒートしてしまった」

二番目の記事:「中国のユーザーがEOS R5を解剖して、オーバーヒート問題の改善を試みた。でも、そこから出てきた真実は人工的に仕掛けられたファームウェアによるタイムリミットであった」

三番目の記事:「EOSHDが独自に試みた実験によって、オーバーヒート表示はフェイクであることが判明、人工的なタイマーがビデオ撮影制限をコントロールしていた」

目次

 

最初の記事:実機の感覚、数々の疑惑が浮上

ベルリンのFoto-MayerというディーラーからEOS R5の在庫があると伝え聞いた私は、謎の多いこのカメラを買う事にした。たくさんのEOS R5のオーナーが大金をはたいてこのカメラの購入に踏み切ったはずだ。そして、そのカメラがオーバーヒートするというのならば、その問題に関してCanonにはっきりと伝えるべきことは伝える、そんな姿勢を示したいと私は思っている。

 

一つだけはっきりとしておきたいことがある。 それは今回の購入はEOS R5をカメラとして楽しむためではないと言うことだ。このEOSHDのウェブサイトでEOS R5をしっかりとレビューする、その目的のためだけに購入した。

 

このカメラは、結論から述べると(動画性能としては)8K、RAW、スローモーション、高精度な4K 60PというCanonのマーケットが謳い文句で掲げたものとはかけ離れたカメラである。

 

このカメラの性能を他機種と比較してみるなら、Sonyのα7R IVのようなビクセルビニングした4K 30Pを撮影できて、そこに10ビット記録、ボディトップにLCDを追加し、より操作性を快適にしたものである。(こうやって表現すると、決して悪いカメラではないのだが)

 

このレビューの中で、一番最初に行うべきテストは悪評高いオーバーヒート問題だ。 実際にどの程度のものなのかを突き止めたいと思っている。なぜオーバーヒートは起こるのか、どれくらい深刻な問題なのか、そして、解決策として何ができるのかを探ってみたいと思う。

 

そして、私はCanon UKがリコール問題を否定している事を受けて、実際に大規模なリコールキャンペーンを行う予定である。もし、あなたがEOS R5のユーザーであり、私に同意するなら、いつでもこのキャンペーンに参加してくれ。

 

 最初のテストは4K HQモードにした状態でSDカードを挿入して行なった。 とりあえず、Wifiメニューを利用して、私がCDA-TEKと共同で開発しているアプリ(このアプリはCanonから提供されているAPIを利用して実際のカメラ内の温度を測ることができるものになる)をアンドロイド端末につなげることから始めてみた。

 

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CDA-TEKと共同開発中のアプリでカメラの内部温度が測れるようになる

アプリを起動して、アプリの操作をすること合計45分、カメラは既にオーバーヒートへの階段を登り始めていた。 たった45分のメニュー操作だけで、4K HQのライブビューモードでの撮影可能時間は25分から10分に短縮されていた。 そしてすぐにオーバーヒートの警告が表示され、記録可能時間5分のマークが表示、その約2分後にカメラはシャットダウンしていた。1フレームもビデオも写真も撮影していないのにである。

 

Canonによるとオーバーヒートコントロールモードというのが存在するらしく、メニュー操作をしている時やライブビューがオンの状態の時にオーバーヒートしにくくするらしいが、こんなモードが最初から搭載されている時点でCanonがメインのCPUの耐熱処理問題が深刻だとわかっていた証拠となりうる。 

実際にそのモードを使った結果をお知らせしよう。結果はほとんど変わらなかった。そして、4K HQモードを10分間だけ、再度撮影可能にするまでに要した時間はとてつもなく長い時間であった。

 

正直、フラッグシップの$4000もするカメラでこのような問題が起こることはとても残念な事だ。Canonはこの問題さえなければ恐ろしいスペックのカメラを投入した事になったのだろうから、尚更残念だ。

 

いや、あるいは、これはハードウェアの問題ではなくてCanon伝統の人工的制限をかけるクリップリング戦略ではなかろうか?

(注:キャノンは上位の動画撮影専門機EOS CINEMAラインを守るために静止画メインのカメラに4K動画記録機能を搭載しなかったり→EOS 5D MK3、動画機能からあえて24P撮影機能を省いたり、動画録画できたにも関わらず、その機能を隠して静止画専用カメラを発売したり→例 EOS 50Dした過去があり、わざと機能を使えなくする事を総称し、Crippling クリップリングと呼んでいます。意味は調べていただければ分かりますが、あまり上品な表現ではありません)

とにかく、今回、CDA-TEKと共同開発するアプリで全貌を暴き出すつもりだ。もしこれがカメラのプログラム上のバグなら何かしらの手だてを講じることができるかもしれない。 もし、Canonが意図的にタイマー機能をSDカード挿入時に発動しているならば、ハッキングできるかもしれない。もしこれがハードウェアに起因した問題ならば、改造することでどうにかなるかもしれない。($4000のカメラでするべきことではないが)

内部構造を写真で見ながら確認できる点

少なくともEOS R5の内部構造がインターネットで流出してから、一定のリサーチをしたが数点、内部構造を改善できる余地があると踏んでいる。写真から見た問題点は以下に述べる。

 

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EOS R5を解体した写真、ネット上で流出してます
  1. サーマルパッドがCPU全体を覆っていなく、CPUと背面ケースの間にギャップを生み出している。
  2. マグネシウム合金の背面ケースとサーマルパッドの間に二つ目のサーキットボードと合金シールドが配置されているが、排熱処理の効果を薄めている可能性がある。
  3. 二番目の合金シールドがメインボードとセンサーの間にある。これはプロセッサーの後ろに配置してあるが、サーマルパッドは一つだけで、メモリーの方にはサーマルパッド処理は施されていない。更に付け加えるならば、この合金はアルミニウムではなく、本来ならば放熱耐性のある銅で作られているべきである。
  4. CFexpress card スロットがとても熱くなるが、これはメインプロセッサーにとても近い位置に配置されているからである。

 

HDMI外部記録時に実際に何が起こっているのか?

 

HDMIでの外部録画時の動作はかなり不可解である

 

もし、カメラが4K HQモードでのアイドリングモード(つまり、メニュー操作や構図決めのためのライブビューモード)の時にオーバーヒートするのなら、HDMIでの外部出力記録時にも同じ現象が起こるはずである。なぜならライブビューモニターがオンになった状態は一緒だからだ。8kからのフルピクセル リードアウトを表示している事に変わりはないのである。

 

 

8Kセンサーが処理する情報量(熱量)は(上のビデオの機材構成のように)Ninja Vが装着されていようがなかろうが、変わらないはずである。Wifiメニューの操作をしているだけの時だってオーバーヒート現象は起こったのだから。

 

 

私にはメモリーカードが挿入されたその瞬間から、オーバーヒートのカウントダウンが始まっているように感じる。逆に、HDMIでの外部録画をする場合で、カードが挿入されていない場合はカウントダウンがされていないように感じる。上の動画や他のテストではHDMIでの外部記録のみの場合(カードは挿入されていない)は最大4時間の4K HQモード録画ができたという報告がある。これはどう考えても怪しい。

 

 

もし、オーバーヒートによる録画時間制限が人工的に作り上げられたものならば、Canonという会社の倫理観とは果たしてどういうものなのだろうか。 

 

 

Canonは8K動画や4k 120Pという動画をプロフェッショナルな用途で使えるカメラとしてR5をマーケティングしてきた。 もちろん、ハードウェアの限界で録画時間に制限がかかるというのなら、若干の理解もできるだろう。

 

 

しかし、もし単純にCanon Cinema EOSの製品の販売を妨げないために、作為的にこの制限を設けていたとしたらどうだろう? それは倫理的だと言えるだろうか?

 

 

その一方で、もしこれが本当にハードウェアの限界のために設定されたもので、プロセッサーが90°近くまで発熱するのだとしたら、プロセッサーの寿命に関わる事であり、製品の寿命に直結する。もし発熱問題でそう頻繁に電源が強制的に何回もシャットダウンするとしたならば、その度に内部サーキットにかかるストレスは相当なものにならないだろうか?

ここで第一部の記事が終了しますが、探偵、アンドリューさんはもう既にほとんどのことを見透かしていますね。

二番目の記事:更なる疑問、意図的なプログラミングの可能性 

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中国人ユーザーが解体したR5の内部

 

中国人ユーザーがCanon EOS R5を解体して、オーバーヒートするメカニズムを確認しようとしたらしい。

ハードウェアの内部構造は耐熱処理どころか、敢えてCPUの周囲に熱が集中するように設計されているように見える。

中国のBaidu(中国内のGoogleのような立ち位置)に掲載された記事では内部に使われた部品の詳細が詳しく記載されている。

EVFパネルはSonyの(ecx339a)で、こちらは耐熱処理が施されている。

メインのイメージプロセッサーのための4つのメモリーチップ(LPDDR4 3733)も同様にサーマルパッドを使って耐熱処理が施されている。

 

しかし、とても奇妙な事にメインのCPUにサーマルパッドは付いていない。しかも二つ目のサーキットボード全体がCPUの上に覆いかぶさっているため、熱が篭ってしまうようなっているようだ。このせいで、Canonがオーバーヒートを最大限防ぐために使ったと言われるマグネシウム合金のボディに熱が直接伝達できない構造になってしまっている。

 

もう一つ、おかしな事に気がついた。RAMのサーマルパッドがCPUの2/3くらいを覆っているのである。これはRAMからの放熱をCPUに集めてしまっている可能性がある。とても中途半端な配置になっている。

 

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中途半端なサーマルパッドの配置

理想というか、通常ならば上のDDR4チップに一つ、CPUに一つ、下のDDR4チップに一つと、三つのサーマルパッドが必要なのだが、なぜこのような中途半端な配置になったのか理解不能である。 CMOSセンサーにヒートガンを使って測ったところ、40°に満たない温度であったようだ。これはEOS R5のヒートリミットに達してないことを示している。 

 

この中国人ユーザーはR5を解体した後、サーマルペーストをCPUに塗って再度組み立てたそうだ。そうすることで、CPUの熱がマグネシウム合金に伝わるように工夫したのだろう。組み立てた後にヒートガンで再度、カメラの熱を計測したところ、CPUが一番熱を帯びている部分であることを再確認できた。 

 

しかし、サーマルペーストを塗りたくった後にカメラを起動したにも関わらず、きっちり20分後にカメラは測ったかのようにシャットダウンした。まるでファームウェアがそうするように命令しているみたいだ。 

 

写真を見ている限りでは、カメラ内の温度は47°を超えていないように見える。近代のCPUは、例えばラップトップコンピューターでも、95°くらいまで上昇して温度調整が効くように設計されているものだ。

 

サーマルペーストを塗らないで放置状態のCPU?

コンピュータを$200で自作する時でも、CPUにはサーマルペーストを塗るだろう。

 

8K録画時にR5で測定された47°の温度というのは決して高くない。

もし、内部で47°以上に温度が上昇した場合は、写真を見ても明らかなように、単純に温度が上昇するような内部設計になっているとしか言わざるを得ない。

このような内部設計をOKしたエンジニアの顔が見たいものだ。

 

 環境温度を色々と変えても試してみた。例えばアイスパックをEOS R5の後ろにくっつけることも試みたが、8K動画の録画可能時間は容赦無くカウントダウンしていった。録画可能時間が10分から5分、そしてゼロになるまで、一切カメラの操作をしていなかったにも関わらず、である。

EOSHDの視点、そしてCanonへの質問

ここまで観察してきて言えるのは、どう考えてもオーバーヒートの問題は回避できたであろうことである。

いくつかの質問が生まれてくる。

  1. プロセッサーがオーバーヒートするならば、なぜサーマルパッドをCPUに付けなかったのか?
  2. RAMのサーマルパッドがCPUに中途半端に覆いかぶさっているのはなぜなのか?
  3. なぜEVFに放熱処理が施されているのにCPUには施されなかったのか?
  4. ファームウェアはどのように機能しているのか?本当にCPUの温度を測ってオーバーヒートしているのか?それとも定期的なタイマーが発動してタイマーのカウントダウンと共に自動でオーバーヒート表示するようプログラムされているのか?
  5. なぜリカバリーするまでの時間がそんなに長くかかるのか?氷を本体に当てたにも関わらず、リカバリータイムが果てしもなく長いのはおかしい。
  6. Canonが公式に発表している通り、CPUが熱くなりすぎて、シャットダウンを促しているのならば、長期的に見て、このシャットダウンの繰り返しはCPUやシステム全体を早く消耗させる事にならないか?
  7. 8K録画モードで環境温度が変わっても録画可能時間は全く変わりなくカウントダウンされていくのはなぜなのか?

中略

上記の点から見て、私が出した結論はCanonは意図的にR5がオーバーヒートするように設計して、この商品の存在が同社のCinema EOSラインアップの売り上げに影響を与えないようにするためだという事である。もう一つ、横道にそれるが、このカメラの発表とオーバーヒートのニュースが流れた直後にTIltaが専用のファンを発表したのはタイミング的にどうなのだろうか? あまりにも対応が早すぎる。これは事前にオーバーヒートするという情報がCanonから伝わっていたからではないのか?

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Tiltaから物凄い早さで発売されたクーリングファン付きのケージ

三番目の記事:トリロジー終結  そして全ては証明される

今回、CDA-TEKとの共同作業により、EOS R5の内部の実際の温度を測ることが可能となった。

 

オーバーヒートは実際に起こっていたのか、それともフェイクだったのか?

 

Canonが公式に発表したAPIがある。これはサードパーティーデベロッパー達がCanonのカメラのリモートコントロール機能を利用したアプリを開発するために公開されたものである。

 

このCanonが自分たちで開発したコマンドを利用することで、カメラ内の温度を測る事ができたのだ。

 

私たちは8K録モードと4K HQ録画モードでオーバーヒートしてシャットダウンした時の温度を調べる事にした。 繰り返しになるが、近代の技術を使用したCPUの構造は90°前後に温度上昇するまでは通常運用可能なレベルにある。

 

 

私たちが最初に試みたアプリでは、CanonAPIは実際の温度を伝えず、ただ「Normal」とだけ温度状況を報告するに留まっていた。幸運な事に更に研究を重ねた結果、JPEGを撮影した際のEXIFデータにカメラの温度が表示される事がわかった。私は Jeffery’s Image Metadata Viewer を使って温度データを見る事にした。

 

 

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EXIFデータに表示されるカメラの温度

私たちが開発したEOS R5用のセンサー温度アプリはインターバロメータ機能を備えている。このインターバロメータを使う事でライブビューモードの状態で数秒ごとに写真を撮影させることができた。これで、写真撮影モードでのカメラ内の温度上昇が動画の連続記録時間の短縮にどれくらい影響を与えるのかを調べることが可能となった。

 

今のところわかっている事として、ユーザーがカメラをオンにしている限りは、たとえ静止画撮影モードになっていたとしても、8Kや4K HQの録画可能時間はどんどん減っていくことが確認できている。

 

つまり、$4000を支払ったにも関わらず、30分ほどライブビューモードでカメラをいじくり、何枚か写真を撮った後に8Kモードや4K HQモードでのビデオ撮影を試みた場合、たとえ環境温度が23°以下だったとしても、公式発表されている20分(8K)や30分(4K HQ)の撮影は不可能ということである。

 

私たちは45分ほど静止画モードでスナップを撮影したりメニューをいじくったりしながら、4K HQモードが一切撮影できない状況にまでカメラを追い込んだ。 Canonの公式ステートメントが正しければ、これはカメラ内の温度が上昇してしまったからだ、という事になっている。

 

さて、本当にそうだろうか?

 

私たちが室内で夕方に差し掛かる頃に試みたテストでは

  1. 最初にカメラのスイッチをオンにした時に温度は30°を計測していた。(室内温度は27°)
  2. 静止画撮影モードで5分ほど何もせず観察したところ、カメラの温度は46°を計測していた。この時点で写真もビデオも撮影はしていない。
  3. ここから5分に一回ずつ写真(JPEG)を撮影するよう、インターバロメータを設定した。
  4. その後、カメラの温度は安定して46°を維持していた。にも関わらず、30分後に動画記録制限のステータス表示が点灯した。繰り返すが、カメラの温度は一切上昇せず、46°のままだったのにも関わらず、である。

このテスト結果から、カメラ内の温度は動画記録制限がかかる事とは無関係であることが判明した。

 

中略

 

動画記録モードで、4K HQモードが再度録画可能になるまでに必要なリカバリータイムはもっと胡散臭い事になっている。

 

まず、動画記録モードにして数分間経過させた。この時のカメラ内の温度は46°だった。そこで、8Kの動画を15分録画した。この時点でカメラ内の温度は62°に上昇していた。(通常の電化製品ではこの温度は決して高くなく、通常の運用温度と言える)

 

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温度は62°に上昇していたが、決して高くない

その後、カメラがシャットダウンし、8K記録ができない状態になった。

しかし、EXIFデータからシャットダウンした数秒後にはカメラ内温度が40°中盤にまで下がっていることが確認できた。この温度は最初に8K記録を始めた時と全く同じ温度である。

 

想像してみて欲しい。熱々のフレンチフライが鉄板に乗ってディナーテーブルに運ばれてきた。20分後にそのフレンチフライはまだ熱々だろうか?

 

電子機器だって全く同じだ。いや、電子機器は基本的に金属を使用しているのでクールダウンは更に早いはずだ。

 

先述した通り、カメラの温度は8K動画を撮影する前の状態(46°)に戻っていたにも関わらず、8K録画を試みると出てくるメッセージは「オーバーヒート中により、シャットダウンします」というものだった。

 

そこから10分ほど待っただろうか、EXIF上のカメラ内の温度は既に室内温度にまで下がっていたにも関わらず、私たちが勝ち取った8K録画時間はたったの2分に過ぎなかった。

 

動画記録制限のステータス表示はその後も表示され続け、かなりの時間が経ってからようやく表示されなくなった。その間、カメラ内の温度は静止画撮影モードで安定して40°前後を記録していた。でも人工的なカメラタイマーは温度とは無関係に作動しているようだった。

 

カメラタイマーはカメラの温度が上昇しきっているとユーザーを信じ込ませるが、実際には46°なのだから、それは全くの嘘の表示という事になる。

 

おさらいしよう。電子機器の運用時の温度に関するおさらいだ。

 

46°はCPUやメモリやメモリーカードの運用時に高い温度とは到底言えない。むしろ、通常運用には快適な温度だと言える。

 

62°は8K録画を継続するためにとても高い温度とは言いにくい。もしカメラが95°にまで内部温度を上昇させていたなら話は変わってくるだろうけれども。

 

このテスト結果を受けての私の結論はこうだ。

Canonは完全に顧客やユーザーに対して嘘をついている。

カメラ内には明らかに人工的に操作されたソフトウェア上の制限がかけられている。

これはカメラ内温度が46°に戻ってからも、8Kでの録画を拒否し続けたという事実が証明している。

 

サーマルパッドなしのCPUや、ずさんな内部の熱処理設計を見ても明らかである。

Canonは今回、R5の熱処理設計で手を抜いたのだ。

 

これは倫理上許せる問題ではない。

 

Canonは熱処理問題に関して自身が発言した一連の嘘に関して説明責任があると考える。

 

また、Canonファームウェアアップデートでこの人工的に操作されたタイマーを外す予定があるのか、強く問いて見たい。実際に商品を買ったオーナーとして、この状態を看過するわけにはいかない。

 

最後まで読まれてどう感じられましたでしょうか?

個人的には僕自身が前回取り上げたR5の熱烈支持者であるArmandoさんの下記の言葉が思い浮かびました。 今回のAndrewさんのテストの結果と完全一致するからです。

 以下、Armandoさんのコメントです。

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Armandさんのコメント(前回の記事から)

 

事態がどんどん進展してますので、下の記事も併せてどうぞ

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